W'UP★7月2日~9月24日 芸術家たちの南仏 Rendez-vous dans le Midi 宇都宮美術館(栃木県宇都宮市)

W'UP★7月2日~9月24日 芸術家たちの南仏 Rendez-vous dans le Midi 宇都宮美術館(栃木県宇都宮市)

 

2023年7月2日(日)~9月24日(日)
芸術家たちの南仏
Rendez-vous dans le Midi

 19世紀末以降、観光客の目的地として栄えていくなか、南仏の地は芸術家たちにとっても重要な場所となっていきました。戦後は、何人もの芸術家が南仏にアトリエを構え、この時代を代表する作品の数々が生み出されました。本展では、30人におよぶ作家の作品や資料等およそ150点を通じて、19世紀末から20世紀にかけての南フランスにおけるモダン・アートの展開を紹介します。パリの喧騒から離れた穏やかな場所で交流し、協働し、競い合った芸術家たちの活動の痕跡をたどってみましょう。

セザンヌの南仏の風景画
ポール・セザンヌ《マルセイユ湾、レスタック近郊のサンタンリ村を望む》 1877-79年 油彩、カンヴァス 吉野石膏コレクション(山形美術館に寄託)

 暖かい日差しと豊かな自然、そして紺碧の地中海――。南フランスに憧れ、一度はこの地でヴァカンスを過ごしてみたいという思いを抱いている人は少なくないでしょう。
 19世紀末以降、観光客の目的地として栄えていくなか、南仏の地は芸術家たちにとっても重要な場所となっていきました。太陽の輝きと豊かな自然、近代化の進む大都市の喧騒から離れた素朴な世界は、多くの芸術家たちを魅了しました。第二次世界大戦が勃発すると、「敵性外国人」として収容された芸術家たちや海外への亡命を求める者たちが、望むと望まざるとにかかわらずこの地に集まることもありました。
 戦後、何人もの芸術家が南仏にアトリエを構え、伝統的な技法を用いる職人たちとの協働の試みや、壁画や建築装飾などの大規模な制作が行われ、この時代を代表する作品の数々が生み出されました。
 本展では、30人におよぶ作家の作品や資料等およそ 150点を通じて、19世紀末から 20世紀にかけての南フランスにおけるモダン・アートの展開を紹介します。パリの喧騒から離れた穏やかな場所で交流し、協働し、競い合った芸術家たちの活動の痕跡をたどってみましょう。

赤を基調とした葉のデザインのタペストリー
アンリ・マティス 《ミモザ》(タピスリー) 1951年 池田20世紀美術館

出品作家
ジャン・アルプ、ハンス・ベルメール、ポール・セザンヌ、マルク・シャガール、ソニア・ドローネー、アンドレ・ドラン、ラウル・デュフィ、マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、ヴォルスほか

みどころ

1.都会の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれながら発展した、新しい時代の芸術の数々
 19世紀後半の鉄道網の発達によって首都パリからアクセスしやすくなると、美しい自然とまばゆい陽光に誘われ、多くの人々と同様に芸術家たちもまた南仏へと向かいます。そこにはポール・セザンヌをはじめとする印象派やポスト印象派の画家たちのゆかりの地も見られ、すでに伝説となりつつあった彼らへのあこがれもまた、若い芸術家たちを南へと向かわせました。前衛からアカデミスムまで、多種多様な芸術家たちが新たな表現を模索して生み出した、挑戦的な作品の数々をご紹介します。

南仏の港町の風景画
アンドレ・ドラン《マルティーグ》1907-08年 油彩、カンヴァス 島根県立美術館
裸婦像
アンリ・マティス《肘掛け椅子の裸婦》1920年 油彩、カンヴァス DIC 川村記念美術館

