W'UP! ★8月2日〜11月27日 脚本家 黒澤明/8月30日~9月4日 サイレントシネマ・デイズ2022 国立映画アーカイブ

W'UP! ★8月2日〜11月27日 脚本家 黒澤明/8月30日~9月4日 サイレントシネマ・デイズ2022 国立映画アーカイブ

 

2022年8月2日(火)〜11月27日(日)
脚本家 黒澤明

修業時代から後期作品まで―「書く人」黒澤の仕事をたどる
 映画監督・黒澤明は、幾多の名脚本家に支えられて次々と傑作映画を生み出しましたが、その若き日から、世界の文豪たちの影響を受けながら自身もシナリオを執筆することで成長しました。この展覧会は黒澤のこうした側面に着目し、『七人の侍』(1954年)をはじめとする名作脚本の生成・変更の過程を分析し、また他の監督たちに提供した脚本、新たに発見された未映像化脚本も加えて、「シナリオ作家黒澤」の創作の秘密を解き明かそうとするものです。これまでドストエフスキー、シェイクスピア、山本周五郎と黒澤映画の関係についてはよく論じられてきましたが、黒澤は、実はバルザックやそれ以外の多くの文学作品からも強いインスピレーションを受けています。
 当館は、2010年の「生誕百年 映画監督 黒澤明」展のあとも、ポスター展「旅する黒澤明」(2018年)、「公開70周年 映画『羅生門』展」(2020年)と、展覧会を通じて黒澤映画の先端的な探求を推し進めてきました。黒澤作品の専門家の全面的な協力を得て、そのシナリオ術に照準を当てた本展覧会は、その研究の最新形となるでしょう。

展覧会の見どころ
 黒澤の名作群を新たに脚本の視点から分析、在野の黒澤明研究家グループの全面的な協力を得て、最新研究の成果を一挙に公開します。
 国立映画アーカイブの所蔵品のほか、黒澤資料の収集家、各地の資料館や黒澤作品の元スタッフ関係者などから貸与された資料が一堂に会します。
 黒澤のストーリー創作に潜む、知られざるアイデアの源が解き明かされます。これまで論じられなかった文豪バルザックの影響にも注目します。
 「映画『羅生門』展」(2020年開催)に続いてデジタル展示システム「IT-One Quest」の最新版を導入、『隠し砦の三悪人』(1958年)の物語の生成過程を分析します。
 黒澤には実現しなかった幻の企画も少なくありません。中でもテレビドラマ『ガラスの靴』の脚本(1971年)は初公開の一冊です。

展覧会の構成

第1章 脚本家・黒澤明の誕生
 シナリオの修業が映画監督への道である――日本の映画界にあったこの慣習に従い、1936年にP.C.L.映画製作所に入社した若い黒澤明も、師匠である山本嘉次郎監督の薫陶を受けながら、多忙な助監督業務の傍らシナリオの執筆に励みました。初めて映画化された『幡随院長兵衛』(1940年、千葉泰樹監督)以来、監督デビューに至るまでの「書く人」黒澤の道のりをたどります。

第2章 敬愛した文豪たち
 黒澤の映画世界に大きな影響を与えた文学者として、ドストエフスキー(『白痴』)、シェイクスピア(『蜘蛛巣城』『乱』)、山本周五郎(『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』)といった名を欠かすことはできません。こうした文豪の生み出す物語・人間観と黒澤映画の関係を改めて検討するとともに、彼らと並んで黒澤世界に強い影響を与えたバルザックの小説について新たな考察を加えます。

第3章 『七人の侍』創作の秘密
 世界映画史の最高峰のひとつ『七人の侍』(1954年)は、黒澤と橋本忍、小國英雄の3名の合作によるシナリオの映画化です。侍たちそれぞれのキャラクターはどのように構想され、肉付けされたのか。またストーリーの構造はいかに構築されたのか。その過程を、新たにアイデアの源泉として注目されるソビエトの文学者ファジェーエフの小説にも触れながら解き明かします。

第4章 創造の軌跡I―『隠し砦の三悪人』をめぐって
 黒澤の作品歴の中でも痛快な娯楽篇『隠し砦の三悪人』(1958年)のシナリオは、菊島隆三の第一案を膨らませるかたちで、黒澤、菊島、橋本忍、小國英雄の4名が旅館に長期間泊まり込んで書かれました。全体を通した「たたき台」を作らずに、各脚本家が同時に各シーンを執筆する「いきなり決定稿」方式で作られましたが、そのスリリングな生成過程を、デジタル展示システムを用いて紹介します。

