W'UP!!★3月9日~6月30日 カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)

W'UP!!★3月9日~6月30日 カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)
カール・アンドレ展ポスター

2024年3月9日(土)~6月30日(日)
カール・アンドレ 彫刻と詩、その間
CARL ANDRE: Between Sculpture and Poetry

 カール・アンドレ(1935–2024)は1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家です。日本の美術館において初めての個展となる本展は、同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開します。アンドレは自身の作品が、それが置かれる周りの空間に作用するものであることを「場としての彫刻」という言葉で表しています。
 整然として無機質な印象とは裏腹に、実際の作品を前にすると、金属の光沢や錆、木の手ざわり、石の重みなど、物質それ自体の大らかな姿を目にすることができます。不揃いなユニットが並んでいることにも気が付くことでしょう。
 また、本展では知る人ぞ知るアンドレの詩をまとまったかたちで紹介します。タイプライターで断片的な単語を打ち込んで構成されるアンドレの詩は、読むことでも眺めることでも楽しめるものです。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映されています。
 彫刻と詩という離れた表現で展開する、アンドレの作品をぜひお楽しみください。

カール・アンドレ《メリーマウント》1980年 ポーラ・クーパー・ギャラリー
カール・アンドレ《メリーマウント》1980年 ポーラ・クーパー・ギャラリー © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York. Photo: Steven Probert
カール・アンドレ《ベルギカブルー・ヘクサキューブ》1988年 ポーラ・クーパー・ギャラリー
カール・アンドレ《ベルギカブルー・ヘクサキューブ》1988年 ポーラ・クーパー・ギャラリー© 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York. Photo: Steven Probert

みどころ 1.
 作家夫妻と所属ギャラリーの全面的な協力を得て実現する、日本の美術館における初個展。〈スクエア〉や〈カーディナル〉をはじめとする代表的な床置きの大型彫刻13点に加え、日本では紹介されることが稀な「小さな彫刻」を8点、約70ページの詩という構成で、アンドレの制作を多角的に紹介します。

みどころ 2.
 《メリーマウント》(1980)を含めて3点展示する床置きの木の彫刻は、現時点で国内の美術館に収蔵されていない作例です。また、特にスケールの大きな作品として、横幅15mにも及ぶ《上昇》(2011)にご注目ください。人の背丈を超えるL字の金属板が並び、壁との間にできた空間を通ることができます。

カール・アンドレ《上昇》2011年
カール・アンドレ《上昇》2011年 Estate of the Artist © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

みどころ 3.
 大型彫刻の展示のため、天井高7m、約400㎡の企画展示室を仮設壁で区切らず開放的に使用します。上を歩くことができる作品も含まれた、順路のない展示を巡ってみてください。アンドレ彫刻があることで日常とは異なる重力を備えるような空間を、全身で体感できることでしょう。

みどころ 4.
 初期の詩のアンソロジーである〈セブン・ブックス〉から厳選した約40ページを、作家本人のデザインをもとに制作した展示台で紹介。〈ユカタン〉全26ページと合わせて、タイプライターで打ち込まれるアンドレの詩の概要をお見せします。

カール・アンドレ〈セブン・ブックス〉1969–1979年
カール・アンドレ〈セブン・ブックス〉1969–1979年 Estate of the Artist
© 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York. Photo: Steven Probert
カール・アンドレ〈ユカタン〉
カール・アンドレ〈ユカタン〉1972/1975年 Estate of the Artist
© 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

