W'UP! ★3月25日~5月6日 企画展示「時代を映す錦絵―浮世絵師が描いた幕末・明治―」 国立歴史民俗博物館 (千葉県佐倉市)

歌川国芳画 天保14年(1843) 国立歴史民俗博物館蔵
企画展示「時代を映す錦絵―浮世絵師が描いた幕末・明治―」
会 期 2025年3月25日(火)~5月6日(火・休)
会 場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B(千葉県佐倉市城内町117)
開館時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)
入場料 一般1000円(800円)、大学生500円(400円)
※()内は20名以上の団体料金です。
※総合展示も合わせてご覧になれます。 ※高校生以下は入館無料です。 ※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です) ※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入館が無料です。 ※半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
ホームページ https://www.rekihaku.ac.jp
お問い合わせ ハローダイヤル 050-5541-8600
- 道化手遊合戦 歌川貞益画 天保14~弘化3年(1843~46) 国立歴史民俗博物館蔵
- 浮世又平名画奇特 歌川国芳画 嘉永6年(1853)6月 国立歴史民俗博物館蔵
- 弁慶なまづ道具 安政2年(1855) 国立歴史民俗博物館蔵
- 海上安全万代寿 河鍋暁斎画 文久3年(1863) 7月 国立歴史民俗博物館蔵
- 延寿安穏之見酔 文久3年(1863) 国立歴史民俗博物館蔵
- 夏の夜虫合戦 慶応4年(1868)5月 国立歴史民俗博物館蔵
- 元亀年中織田家城塀破損して木下藤吉是お承三日の内に繕之図 歌川芳藤画 慶応4年(1868)5月 国立歴史民俗博物館蔵
- おたけ大日如来略えんぎ 歌川国芳画 嘉永2年(1849) 個人蔵
- かつぽれかへうた 東柴画 明治6年(1873) 国立歴史民俗博物館蔵
江戸時代後期に成立した錦絵は、役者絵や美人画、名所絵などで高度な表現を成し遂げ、日本美術を代表するものとして世界的に認知されています。一方、錦絵は江戸市中に無数に存在する絵双紙屋を通して販売されるという流通形態もあり、世の中の出来事や流行を伝えるメディアとしての役割も果たしました。本展では、江戸時代末期から明治初期にかけての、戊辰戦争などの戦争や動乱、大地震、疫病の流行、多くの人々を集めた寺社の開帳や見世物、あるいは人々を熱狂させた流行現象など、激動する時代の諸相を描いた錦絵を、その歴史資料的側面に光を当てて展示します。
見どころ
「源頼光公館土蜘作妖怪図」をはじめ、あの歌川国芳、河鍋暁斎、三代歌川広重も描いた風刺画も登場!写楽や歌磨だけが錦絵じゃない!マニアックな錦絵が勢ぞろい!1点ずつ解説つきの風刺画の展示は歴博ならでは。民衆の中に息づき、爆発的な広がりをみせた時事錦絵を通し、江戸時代末期以降のリアルな流行現象、民俗、文化、人々の関心事を総覧。「夏の夜虫合戦」など歴史的な出来事になぞらえた、なぞ解き絵のような風刺画より、ユーモラスに明るく出来事をとらえる大衆文化をみる。明治のはじめ、人々が動物に熱狂!この世相を写したユニークなウサギをネタにした錦絵「かつぼれかへうた」も紹介。
展示構成 ※章の構成と出品作品は変更になる場合がございます。
1. 風刺画の基盤
江戸末期に流行した風刺画や時事を扱う錦絵。これらは当時の出版規制の対象だったので、あからさまな表現を避け、さまざまな工夫をもとに風刺や時事を扱った意図を伝えます。その工夫の母体となった題材や趣向を最初にご紹介し、2章以下の導入とします。
2. 風刺画の登場
天保14年(1843)に歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」が天保の改革を風刺したとの風評で大ヒットし、錦絵に風刺画というジャンルが登場します。幕末に評判を呼んだ風刺画や時事を扱った錦絵の代表作を展示して、新しいジャンルが誕生したことを示します。
3. 鯰絵
安政2年(1855)に江戸を襲った大地震の直後から、地震の元凶とされていた地中の大鯰を題材にした錦絵が大量に発行され、風刺画・時事錦絵として最初のピークが出現します。それらの中には地震後の世相を風刺したものも多く、また後の時代の風刺画・時事錦絵の趣向の母体となったものも見いだせます。
4. 流行り病と錦絵
江戸時代末期に何度か大流行を見せたコレラと麻疹。有効な治療法のなかった当時、錦絵も病に翻弄される人々の情報源となりました。この章では、安政5年(1858)のコレラ流行の折に出た錦絵と文久2年(1862)の麻疹の流行時に出た錦絵を取り上げます。後者には麻疹除けの他に鯰絵と同様の世相風刺の意図も見いだせます。
5. 激動の幕末
ペリー来航の後、開国と攘夷の間で揺れ動き、わずか十数年という短い間でついに戊辰戦争を経て江戸幕府倒壊にまで突き進んだ幕末。江戸の民衆は大事件への情報を希求し、それに応えた錦絵は激動する世の中の動きをタイムリーに伝えています。将軍家茂の上洛、生麦事件の余波の江戸市中混乱なども、錦絵の好画題となりました。
6. 開帳と流行り神
江戸時代は、さまざまな神仏がにわかに流行し、それを当て込んだ錦絵も大量に売り出されます。とくに神仏の開帳と流行には深い関係がありました。この章では、嘉永2年(1849)のお竹大日如来などの流行の折に出た多彩な錦絵や、開帳に合わせて興行された見世物の錦絵などを紹介します。
7. 横浜絵
通商条約をもとに開港し、急速に貿易都市としての体裁を整えていく横浜の町の景観や風俗は江戸の人々にとっても関心の的で錦絵の新たな画題となります。横浜をテーマにしたこうした錦絵は万延元年(1860)から翌文久元年(1861)をピークに大量に出版され、今日、横浜絵(横浜浮世絵とも)と呼ばれています。この章では横浜絵の中から代表的な画題のものを紹介します。
8. 動物狂騒曲
万延元年(1860)に舶載された豹は江戸の両国で見世物に出され、雌のトラとして評判を呼び、大勢の観客を集めました。また、明治5、6年(1872、73)には、ウサギブームを背景に投機目的の飼育が大流行します。本章では人々が動物に熱狂したこのふたつの世相を写した錦絵を紹介します。
9. 開化絵とその周辺
明治維新により急速に変貌していく東京の町や風俗は、錦絵の好画題となり、それらは今日、「開化絵」と呼ばれています。新しく名所となった擬洋風建築や鉄道、多くの観覧者を集めた博覧会などが華美な色彩を用いて描き出されています。そうした作例を紹介するとともに、それらとは対照的に繊細な彩色で抒情的に開化の東京を表現した小林清親の「光線画」も展示します。
国立歴史民俗博物館
W'UP!★8月7日~9月8日 「伝統の朝顔」(2024年度) 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑(千葉県佐倉市)
コメント