第5章 創造の軌跡II―改訂の過程をたどる
 力強く太い流れを感じさせる黒澤映画の世界は、シナリオの水準でどのように造形されていったのか。『酔いどれ天使』(1948年)、『生きる』(1952年)、『悪い奴ほどよく眠る』(1960年)、『天国と地獄』(1963年)といった名作群のシナリオを執筆の段階ごとに読み解きながら、その生成過程を明るみに出していきます。

第6章 創造の軌跡III―井手雅人とともに
 『赤ひげ』(1965年)以来、後期の黒澤映画に欠かせない存在となった脚本家が井手雅人です。大作『乱』(1985年)や、クレジットされていない『デルス・ウザーラ』(1975年)を含め、国際的な合作映画の製作を志す黒澤を支えた井手の功績を、黒澤との共同作業の様子を伝える貴重な一次資料も含めて明らかにします。

第7章 黒澤が提供した脚本たち
 黒澤の功績の中でも比較的光が当たりにくいのが、自身では監督していない執筆脚本の数々です。東宝での同僚であった谷口千吉、本多猪四郎や堀川弘通のほか、数々の名監督のために黒澤は自身の脚本を提供していますが、いずれも黒澤らしい骨太の人間像が描かれています。

第8章 映像化されなかった脚本たち
 いくつもの輝かしい傑作を送り出した黒澤の映画人生は、一方で多くの企画の断念を余儀なくされた挫折の年月でもあります。クランクインまで進みながら監督降板となった『トラ・トラ・トラ!』をはじめ、黒澤が心血を注ぎながらも映画化に至らなかった幻の脚本の数々を紹介します。中でも新発見の脚本『ガラスの靴』(1971年)は注目に値する一冊です。

特別コーナー 海外での脚本出版と合作用の英語脚本
 黒澤の名作は、その大胆な作劇術により世界の映画人たちの教科書となりました。このコーナーでは、日本映画の英語圏への先駆的な紹介者であったドナルド・リチーのかかわった書籍など、海外で出版に至った黒澤映画の脚本と、また外国との合作企画に際して製作費を調達するため必要となった英訳版のシナリオを展示し、黒澤映画の類いなき国際性を示します。

《関連上映企画》
 10月4日(火)から開催する上映企画「東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)」(2022年10月4日~12月25日)のなかで、本展覧会に関連した作品を11月後半に上映します。
※詳細は後日HPにて発表いたします。

脚本家 黒澤明(英題 / Akira Kurosawa, Screenwriter)
会 場 国立映画アーカイブ 展示室(7階)
会 期 2022年8月2日(火)〜11月27日(日)
休室日 月曜日および9月6日(火)〜9日(金)、9月27日(火)〜10月2日(日)
開室時間 11:00〜18:30(入室は18:00まで)
※毎月末の金曜日のみ開室時間を20:00まで延長いたします。(入室は17:30まで)

料 金 一般250円(200円)、大学生130円(60円)、65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。
※( )内は20名以上の団体料金です。
※学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズの方は入室の際、証明できるものをご提示ください。
※国立映画アーカイブが主催する上映会の観覧券(オンラインチケット「購入確認メール」)をご提示いただくと、1回に限り団体料金が適用されます。
※2022年11月3日(木)「文化の日」は、無料でご覧いただけます。
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
HP https://www.nfaj.go.jp/exhibition/akirakurosawascreenwriter2022
主 催 国立映画アーカイブ
企画協力 槙田寿文
資料作成協力 「脚本家 黒澤明」研究チーム
協 力 黒澤プロダクション


2022年8月30日(火)~9月4日(日)
サイレントシネマ・デイズ2022

 世界各地で開催されている無声映画祭と同様に、生演奏を付けて無声映画を上映する企画。今回はバラエティ豊かに、イタリア、ドイツ、イギリス、ソ連、中国、そして日本映画を揃え、6プログラム7作品を上映します。とくに、ウクライナの映像詩人と謳われるオレクサンドル・ドヴジェンコ監督の初期作『愛の果実』は、今回新たに日本語字幕を作成し、当館初上映いたします。

