W'UP! ★10月3日~12月10日 陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-/11月14日~2024年2月12日 「北の大地が育んだ古代-オホーツク文化と擦文文化-」/ 「四国遍路・文化遺産へのみちゆき」 国立歴史民俗博物館 (千葉県佐倉市)

W'UP! ★10月3日~12月10日 陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-/11月14日~2024年2月12日 「北の大地が育んだ古代-オホーツク文化と擦文文化-」/ 「四国遍路・文化遺産へのみちゆき」 国立歴史民俗博物館 (千葉県佐倉市)

渾天儀(こんてんぎ) 江戸時代 国立歴史民俗博物館蔵

2023年10月3日(火)~12月10日(日)
陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-

 陰陽師とはどのような存在だったのでしょうか。この展示では、あまり知られていない陰陽道の歴史とそこから生み出されてきた文化をさまざまな角度からとりあげて考えてみます。古代において成立した陰陽道は中世から近世へと数百年にわたり、その役割を広げながら、時代とともに多様に展開していきました。その姿を都状(とじょう)や呪符など具体的な史資料をもとに、明らかにしていきます。
 安倍晴明は平安時代の実在した陰陽師ですが、陰陽道の浸透とともに、伝奇的なイメージが付け加わっていきます。その姿を追うことで陰陽道の性質をとらえることも試みます。さらに陰陽師たちが担った暦について、その製作や形式、移り変わりの様子を見つめることによって、人びとが陰陽道に求めたものが見えてくるでしょう。
 なお、この展示は科学研究費基盤研究(C)「古代~近代陰陽道史料群の歴史的変遷と相互関係の解明」の成果の一部です。

渾天儀(こんてんぎ) 秋岡武次郎古地図コレクションより。もともとは天体の位置を観測して暦を作るための器械だが、近世には太陽と月の動きを説明するために用いられた。天体の見かけ上の動きを立体的に示すようになっている。中心には地球が置かれ、その周囲には天の赤道や黄道、月の軌道を示す白道などの輪が取り付けられている。(上画像)

周易伝義
「易経」江戸時代〜明治 国立歴史民俗博物館蔵

「易経」 古代の中国から伝わった陰陽五行説や易、道教などの知識をもとに、日本の律令体制のなかで陰陽道は形成されていった。陰陽師たちは、そうした中国伝来の知識を、日本の生活とつき合わせて暦を作り、占いやまじないを行った。奈良の陰陽師で暦師でもあった吉川家には易の専門書も伝えられていた。

占いの古文書
「占術・暦注雑書」16世紀初頭〜前半 国立歴史民俗博物館蔵

「占術・暦注雑書」 陰陽師が占いや暦に関するさまざまな知識をいろいろな機会に書き留めておいたもの。陰陽道ではこうした書物を「雑書」と呼ぶことが多い。この資料は室町時代の守護大名にかかわる文書の裏を用いて記されていることが判明した。紙が貴重であったために再利用されたのである。

天曹地府祭図
天曹地府祭之図 安永10年(1781)国立歴史民俗博物館蔵 ※後期(11月7日~12月10日)は同名の別資料を展示

天曹地府祭之図 奈良暦師吉川家資料。江戸時代に天皇の即位や将軍の宣下(せんげ)の際に陰陽師が執行した天曹地府祭(てんそうちふさい)の概略図。その祭場を具体的に記録し、次回以降に備えたもの。

鎮宅祭次第
「鎮宅祭次第」江戸時代 国立歴史民俗博物館蔵

「鎮宅祭次第」 陰陽師が用いた呪符。奈良暦師吉川家資料。八将神(はっしょうしん)、歳徳神(としとくじん)、金神(こんじん)、豹尾神(ひょうびしん)といった陰陽道の神々の名を記した呪符。また雪隠(トイレ)に用いる人形や呪符も書かれている。