2.第二次世界大戦中、否応なく南仏にたどり着いた芸術家たち
 第二次世界大戦が始まると、フランスにいたドイツ人たちは「敵性外国人」として収容所に集められ、ドイツ出身の芸術家の中には南仏のレ・ミル収容所に収容された者たちもいました。また、南仏から国外への亡命を考え、ビザの発行をマルセイユで待っていた芸術家たちや、グラースに集まった芸術家たちもいました。戦禍により否応なくたどり着いた南仏の地で受けた刺激や、そこでの共同制作からもまた、多くの作品が生まれます。これらの作品やその創作にまつわるエピソードは、わたしたちが抱く南仏のイメージとは一味ちがった発見をもたらしてくれるでしょう。

暗い紺色基調の静物画
ヴォルス《赤いザクロ》1940/41-48年 油彩、カンヴァス DIC 川村記念美術館
色面構成の抽象画
ソニア・ドローネー 《色彩のリズム》 1953年 ふくやま美術館 DR

3.モダン・アートを通して感じる、南フランスの歴史や文明の豊かさ
 南フランスに接して広がる紺碧の地中海は、ギリシャ・ローマの文明やキリスト教など、豊かな文化をこの地へともたらしました。ピカソやシャガールをはじめ、多くの芸術家たちの作品には、地中海文明を感じさせるモチーフがいくつも登場します。また、陶芸作品のように、彼らが南仏の地の伝統を受け継ぐ職人たちとの協働によって制作した作品からは、南仏に根付く文化の豊かさが伝わってきます。彼らの芸術を通じて、南フランスという土地の持つ気配を感じてみてください。

山から眺めた海岸線への風景画
アンドレ・ドラン《パノラマ(プロヴァンス風景)》1930年頃 油彩、カンヴァス ひろしま美術館
原色鮮やかな彩色の陶板レリーフ
フェルナン・レジェ《コンポジション》1952年 陶板レリーフ 公益財団法人大川美術館

会 期 2023年7月2日(日)〜9月24日(日)
会 場 宇都宮美術館(栃木県宇都宮市長岡町1077)
時 間 9:30〜17:00(最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日、7月18日(火)、9月19日(火)
※ただし9月18日(月・祝)は開館
入館料 一般 1,000円(800円)、大学生・高校生 800円(640円)、中学校・小学生 600円(480円)
※( )内は 20 名以上の団体割引料金
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介護者(1名)は無料。
※宇都宮市在学または在住の高校生以下は無料。宮っ子の誓いカードまたは学生証をご提示ください。
※毎月第3日曜日(8月20日、9月17日)は「家庭の日」です。高校生以下の方を含むご家族が来館された場合、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料となります。
TEL 028-643-0100
宇都宮美術館公式サイト http://u-moa.jp/
宇都宮美術館 企画展「芸術家たちの南仏http://u-moa.jp/exhibition/exhibition2.html
SNS https://twitter.com/utsunomiya_moa
主 催 宇都宮美術館、下野新聞社
企画協力 株式会社キュレイターズ

関連イベント
映画上映会『美しき諍い女』
(ジャック・リヴェット監督、1991年、240分、日本語字幕)
日時 8月20日(日)12:30〜17:00(開場は正午12:00、途中休憩をはさむ)
会場 宇都宮美術館講義室
定員 150名(事前申込制)
申込締切 8月11日(金)※定員に余裕があるため、締め切り日時を延長いたしました。
申込方法 ハガキまたはファックスにて、氏名(複数参加の場合は全員)・住所・電話番号・参加人数を記入し、下記の宛先までお申込みください。定員を超えた場合は抽選。当落に関わらず、結果は美術館からご連絡差し上げます。
※申込締切日までは美術館受付にて直接お申込みいただけます。
〒320-0004 栃木県宇都宮市長岡町 1077 番地 / Fax. 028-643-0895「宇都宮美術館 南仏展 映画上映会係」
担当学芸員によるギャラリートーク
日時 7月29日(土)、8月5日(土)、9月2日(土)、9月9日(土)
各回 14:00〜
※企画展チケットをお求めのうえ、中央ホールにお集まりください。

無料ご招待券プレゼントは定員に達したため、締め切りました。ご応募どうもありがとうございました。

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