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W'UP! ★5月10日~5月28日生誕110年 松本竣介展/6月3日~6月13日 伊藤公象作品集刊行記念展―ソラリスの襞 ときの忘れもの

W'UP! ★5月10日~5月28日生誕110年 松本竣介展/6月3日~6月13日 伊藤公象作品集刊行記念展―ソラリスの襞 ときの忘れもの
 
松本竣介《コップを持つ子ども》1942年 板・油彩 35.5×27.5cm 右下にサインあり


2022年5月10日(火)~5月28日(土)
生誕110年 松本竣介展

 今年生誕110年を迎える松本竣介(1912-1948)。太平洋戦争直前に「生きてゐる画家」という文を発表して自由芸術を標榜し、戦後すぐには「全日本美術家に諮る」という美術家の団結を求める文を画家たちに送るなど、明確な意志を貫いた作家でもあり、その早世が惜しまれました。
 本展では、松本竣介が当時3歳になる愛息を描いた1942年の油彩《コップを持つ子ども》と素描を中心に、肖像画に焦点を当て12点の作品をご覧いただきます。油彩《コップを持つ子ども》はこれまでにほとんど公開されたことのない作品です。
展覧会に合わせてカタログを刊行します(テキスト:大谷省吾/東京国立近代美術館美術課長)。
 色面と輪郭線との関係を注意深くたどっていけば、やはり何度か交互に描き進められていることがわかる。そして背景。深い闇に用いられている色彩も、服やコップに用いられているのと同じ朱色が下層に認められる一方で、その補色となる青緑色も重ねられていることがわかる。それによって闇の深みが増すわけだ。背景を何層にも深く塗りこめる一方で、前述の丸みのある額に見られるような明部を際立たせていくことで、子どもは闇の中に浮かぶ灯のような存在感を獲得するのである。
 ―大谷省吾「松本竣介《コップを持つ子ども》について」『生誕110年 松本竣介展』(ときの忘れもの、2022)より

松本竣介《コップを持つ子ども》1942年 紙に鉛筆、コンテ、木炭 34.0×27.0cm/34.8×27.2cm サインあり

松本竣介 Shunsuke MATSUMOTO (1912-1948)
 1912年東京に生まれ、岩手で過ごす。聴力を失い、画家を志す。上京し、太平洋画会研究所選科に通う。結婚して松本姓(旧姓・佐藤)となり、アトリエを綜合工房と名付け、妻・禎子と月刊誌『雑記帳』を創刊。43年に靉光や麻生三郎、寺田政明ら同志8名で新人画会を結成(第3回展まで開催)。47年自由美術家協会に参加。1948年、歿

会 期 2022年5月10日(火)~5月28日(土) 
時 間 11:00~19:00 
※日・月・祝日休廊


参考図版 伊藤公象《白い襞—鳥たち》


2022年6月3日(金)~6月13日(日)
伊藤公象作品集刊行記念展―ソラリスの襞

 「ソラリスの襞」とは、現在準備中の磯崎寛也詩集のタイトルである。磯崎氏は「ソラリスの海《回帰記憶》のなかで—伊藤公象」 展(2021年9月〜2022年3月)を開催した水戸のARTRS ISOZAKIの代表であり、伊藤公象作品集制作プロジェクトのチーフプロデューサーも務めている。展覧会と作品集について打ち合わせを重ねる中で、伊藤公象のドローイングを掲載した詩集の企画が熟成してきた。「ソラリス」とは、海が一つの生命体という惑星を描いたスタニスワフ・レムのSF小説であり、土にエロス(生成)を感じる伊藤の作品世界と重ねて展覧会タイトルとした。
 伊藤にとっては、山本太郎の『鬼文』(青土社、1975年)の装丁に関って以来の詩とのコラボレーションである。今回、詩集のために伊藤が準備した挿画は言葉を失わせるものだった。成形した粘土を乾燥させるときに、収縮して割れるのを防ぐため台との間に紙を挟む。その紙に残されたシワに着目した作品が伊藤の《褶曲》シリーズであり、そのインスタレーションは「関係」そのものを造形化した作品として高い評価を得てきた。その《褶曲》に色彩とイメージが加わって、たぐい希なドローイングが誕生した。
 新聞用紙に施された描画が、粘土と板の間で縮むことでランダムなシワが生まれ、色彩も微妙に滲む。私たちはそのとらえ所のないイメージとともに、言葉にできない感情に揺らぐことになる。似たような表現技法デカルコマニーでは、絵の具を紙で挟み、剥がすところにどうしても人為が関与するが、《褶曲》で粘土と板の間に生まれるシワは全くの偶然が産み出す。伊藤の中心テーマであるエロスがドローイングとして出現したといえる。
 本展は、伊藤公象作品集刊行記念展だが、ARTS ISOZAKIのご理解とご協力を得て、この立体感のあるドローイング「ソラリスの襞」を体験できる貴重な機会となった。半世紀にわたる伊藤の展覧会歴でも、ドローイングを中心として構成されるのは初めてである。同時に展示される《回帰記憶》や《pearl blueの襞》、紙の褶曲《白い襞—鳥たち—》で、伊藤の作品の魅力を十全に感じ取って頂きたい。

