Amadou & Mariam Jérôme from Rouen, FRANCE Wikipedia英語版より
アフリカ音楽を語る上で、個人的に、どうしても外せないミュージシャンがいる。
マリ共和国のアマドゥ・エ・マリアム(Amadou & Mariam)という盲目のデュオである。
現在の活動拠点はパリだ。
ワールドミュージックのファンの間ではスーパースターだが、インターネットなどではあまり見かけない。
マリという国は多民族国家で、音楽もさまざまである。
もともと文字を持たなかった彼らの音楽は、彼らの文化を語り継ぐものでもあった。
特に聴くための静かな曲が多い。
現代のマリは、60年台以降の西洋のポップスやヒップホップなどの影響が多く見られる。
一方、ジャンベやコラというマリの民族楽器も世界的に有名である。
コラは、70年代以降、伴奏するための楽器から、メインを張る楽器にまで変化をし続けている。
マリには70年代から80年代にかけて、マリの音楽を代表するサリフ・ケイタという素晴らしいミュージシャンがいる。
アマドゥは彼と一緒にプレイしていた。
サリフ・ケイタはマニンケという民族音楽がベースになっている。
一方、アマドゥ・エ・マリアムは、バンバラという民族音楽がベースになっている。
80年代に入り、ワールドミュージックのブームが訪れると、マリの優れたミュージシャンたちは、世界的に評価されるようになっていった。
アマドゥは、音楽学校で出会ったマリアムと1980年に結婚し、アマドゥ・エ・マリアムを結成、それまでやっていたバンドを辞め、90年代に拠点をパリに移した。
そして大ヒットを飛ばし続けスターへの階段を登っていった。
ちなみに、2011年、フジロックにも出演した。
2004年に出た彼らのアルバムは、フランスで大人気だったマノ・ネグラのヴォーカル、マヌ・チャオとの共同作である。
これによって、フランス以外の国でも、なおいっそう知られるようになっていった。
Amadou & Mariam feat. Manu Chao - Sénégal Fast Food(Youtubeより)
Amadou & Mariam - La Réalité(Youtubeより)
文・藤井悟
Satoru Fujii
DJ
80年代中頃からレゲエ・ロック・パンク・レベルミュージックDJの草分けとして椿ハウス、P.PICASSO、MIX、328などで活躍。メスティソ、パチャンカ、クンビア、ロックラティーノなどワールドミュージック系レパートリーを得意とし、FUJI ROCK FESTIVAL、朝霧ジャム、EARTH GARDENなどの出演や、2000年からは舞台を欧米に移し、STREET BEAT FESTIVAL(イタリア)、世界最大のレゲエフェスティバルROTOTOM SUNSPLASH 2012など世界トップクラスのアーティストと共演。2017年、歴史と考古学の間の空白の時間に迫るエッセイ「連想」も出版した。
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