東北院職人歌合「陰陽師」
東北院職人歌合「陰陽師」室町時代写 国立歴史民俗博物館蔵
※後期(11月7日~12月10日)は複製を展示

東北院職人歌合「陰陽師」 中世にさまざまな職業の人びとが和歌を競い詠んだ、という趣向のもとに描かれた職人歌合。「陰陽師」は「医師」と組み合わされており、祭壇に祈りを捧げる姿が描かれている。当時の陰陽師のイメージが絵画で表現されているとみられる。陰陽師が詠んだとされる和歌は、「再拝やたかまの原にすむ月に あまの八重雲かゝらすもかな」

陰陽師と式神・外道 復元模型
陰陽師と式神・外道 復元模型 国立歴史民俗博物館蔵

陰陽師と式神・外道 「泣不動縁起」の一場面を立体化したもの。祭壇にむかって祭文を読み上げる陰陽師とそのまわりには式神、外道たちが坐っている。

本展のみどころ
 暦や占いの知識を集成した「金烏玉兎集(きんうぎょくとしゅう)(簠簋(ほき))」や現存最古の「大ざつしよ」など、確かな史資料にもとづいて時間と空間を意味づけた陰陽師のリアルな姿を明らかにする。
 陰陽師が用いた呪符も展示。古代から近代のはじめに至る陰陽師の足あとをたどる。
 平安時代に活躍した陰陽師、安倍晴明の「ものがたり」を通して実像に迫る。
 天体の位置を観測して暦を作るための器械「渾天儀(こんてんぎ)」や、天保暦からグレゴリオ暦に変わる、最後の旧暦資料「明治六年癸酉頒暦(きゆうはんれき)」から暦に託されたさまざまな知識や工夫を読み解く。

陰陽師とは何者か-うらない、まじない、こよみをつくる-
開催期間 2023年10月3日(火)~12月10日(日)
会 場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
料 金 一般1000円、大学生500円
※総合展示も合わせてご覧になれます。
※高校生以下は入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入館が無料です。
※半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館)
主 催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
特別協力 おおい町暦会館、おおい町立郷土史料館、福井県立若狭歴史博物館
後 援 一般社団法人日本カレンダー暦文化振興協会、株式会社トーダン、おおい町(福井県)

関連する催し物
歴博講演会
第447回「陰陽道と伝承文化」 民俗学の視点から陰陽道をとらえなおす
2023年11月11日(土) 13:00~15:00 本館講堂
講師:小池 淳一

歴博講演会ページはこちら https://www.rekihaku.ac.jp/events/lecture/index.html

縄文土器

オホーツク土器(貼付文系)栄浦第二遺跡 8~9世紀 東京大学常呂実習施設蔵

2023年11月14日(火)~2024年2月12日(月・休)
第1展示室「北の大地が育んだ古代-オホーツク文化と擦文文化-」

みどころ
日本列島の文化の多様性 「あなたの知らない古代」
本州では馴染みが薄い北海道の古代、オホーツク文化、擦文文化を紹介します。
東京大学による北海道東部の北見市常呂町での長年の調査と地域への貢献

 日本史で古代(飛鳥・奈良・平安時代)と呼ばれた時代、北海道ではオホーツク文化と擦文文化が展開していました。オホーツク文化は、5世紀から9世紀頃にサハリン南部から北海道の東北部、千島列島にかけて広がった文化です。北方から南下した外来の文化と考えられており、海獣狩猟と漁撈を生活の基盤とし、クマを中心とする動物儀礼に特徴があります。擦文文化は7世紀後半から12世紀にかけて北海道の全域に広がった文化で、本州の古代国家の影響のもとに成立しました。漁撈・狩猟・採集を中心に雑穀を利用し、アイヌの文化の直接的な母胎になったと考えられています。しかしながら、ともに本州の古代と同じ時代の文化であるにもかかわらず、本州においては馴染みが薄いのが現状ではないでしょうか。
 今回の特集展示では、北海道東部の北見市常呂町に拠点をおき長年にわたって調査・研究を進めてきた東京大学常呂実習施設と、大学共同利用機関である国立歴史民俗博物館が連携して、この2つの文化をわかりやすく紹介します。日本列島には多様な文化が展開していたこと、「あなたの知らない古代」に関心をもっていただけたら幸いです。
 なお本特集展示は、東京大学文学部「人文学における国際的地域・社会連携の推進」プログラム関連事業として実施します。

