W'UP! ★12月1日~2023年3月26日 六本木クロッシング2022展:往来オーライ! 森美術館

2022年12月1日(木)~2023年3月26日(日)
六本木クロッシング2022展:往来オーライ!
「六本木クロッシング」は、森美術館が3年に一度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として、2004年以来共同キュレーション形式で開催してきたシリーズ展です。第7回目となる今回は、1940年代~1990年代生まれの日本のアーティスト22組の作品約120点を紹介します。すでに国際的な活躍が目覚ましいアーティストたちから今後の活躍が期待される新進気鋭の若手まで、創造活動の交差点(クロッシング)となる展覧会です。
長引くコロナ禍により私たちの生活は大きく変化し、これまで見えにくかったさまざまな事象が日本社会の中で顕在化しました。以前はあたりまえのように受け入れていた身近な物事や生活環境を見つめ直すようになったり、共にこの怒涛の時代を生きる隣人たちの存在とその多様さを強く意識するようになりました。そして今後、人流が回復し新たな文化の展開が期待されるなか、あらためて現在の「日本」にはさまざまな民族が共生し、この地に塗り重ねられた歴史や文化が実はすでに色とりどりであることについて、再考が求められるでしょう。その先に私たちはどのような未来を想像し、また共に作っていくことができるのでしょうか。
サブタイトルの「往来オーライ!」には、歴史上、異文化との交流や人の往来が繰り返され、複雑な過去を経て、現在の日本には多様な人・文化が共存しているという事実を再認識しつつ、コロナ禍で途絶えてしまった人々の往来を再び取り戻したい、という思いが込められています。
このような文脈において、日本の現代美術やクリエーションとは何かをあらためて広い視野から検証し、先の見えない明日をみなさんと一緒に考えたいと思います。


画像提供:リボーンアート・フェスティバル 2017(宮城)※参考図版
出展アーティスト ※アーティスト名のアルファベット順
※出展アーティストは変更となる可能性があります。
AKI INOMATA 1983年東京生まれ、同地在住
青木千絵 1981年岐阜生まれ、石川在住
青木野枝 1958年東京生まれ、埼玉在住
潘逸舟(ハン・イシュ) 1987年上海生まれ、東京在住
市原えつこ 1988年愛知生まれ、東京在住
伊波リンダ 1979年沖縄生まれ、同地在住
池田 宏 1981年佐賀生まれ、東京在住
猪瀬直哉 1988年神奈川生まれ、ロンドン在住
石垣克子 1967年沖縄生まれ、同地在住
石内 都 1947年群馬生まれ、同地在住
金川晋吾 1981年京都生まれ、東京在住
キュンチョメ 2011年結成、東京拠点
松田 修 1979年兵庫生まれ、東京在住
呉夏枝(オ・ハヂ)1976年大阪生まれ、オーストラリア、ウロンゴン在住
O JUN 1956年東京生まれ、同地在住
折元立身 1946年神奈川生まれ、同地在住
進藤冬華 1975年北海道生まれ、同地在住
SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD 2012年/2015年結成、東京拠点
竹内公太 1982年兵庫生まれ、福島在住
玉山拓郎 1990年岐阜生まれ、東京在住
やんツー 1984年神奈川生まれ、千葉/神奈川在住
横山奈美 1986年岐阜生まれ、愛知在住

油彩、麻布 181.8 × 227.3cm Couresy: ケンジタキギャラリー(名古屋/東京)
本展を紐解く 3 つの鍵:
コロナ禍を経て、浮かび上がる社会像を考察する
本展のキュレーター4人のコロナ禍を起点とする議論により、2022年のいま、考察すべき3つのトピックで展覧会を構成します。
1. 新たな視点で身近な事象や生活環境を考える
コロナ禍により、私たちは身近な事象や生活環境をより強く意識するようになりました。これは、東日本大震災を経た日本で自然や環境について関心が高まったことの延長線上にあると言えるでしょう。そんな意識を通じて、私たちは未来を考えることが求められています。
本展では、AKI INOMATAによるビーバーにかじられた木材を基に制作された立体作品シリーズ、コロナ禍での生活環境の変化を起点に奇想天外な未来を志向する市原えつこ、身近な環境を変容させるインスタレーションを発表する玉山拓郎、青木野枝による自然現象に想を得た大型立体作品、竹内公太が福島県の放射能汚染による立入制限区域で撮影した写真を含むインスタレーションなどを紹介します。