参考図版《pearl blueの襞》
撮影:大谷健二
提供:ARTS ISOZAKI

ステートメント
 「ときの忘れもの」での個展のタイトル「ソラリスの襞」は、詩人hiroya(磯崎寛也氏)の初詩集のタイトルに依存する。磯崎氏代表のARTS ISOZAKIでの個展「ソラリスの海《回帰記憶》のなかで」(昨年9月から今年3月までの長期開催)の会期中、磯氏から幾度となく詩が届けられた。タイトルは小泉晋弥氏の発案で、約50年間のぼくの「襞」を根底にした作品を俯瞰された。個展開催に際し、惑星ソラリスから降り注ぐ襞のコンセプトを磯崎氏も共有されたのだと思う。
 その渦中で、学生の頃から詩を書いていた磯崎氏から、詩集を出すのでドローイングを描いて欲しい、とお話があった。ドローイングと言えば、かつて金沢美術工芸大学大学院の専任担当時、芸術学領域の小松崎拓男教授の企画で同大学主催の個展をしたとき、“伊藤さんのドローイングを見たい”と言われたのを思い出した。興味があったので “やってみたいですね” とは言ったものの、独学だったことでデッサンの経験がない。しかしドローイングとは何か?と思索していたし、長年土を素材にしてきたからか、紙と土で独自なモノをと思い立った。
 その意味では、今回個展の絵は磯崎氏の誘いに覚醒されたもので、出品したドローイングは襞の概念を基に拍車が掛かり、作り出すと面白くて止まらない。オリジナルを数十点製作した。

 「ときの忘れもの」はコンクリートの壁面が多い独特な展示スペースを持つので、壁面を主体にした展示には魅力がある。と同時に展示スペース全体を独自な空間にするインスタレーションの感覚は消せない。「ときの忘れもの」のメルマガに故、瀧口修造氏をはじめ著名な詩人、建築家、美術関係者が登場する。歴史有る「場」での個展で、土を主な素材にした50年の作品集の出版記念展「ソラリスの襞」をぜひご高覧いただきたい。
 伊藤公象

会 期 2022年6月3日(金)~6月12日(日) 
時 間 11:00~19:00 
※会期中無休
協 力 ARTS ISOZAKI


 
 
細江英公 "Sagrada Familia" 1977年 ヴィンテージ・ゼラチンシルバープリント 38.4×57.5cm/50.5×60.6cm サインあり


2022年6月21日(火)~7月9日(土)
ガウディ生誕170年 細江英公写真展

 今年はスペインの建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)の生誕170年記念の年です。本展では、写真家・細江英公(b. 1933)によるガウディ建築の写真を展示いたします。細江英公は1964年にバルセロナでガウディ建築と衝撃的な出合いをします。その13年後、1977年から数度に亘って「サグラダファミリア」「グエル公園」「カサバトリョ」などガウディ建築の撮影を行ない、〈ガウディへの讃歌〉を発表しました。40年以上も前に撮影・プリントされたヴィンテージプリントのモノクロとカラーを20点ご覧いただきます。
 また、ときの忘れもののブログでは、長くスペインに在住し、ガウディ研究を行なっている丹下敏明先生の連載が始まっています。こちらも是非ご覧ください。

細江英公 Eikoh HOSOE (1933-)
 1933年山形県に生まれる。50年英語を学ぶため米軍居住地に通い、アメリカ人の子供たちを撮影。51年第1回「富士フォトコンテスト」で最高賞を受賞し、写真家を志す。54年東京写真短期大学(現・東京工芸大学)写真技術科卒業。デモクラート美術家協会の瑛九と出会い、強い影響を受ける。56年銀座・小西六フォトギャラリーにて初個展。59年「VIVO」の設立に参加(61年解散)。60年日本写真批評家協会新人賞、富士フォトコンテスト年間作家賞受賞。63年写真集『薔薇刑』で日本写真批評家協会作家賞受賞。70年写真集『鎌鼬』で芸術選奨文部大臣賞受賞。75年東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)の教授となる。82年全米とパリで個展開催、パリ市賞受賞。83年アルル国際写真フェスティバル名誉賞受賞。94年東京工芸大学芸術学部教授に就任。日本写真協会年度賞(93年)受賞。95年清里フォトアートミュージアムの初代館長に就任。98年東京工芸大学芸術学部(2003年で定年退職)及び大学院芸術学研究科( 修士)課程教授に就任(02年博士課程教授に就任)。紫綬褒章受章。03年ロンドンにて英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章。06年日本人初のルーシー賞(アメリカ)受賞。07年旭日小綬章叙勲。2010年文化功労者に選ばれる。

会 期 2022年6月21日(火)~7月9日(土) 
時 間 11:00~19:00 
※日・月・祝日休廊

住所東京都文京区本駒込5-4-1 LAS CASAS
TEL03-6902-9530
WEBhttp://tokinowasuremono.com/
営業時間*111:00 ~ 19:00
休み*2日、月、祝
ジャンル*3現代美術、近代美術、建築、版画、美術本
アクセス*4JR駒込駅南口から徒歩約10分
取扱作家http://tokinowasuremono.com/nv02-mainartist/index.html
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります

ギャラリー ときの忘れもの

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