【Aohitokun's Thoughts】NFTアートブーム到来!NFTアートはアートなのか?

【Aohitokun's Thoughts】NFTアートブーム到来!NFTアートはアートなのか?

 前回のブログで取り上げた、クリスティーズで、100ドルでオークションにかけられた、マイク・ウィンケルマン氏によるデジタルアート作品 “Everydays: The First 5000 Days”が、75億円で落札された。

 上がその出品作だ。Beeple (b. 1981), EVERYDAYS: THE FIRST 5000 DAYS, 2021. Non-fungible token (jpg). 21,069 x 21,069 pixels (319,168,313 bytes). Minted on 16 February 2021. Starting Bid: $100. Offered as a single lot sale concurrently with First Open. Online, 25 February to 11 March(クリスティーズサイトより https://onlineonly.christies.com/s/first-open-beeple/beeple-b-1981-1/112924)

 参考:前回ブログ「【Aohitokun's Thoughts】コロナその後とNFTアート」https://tokyo-live-exhibits.com/blog042/

 落札者したのは、NFTプロダクションであり世界最大のNFTファンドである「Metapurse」の創設者・Metakovan(メタコバン)だという。

 あおひと君、もうアートってわかりません!

 NFT、ノン・ファンジブル・トークン。

 代替えの効かないトーチャンじゃない、トークン(証拠品)。

 落札された作品も、見た目は絵だが、元は、0と1の集まり。その羅列のどこかに、ブロックチェーン技術が使用する0と1の羅列(伝票=トークン)を埋め込んでいる。

 するとブロックチェーンの唯一無二の伝票は、コピーができない、というより本物か偽物かが、その埋め込んだ伝票を確認すれば、すぐわかるという仕掛けだ。

 ブロックチェーン技術の優れたところは、透明性があり、非中央集権的なシステムと言う点。改竄、複製、一人が伝票を買い占めるなどはできない。

 今、NFTブームが押し寄せている。

 日本でも、つい先日、仮想通貨の取引所大手コインチェックが、NFTビジネスに参入を表明。

 以下にプレスリリースから引用する。
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「Coincheck NFT(β版)」、3月24日より提供開始
 当社では、 2020年8月にNFTマーケットプレイスの立ち上げを表明して以降、 国内外で人気のある6つのNFT発行体と連携しながら「Coincheck NFT(β版)」の提供開始に向け準備を進めてまいりました。 今後は、 ゲーム分野のみならず、 アートやアニメ、 マンガ、 音楽などの分野のNFTの取扱いにも注力し、 NFT市場の拡大およびNFTによる新たなエコシステムの創出を目指します。
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 NFTサービスは、コインチェックだけではない。
 
 現代アーティストプロダクションの「HARTi」とブロックチェーン事業の「CryptoGames」が業務提携を実施。現代アーティストのNFT発行を支援!なんて言うのも始まっている。https://harti.tokyo/

 さっそく、HARTiから、MoMAコレクションアーティスト・土佐尚子が、新作映像作品「Sound of Ikebana:音のいけばな」をNFTアートとしてオークションへ出品というニュースも飛び込んできた。
https://artnft.herokuapp.com/naokotosa

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 それ以外にも、

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3月15日──NFTマーケットプレイス「nanakusa」、アーティスト審査受付開始──4月リリース予定

 アーティスト登録制NFTマーケットプレイス「nanakusa」が3月15日、アーティストの審査受付を開始した。nanakusaは4月21日リリース予定で、株式会社スマートアプリが運営する。nanakusaは公認アーティストが制作したNFTの販売(一次販売)や、ユーザー同士が保有するNFTを売買(二次販売)できるプラットフォーム。二次販売でも永続的に事業者や製作者にロイヤリティが還元される仕組みだ。

3月16日──世界で1枚の限定アイテム、楽曲NFTのオークション開催──「クリスぺ」運営会社が開催

 ブロックチェーンゲームやNFTサービス開発を行うCryptoGamesは3月16日、日本人アーティストの未公開楽曲NFTを発行し、オークションを行うと発表した。オークションは3月19日0時から実施される予定。NFT化されるのは日本人ユニットAmPm(アムパム)の楽曲「Intro」で、発行枚数は1枚限りだという。

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 以上、Coindesk.japanより。https://www.coindeskjapan.com/102980/

 ところが、NFTは音楽、ゲーム、アートなどのデジタル作品だけとは限らない。

 NFTを、ダイヤモンド粒子の入ったインクや絶対、消えない方法で印刷することも開発中だ。

 すると1着しかないNFT・Tシャツなんていうのもできてしまう。それをオークションにかける。

 ゴーギャンやゴッホの本物の絵のどこかに、NFTを印刷すれば、贋作はこの世から消えてしまう。

 でも本末転倒になるかもしれない。

 偽物でもNFT印刷をすれば本物になってしまうのだ。

 この流れでいくと人間は、ファウストのように評価や判断という行為を、すべて0と1のデジタル・メフィストに、売り渡すのだろう。

 すでに監視社会のAI化で、火を見るよりも明らかだ。

 ところで、日本は、ここ数年、アートはすごい盛り上がりだ。

 いや、アートと言う言葉が、すごいブームだ。

 アートのECコマースは、老舗タグボートを始め、2月に1億円強の資金調達を成し遂げたTRiCERA、現代アート会員権サービス「ANDART」、クリエイター支援プラットフォーム「REQMA」などなどたくさんある。