作家略歴
 カール・アンドレは1935年にアメリカ・マサチューセッツ州の工業都市クインシーに生まれ、詩を共通の趣味とする両親のもとに育つ。アンドーバーの名門フィリップス・アカデミーで学んだ後、ヨーロッパ滞在や兵役を経て1957年にニューヨークに居を移し、出版社で職を得る。翌年よりフランク・ステラとスタジオを共有してコンスタンティン・ブランクーシに影響を受けた、鑿で木に切れ込みを入れる彫刻を制作する。1960年から約4年間ペンシルヴェニア鉄道で制動手として勤務する傍ら、詩作やユニット状の木を組み合わせる〈エレメント〉シリーズに取り組む。1964年にグループ展で初めて発表をし、翌年にティボール・ド・ナギ・ギャラリーで初個展を行う。1966年「プライマリー・ストラクチャーズ」展に137個のレンガを直列に並べた《レヴァー》を出品する。程なくして正方形の金属板を並べた床置き彫刻の制作を始め、アメリカ、ヨーロッパなど各地で空間に合わせて規模の異なる様々な作品を発表する。1970年には「第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ):人間と物質」の招聘作家として来日。主な展覧会として《作品の37番目のピース》を発表したグッゲンハイム美術館における1970年の個展、1996年「Carl Andre Sculptor 1996」、2014年「Sculpture as Place 1958-2010」など。2024年1月24日、ニューヨークにて死去。

カール・アンドレ《9つのアルミ、シー/ソーの列》2016年
カール・アンドレ《9つのアルミ、シー/ソーの列》2016年 Estate of the Artist © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

会 期 2024年3月9日(土)~6月30日(日)
開館時間 9:30~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
入館料 一般1,800円、学生・65歳以上1,600円、高校生以下無料、障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名まで無料
会 場 DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)
電 話 050-5541-8600(ハローダイヤル)
主 催 DIC株式会社
協 力 ポーラ・クーパー・ギャラリー、ギャラリーヤマグチ
後 援 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
DIC川村記念美術館 https://kawamura-museum.dic.co.jp/
DIC川村記念美術館 展覧会紹介ページ https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2024/carlandre/
SNS
https://twitter.com/kawamura_dic
https://www.instagram.com/kawamura_dic_museum/
https://www.youtube.com/user/KawamuraMuseum

カール・アンドレ《6つの組み合わされた作品》2019年
カール・アンドレ《6つの組み合わされた作品》2019年 Estate of the Artist © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.

会期中のイベント
※詳細と申し込み方法は公式サイトでお知らせします
※やむを得ず記載内容を変更する場合があります

ゲストによるギャラリートーク 当日先着50名
冨井大裕(美術家)
3月9日(土) 11:30〜12:30

クロストーク 要予約
梅津元(芸術学)× 林卓行(美術批評)
5月11日(土) 13:30〜15:00

パフォーマンス  予約不要
環ROY(ラッパー)
4月12日(金) 16:00〜16:30

ワークショップ「カール・アンドレ句会」  要予約
山口信博(グラフィック・デザイナー、俳句結社「澤」同人)
6月8日(土) 13:30〜15:30

学芸員によるギャラリートーク 当日先着35名
3月16日(土)、4月20日(土)、5月17日(金)、6月14日(金) 各日11:30より

ガイドスタッフによる定時ガイドツアー 当日先着20名
毎日14:00より

会期中のコレクション展示
 コレクションHighlight フランク・ステラ〈ブラック・シリーズ〉とカール・アンドレ 会場:201室 DIC川村記念美術館の重要なコレクションの1点、フランク・ステラ《トムリンソン・コート・パーク(第2ヴァージョン)》は、1歳差のステラとアンドレが1958年から約2年に渡りスタジオを共有していた時期に制作されたものです。本作を含む4点をニューヨーク近代美術館「16人のアメリカ人」展に出品する際、ステラはカタログ原稿の執筆をアンドレに依頼しました。アンドレにも多大な影響を与えた、ミニマル・アートの萌芽として高く評価される〈ブラック・シリーズ〉を、二人の交流を通して再考する機会といたします。

住所千葉県佐倉市坂戸631
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
WEBhttps://kawamura-museum.dic.co.jp/
開館時間9:30 ~ 17:00(入館は16:30まで)
休み月(祝日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始、展示替え、メンテナンス期間
ジャンル近代美術、現代美術
入場料*1ご来館時の展示内容によって変わります。
アクセスJR佐倉駅、京成佐倉駅より無料送迎バスが運行。時刻表:https://kawamura-museum.dic.co.jp/information/access/
収蔵品https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/collection/
*1  高齢者、幼年者は要確認

DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

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