主な展示資料
・北見市内各遺跡(トコロチャシ跡、トコロチャシ南尾根、トコロ貝塚、栄浦第二、岐阜第二、大島2)出土資料(東京大学常呂実習施設蔵)
・北見市常呂川河口遺跡出土資料(北見市ところ遺跡の森蔵)
・根室市弁天島遺跡出土資料(根室市歴史と自然の資料館蔵)
など約40点

第1展示室「北の大地が育んだ古代-オホーツク文化と擦文文化-」
開催期間 2023年11月14日(火)~2024年2月12日(月・休)
会 場 国立歴史民俗博物館 第1展示室 特集展示室
料 金 一般600円、大学生250円、高校生以下無料
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
開館時間 9:30~16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始(12月27日~1月4日)
主 催 東京大学大学院人文社会系研究科·同附属北海文化研究常呂実習施設、大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

歴博講演会 第448回「オホーツク文化とは何か-東京大学文学部と北海文化研究-」
日時 12月9日(土)13:00~15:00
講師 熊木 俊朗(東京大学大学院人文社会系研究科・教授)
場所 歴博講堂 ※事前申込制、詳細は約1ヶ月前に歴博講演会ページにて公開 https://www.rekihaku.ac.jp/events/lecture/index.html


 

古文書


弘法大師と衛門三郎の摺物 愛媛県歴史文化博物館蔵

2023年9月26日(火)~2024年2月25日(日)
「四国遍路・文化遺産へのみちゆき」

 本展示では、1200年の歴史を有するとされる四国遍路の歴史と現在について、次の構成で紹介していきます。

1 四国遍路と弘法大師空海
 四国遍路は真言宗の宗祖、弘法大師空海が霊場を定めたと伝えられています。遍路の白衣にも「南無大師遍照金剛」と背中に記され、金剛杖は大師の化身であるとされています。そこで本展示では、まず弘法大師と四国とのつながりを示し、古代から続く大師信仰の系譜をみていきます。
2 遍路絵図と描かれた札所
 江戸時代に確立し、庶民の旅の目的として普及していった88ヶ所霊場の特徴を概観します。四国遍路の長い歴史のなかでは、その位置づけや人々の関わり方も大きく変化しています。例えば、88ヶ所を巡るお遍路ですが、これらの札所が定まったのは近世、17世紀に入ってからでした。札所をめぐる巡礼路が絞られていくのも、それ以後のことになります。四国遍路の普及に大きな役割を果たした媒体に注目し、描かれた遍路の姿についても紹介していきます。
3 近代化とツーリズム
 近代化のなかで四国遍路は、全国からの集客を見込めるツーリズムへと展開していきます。遍路の代名詞でもある「南無大師遍照金剛」と背中に記された白装束についても、戦後になって普及した姿であることがわかってきました。明治・大正時代に奉納された絵馬や戦前の絵葉書の遍路の一行には、白装束は数えるほどしかみられません。鉄道やバス、自家用車の利用なども盛んになることで、遍路の意味づけや参加者、規模や期間も変化していきました。
4 世界遺産登録に向けて
 21世紀になると、四国遍路を世界遺産に登録しようとする運動が活発化します。四国4県は登録に向けて様々な活動を行うとともに、その文化的歴史的な特質を炙り出し、遍路文化を物語化していきました。また、今回の展示共催となる愛媛大学四国遍路・世界の巡礼研究センターと愛媛県歴史文化博物館による最新の研究成果の紹介も行います。