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2021/03/15 株式会社MAGUS設立のお知らせ
  ~日本におけるアートシーンのプラットフォームを構築~
 寺田倉庫株式会社、 三菱地所株式会社、 株式会社TSIホールディングス、 東急株式会社は、 2021年3月8日、 コンソーシアムを組成し、 株式会社MAGUS(マグアス、 東京都品川区、 代表:上坂真人)を設立しました。 「アート」に関するメディアを通じて人や企業をつなぎ、 日本国内における現代アートの情報に特化したプラットフォーマーを目指して参ります。 今後の事業内容といたしましては、 第一弾としてビジネスにアートを活用するコンサルティング事業及びオンライン・オフラインでのセミナー事業、 第二弾として世界中のアートに関わる情報を企業や人に届けるニュース事業を行う予定です。

2021.03.17 クリエイター支援プラットフォーム「REQMA」のα版をサービスイン!コミッション・投げ銭が手数料5%~で可能に。
コミッションと投げ銭でクリエイターを支援するサービス『REQMA』(レクマ)
個人クリエイターが簡単にファンから支援を貰えるプラットフォーム「REQMA」(レクマ)を2021年3月17日(水)よりα版をサービスインします。 イラスト、 マンガ、 写真、 ボイス、 音楽、 テキスト等、 マルチメディアでコミッションを募集できる上、 ウィッシュリストにクラウドファンディング形式で支援を募集することで投げ銭も貰えます。 手数料は業界最安値の5%~

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 また、⽂化庁は、3月15日に、⽇本の現代アートに関する基盤情報を国内外へ発信する日英バイリンガルのウェブサイト「Art Platform Japan」ベータ版を公開との情報もあった。→ https://artplatform.go.jp/

 なぜか、仲介業者ばかりが目立っている。

 各企業やサービスが、アートに対して謳っていることは、どれも似たり寄ったりだ。生活が豊かに、資産価値が増える、感動のある人生が得られます!

 残念ながら、アート(現代美術)そのものを捉えようとする議論や動きはあるのだろうが、この情報過多のなか、それを見つけるのは至難の技だ。

 自分のような、ポップアートやコンセプチャルアート、ニューペインティングの世界にドップリつかった感覚では、今のアートはアートじゃないじゃん!って思わず、東京タワーに向かって叫ぶたくなる。

 まあ、冷静に考えると、アートの持つ意味が変わったということなのだ。よく言えば、アートが市民権を得たともいうべきか。

 アートは芸術で、かつてのような敷居の高い、訳のわからない世界ではなくなった。

 アートと言う言葉をからめれば、高級感や高額なのだ!というサブリミナル効果を発揮させるマーケット戦略もあるのだろう。

 自分にとっては、現代美術の持つパワーは、それらとは似て非なるものだと切に感じる。

 これからは、シュナーベルの割れた皿が貼りまくられた、どでかいパネルを前に、なんじゃこりゃーと叫び、

 ステラの分厚いキャンバスの、壁のような絵に、ふつふつと不思議な感動が沸き起こったり、

 ブッリの燃えたビニールに思わず匂いを嗅ごうとしたり、

 クリストの小包のように麻紐で縛られた構想画に、思わず唸ってしまったり、、、

 そういう感動というものは、これからは、どこを探せばあるのだろうか?

 PCのモニターやスマホの画面の中なのか?!

 しかしながら、かつてセザンヌが、サロンに出品するが、まったく子供の絵、下手すぎると受け入れられなかった。

 そういった価値観の変革が、今のデジタル・アートの世界にも当てはまってしまうのでは、とふと頭をよぎった。

 楽観的に言えば、やはり感動させる作品は、どんな形態をとっていても、変わらないと信じて疑わない。

 やはりいい作品は、いい作品です!

 非常事態宣言も21日に解除され、コロナも収束の兆しが見え始めた。

 この様子では、東京オリンピックも開催するのだろう。
 
 いままでお家に閉じ込められていた鬱憤が、一気に爆発しそうだ。

 変異株、やばいぞ。 

※あくまでも上の内容は、個人的な解釈ですので、必ずしも正しいとは限りません。

■あおひと君他のブログ https://tokyo-live-exhibits.com/tag/%e3%81%82%e3%81%8a%e3%81%b2%e3%81%a8%e5%90%9b/

Aohitokun
あおひと星人
青二才、青色再生委員会の下級事務官だったが、趣味の星空観測で偶然、青く輝く地球を発見。急遽、枯渇しそうな彼らのエネルギー源のスーパーブルー探査ミッションを命じられ、山梨県青木ヶ原に着陸。あおひと星人は、スーパーブルーの次に感動がエネルギーになるため、アートには少しうるさい。日々、探査ミッションで疲れ、ホームシックになる気持ちを地球のアートで癒す日々が続いている。なお本ブログは、当サイト主宰の関根が翻訳担当だ。https://youtu.be/sDvKr_HYOaE

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