Courtesy:公益財団法人 現代芸術振興財団(東京)
展示風景「 彫刻のつくりかた」公益財団法人 現代芸術振興 財団 事務局(東京)
2021年 撮影:木奥惠三

食品サンプル、食器、回転コンベア、電子パーツ、人型ロボット、3Dプリント素材、アクリル、木材、ほか サイズ可変
2. さまざまな隣人と共に生きる
いま、遠隔のコミュニケーションにより働き方の選択肢が増えたり、多拠点生活が可能になっています。このようにコロナ禍がもたらした変化は、個々人の属性や家庭環境、社会的状況によりさまざまであり、多様な隣人がいることに気づかされました。
本展では、変わりゆく世界を見つめながら、さまざまな隣人たちを描くO JUNの絵画、失踪していた伯母と再会し、その後の姿を撮影し続けた金川晋吾によるポートレート写真、キュンチョメによるトランスジェンダーを主題とした映像作品などを紹介します。「ダイバーシティ」や「LGBTQ+」という言葉を意識した取り組みが加速度的に増える一方で、そうした言葉の影に隠されてしまうもっと見えにくい差異も含めて、さまざまな人たちが共に暮らす今日の社会の姿を考察します。

インクジェットプリント 28.3×35.7 cm

3. 日本の中の多文化性に光をあてる
コロナ禍で海外からの人流が途絶えたにもかかわらず、海外にルーツを持ちつつ日本で生活している人たちの姿を日常的に目にします。インバウンド・ブームの陰で見えにくくなっていた、この国には多様な民族が共生しているという事実がより見えやすくなったといえるでしょう。顧みれば現在の日本は、アイヌや沖縄の人々、中国系、コリア系といったさまざまな民族が、政治的変化や複雑な歴史を経て共に暮らす場となっています。昨今、世界中で民族・文化的に周縁とされてきたものに対する再評価の動きがあるなかで、連綿と続いてきた日本の中の文化的多様性に光をあて、新しい時代を共に考える必然性があるのではないでしょうか?
本展では、池田宏によるアイヌの人々を主題とした映像インスタレーション、住み慣れた場所を離れる最後の時間を撮影した石内都の写真作品、海路による人々の往来を主題にテキスタイルで物語を紡ぎ出す呉夏枝や潘逸舟による移住・移転をテーマにした作品、石垣克子と伊波リンダという沖縄出身のアーティストによる作品などを紹介します。