見どころ

ウクライナの映像詩人 ドヴジェンコ監督の初期作『愛の果実』『ズヴェニゴラ』
 初単独監督作『愛の果実』ではスラップスティック的な喜劇を繰り広げ、『ズヴェニゴラ』では、ウクライナに伝わる伝説とロシア革命の物語を大胆に織り交ぜ、空前絶後の個性的な演出で魅せています。あまりに独特すぎて、当時、ウクライナの映画担当の官僚は途方に暮れ、エイゼンシュテインに助言を求めました。その絶賛により、ドヴジェンコは一躍ソ連を代表する映画監督になったという逸話もあるほど。今もウクライナの国立映画センターに、オレクサンドル・ドヴジェンコ・ナショナル・センターとしてその名を冠しています。

ダイナミックな復讐劇『火山での決闘』
 アメリカの大学に留学して映画製作を学んだ孫瑜(スン・ユィ)は、1930年代上海映画を牽引した代表的監督です。『火山での決闘』では、地主に一家を皆殺しにされた青年を主人公に、逃れた南洋の港町での踊り子とのロマンスから再会した敵との壮絶な戦いまで、ダイナミックな復讐劇が展開されます。アメリカ映画を彷彿とさせる、スリリングな酒場での乱闘シーンはじめ見どころ満載です。

モダンなラブ・コメディ『結婚適令記』
 ハロルド・ロイド風な都会的喜劇俳優として売り出した杉狂児が主演した『結婚適令記』は、若き新聞記者が伯爵令嬢と先輩女性記者との間で右往左往する羽目になるモダンなラブ・コメディ。1930年代当時の社会風俗を織り込みながら、恋に仕事に奔走する青年像が描かれます。

上映作品リスト (6プログラム、7作品)
1:『過去からの呼聲』 (1921年、イタリア、監督:ジェンナロ・リゲッリ) ♪:上屋安由美
2:『ファウスト』 (1926年、ドイツ、監督:F・W・ムルナウ) ♪:神崎えり
3:『ロビンソン・クルーソー漂流記』 (1927年、イギリス、監督:M・A・ウェザレル) ♪:田ノ岡三郎
4:『愛の果実』 (1926年、ソ連、監督:オレクサンドル・ドヴジェンコ) ♪:鳥飼りょう
  『ズヴェニゴラ』 (1927年、ソ連、監督:オレクサンドル・ドヴジェンコ) ♪:鳥飼りょう
5:『火山での決闘』 (1932年、中国、監督:孫瑜) ♪:湯浅ジョウイチ、丹原要
6:『結婚適令記』 (1933年、日本、監督:青山三郎) ♪:柳下美恵
♪=伴奏者(敬称略)

サイレントシネマ・デイズ2022
会 期 2022年8月30日(火)〜9月4日(日)
会 場 国立映画アーカイブ 小ホール[地下1階]
HP https://www.nfaj.go.jp/exhibition/silent202207/
お問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
チケット 
8月23日(火)10:00から、当館HPより公式チケットサイトにて開映15分前までオンライン販売します。詳細はHPをご確認ください。
〈通常回〉
一般:520円/高校・大学生・65歳以上:310円/小・中学生:100円/障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ・未就学児:無料
〈伴奏付上映の回〉
一般:1,050円/高校・大学生・65歳以上:840円/小・中学生600:円/障害者(付添者は原則1名)・未就学児・優待:無料/キャンパスメンバーズ(教職員):500円/キャンパスメンバーズ(学生):400円

住所東京都中央区京橋 3-7-6
TEL050-5541-8600(ハローダイヤル)
WEBhttps://www.nfaj.go.jp/
開館時間上映:企画によって異なる。展示:11:00 ~ 18:30(入室は閉室の30分前)
休み月、上映準備・展示替期間、年末年始
ジャンル映画、フィルム
入場料*1上映:大人520円、高・大学生、65歳以上310円、小・中学生100円、特別プログラムには異なる料金が発生します。展示:大人250円、大学生130円
アクセス*2京橋駅1番出口より徒歩1分、宝町駅A4出口より徒歩1分、銀座一丁目駅7番出口より徒歩5分
収蔵品 
 *1 高齢者・学生・障害者割引は要確認 *2 表示時間はあくまでも目安です

国立映画アーカイブ

画像提供:国立映画アーカイブ

■新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、ご来館の前に下記のページをお読みいただきますようお願いいたします。→ https://www.nfaj.go.jp/ge/topics/20200625/

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