弘法大師と衛門三郎の摺物 12番札所焼山寺の麓にある杖杉庵(徳島県神山町)が発行した摺物。摺物の上段には弘法大師と衛門三郎の伝承が記され、下段に衛門三郎が大師に許しを乞う場面が描かれている。(画像上)

 細田周英「四国徧礼絵図」
細田周英「四国徧礼絵図」1763(宝暦13)年 愛媛県歴史文化博物館蔵

細田周英「四国徧礼絵図」 現存する四国遍路絵図の中で最も古い木版の絵図。四国の南を上、北を下、東を左、西を右という構図で、本州から四国を眺めたような形に描かれている。

明治後期の遍路写真
明治後期の遍路写真 1897(明治30)年 愛媛県歴史文化博物館蔵

明治後期の遍路写真 西予市宇和町山田にあった山田大師堂に奉納されていた明治時代の遍路の古写真。撮影場所は琴平(香川県)の福井写真館で、帰郷後に山田大師堂に奉納されたものと考えられる。

象頭山参詣道四国寺社名勝八十八番
象頭山参詣道四国寺社名勝八十八番 愛媛県歴史文化博物館蔵

象頭山参詣道四国寺社名勝八十八番 左上に「金毘羅美玉堂」とあることから、その門前町にある板元が、遍路や金毘羅への参詣客への土産として刊行した案内図と考えられる。本州からの旅人の目線を意識しているかのように、南が上の構図となっている。

馬木遍路道道標
馬木遍路道道標 複製 1863(文久3)年 国立歴史民俗博物館蔵

馬木遍路道道標 原品は、松山市馬木町にて現存。四国道後平野の馬木村に幕末の1863(文久3)年に建てられた。この道標は同村32人の寄進になったもので、近世に多く見られた巡礼への喜捨の一形態を示している。

みどころ
四国88ヶ所霊場を開いたとされる弘法大師空海とはどんな人物だったのか、弘法大師と四国とのつながりから紐解く
四国遍路の札所はなぜ88ヶ所なのか?-遍路絵図に描かれた、札所や遍路道の姿について紹介する
四国遍路はなぜ白装束?いつから?-近代化による遍路の変化をみる
世界遺産とは?-四国遍路が持つ世界遺産に登録される価値を考える

第4展示室
「四国遍路・文化遺産へのみちゆき」
開催期間 2023年9月26日(火)~2024年2月25日(日)
会 場 国立歴史民俗博物館 第4展示室 特集展示室
料 金 一般600円、大学生250円、高校生以下無料
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※障がい者手帳等保持者は手帳等の提示により、介助者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場(16:00まで)できます。 また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
開館時間
 9月 9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
 10月~ 9:30~16:30(最終入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は開館し、翌日休館 )、年末年始(12月27日~1月4日)、2024年2月14日(水)
主 催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
共 催 愛媛県歴史文化博物館、愛媛大学 四国遍路・世界の巡礼研究センター

W’UP!★10月31日~11月26日 特別企画「伝統の古典菊」/11月28日~2024年1月28日 特別企画「冬の華・サザンカ」 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑(千葉県佐倉市)

住所千葉県佐倉市城内町117
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
WEBhttps://www.rekihaku.ac.jp
開館時間*13月 ~ 9月 9:30 ~ 17:00、10月 ~ 2月 9:30 ~ 16:30(入館・入苑は閉館の30分前まで)
休み*2月曜日(休日は開館、翌日休館)、年末年始(12月27日〜1月4日)※最新情報はホームページにてご確認ください。
ジャンル*3歴史・考古・民俗関連
入場料*4一般 600円、大学生 250円、高校生以下無料 ※企画展示の料金はその都度別に定める
アクセス*5京成佐倉駅より徒歩約15分、またはJR総武本線佐倉駅からバス約15分
収蔵品データベースれきはく https://www.rekihaku.ac.jp/education_research/gallery/database/
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認*5 表示時間はあくまでも目安です

国立歴史民俗博物館

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

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