金沢で集めた古着や布(麻長襦袢、木綿晒など)、亜麻、 陶器重り、釣針、
サイアノタイププリント サイズ可変
展示風景「東アジア文化都市 2018 金沢 変容する家」金沢21世紀美術館
撮影:木奥惠三 ※参考図版
会 期 2022年12月1日(木)~2023年3月26日(日)
会期中無休
開館時間 10:00~22:00
※会期中の火曜日は17:00まで
※ただし12月6日(火)は16:00、1月3日(火)・3月21日(火・祝)は22:00まで
※12月17日(土)は17:00まで
※最終入館は閉館時間の30分前まで
会 場 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
料 金
※専用オンラインサイトでチケットを購入すると( )の料金が適用されます。
※音声ガイド付チケット(+500円)も販売しています。
※専用オンラインサイトはこちら→ https://visit.mam-tcv-macg-hills.com/
平日
一般 1,800円(1,600円)
学生(高校・大学生)1,200円(1,100円)
子供(4歳~中学生)600円(500円)
シニア(65歳以上)1,500円(1,300円)
土・日・休日
一般 2,000円(1,800円)
学生(高校・大学生)1,300円(1,200円)
子供(4歳~中学生)700円(600円)
シニア(65歳以上)1,700円(1,500円)
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※2023年1月3日(火)は[土・日・休日]料金となります。
※表示料金は消費税込
展覧会関連プログラム
キュレータートーク「クロストーク」※日英同時通訳付
本展では 4 人のキュレーターがアーティストをそれぞれ推薦し、幾度となく議論を重ねて出展アーティストを決定しました。今回の「 六本木クロッシング 2022 展 」で重視したコンセプトや展覧会の舞台裏などについてキュレーターたちが語ります。
日時 2022年12月3日(土)14:00〜15:30(開場:13:30)
出演:天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)、レーナ・フリッチュ(オックスフォード大学アシュモレアン美術博物館 近現代美術キュレーター)、橋本 梓(国立国際美術館主任研究員)、近藤健一(森美術館シニア・キュレーター)
会場 森美術館オーディトリアム
定員 50名(要予約、先着順)
料金 無料(ただし、当日有効の本展覧会チケットが必要です)
お申し込み 森美術館ウェブサイト https://www.mori.art.museum
アーティストトーク ※日英同時通訳付
本展出展アーティストが、自作について語ります。
日時 2022年12月3日(土)17:00〜19:30(開場 16:30)
出演 伊波リンダ、石垣克子、キュンチョメ、呉夏枝、進藤冬華
会場 森美術館オーディトリアム
定員 50名(要予約、先着順)
料金 無料(ただし、当日有効の本展覧会チケットが必要です)
お申し込み 森美術館ウェブサイト https://www.mori.art.museum
ギャラリートーク ※日本語のみ
本展を担当したキュレーターが展示室内でツアー形式のトークを行います。
日時 2022年12月21日(水)19:00〜20:00
ガイド 近藤健一(森美術館シニア・キュレーター)
会場 森美術館展示室内 定員 15 名
料金 無料(ただし、当日有効の本展覧会チケットが必要です) お申し込み:不要(当日先着順、展覧会会場入口にお集まりください)
※出演者は予告なく変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。 *このほかにも、会期中にはアーティストトークやトークセッション、当館スタッフによるギャラリートーク、おやこでアート、手話ツアー、アート・キャンプなどの対面でのプログラムやアクセス・オンライン・プログラムの開催を予定しています。
最新の情報は森美術館ウェブサイト( www.mori.art.museum )にてご確認ください。
同時開催小プログラムのご案内
会期 2022年12月1日(水)〜2023年3月26日(日)
会場 森美術館(六本木ヒルズ森タワー 53階)
コレクション016 自然を瞑想する―久門剛史、ポー・ポー、梅津庸一
「 MAM コレクション」は、森美術館の収蔵品を、多様なテーマに沿って順次紹介する展覧会シリーズです。
主催 森美術館
企画 德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection016/index.html
MAM スクリーン 017 ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン
「 MAM スクリーン」は、世界の多様な映像作品のなかから選りすぐりのシングル・チャンネルの作品を上映するプログラムです。
主催 森美術館
企画:マーティン・ゲルマン(森美術館アジャンクト・キュレーター)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamscreen017/index.html
MAM プロジェクト 030 × MAM デジタル:山内祥太
「MAM プロジェクト」は、森美術館が多様な現代アートのかたちを紹介するシリーズです。「MAM デジタル」は、森美術館がデジタルメディアを活用して展開するプログラムおよび プラットフォームの総称です。
主催 森美術館
企画 椿 玲子(森美術館キュレーター)
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamproject030/index.html
住所 | 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 |
TEL | 050-5541-8600(9:00~20:00) |
WEB | https://www.mori.art.museum/ |
開館時間*1 | 10:00 ~ 22:00 火10:00~17:00(入館は閉館の30分前) |
休み*2 | 会期中無休 |
ジャンル*3 | オールジャンル |
入場料*4 | 展覧会により異なります ※上記参照 |
アクセス*5 | 東京メトロ日比谷線 「六本木駅」1C出口 徒歩3分(コンコースにて直結) |
収蔵品 | https://www.mori.art.museum/jp/collection/index.html |
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認 *5 表示時間はあくまでも目安です |
森美術館
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