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W'UP★5月23日~6月27日 内野琳央・大野陽生・長沢楓によるグループ展「Figround - 図と地」 Tokyo International Gallery(品川区東品川)

W'UP★5月23日~6月27日 内野琳央・大野陽生・長沢楓によるグループ展「Figround - 図と地」 Tokyo International Gallery(品川区東品川)

内野琳央・大野陽生・長沢楓によるグループ展「Figround - 図と地」
会 期 2026年5月23日(土)~6月27日(土)
会 場 Tokyo International Gallery(東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEXII 2F)
開館時間 12:00~18:00
休館日 日曜、月曜、祝日(火曜日は事前予約制)
入館料 無料
ホームページ https://tokyo-international.gallery

 私たちがギャラリーや美術館に行って絵画や彫刻を目にするとき、目の前にある作品が「図」で、壁や台座、展示室は「地」のように見えます。表象と媒体との関係に目を向けると、表象が「図」で媒体が「地」のように見えるかもしれません。絵画を見て、素材と支持体との関係を考えると、素材が「図」で支持体は「地」のように見えるかもしれません。そしてしばしば、「図」が本質的なものであるのに対し、「地」は単なる背景のように見なされます。
 しかし、「図」と「地」の関係は果たして自明なものなのでしょうか。
 本展で展示する3名のアーティストの作品においては、「図」と「地」の関係はさまざまに絡み合い、時に撹乱され、時に曖昧化されています。

内野琳央作品
内野琳央
大野陽生作品
大野陽生
長沢楓   作品
長沢楓

 内野琳央は、乾燥させて紐状にした油絵具を編んだ「絵画」や、紙の額縁で構成された作品を制作しています。そこでは、絵具がキャンバスなしにそれ自体でイメージを形成し、通常絵画において支持体と理解される紙が額縁という展示装置の役目を果たしており、素材と支持体、展示装置の伝統的なあり方が解体されています。
 大野陽生が制作する立体作品は、宗教的な美術表現にインスピレーションを受けています。それは大きな聖堂や教会に設置されるものというよりも、所有者の身近に置かれ、時には携帯される、パーソナルな祈りの対象を思わせます。そこでは、置かれる場所や環境という「地」のあり方が、素材の選択や造形へと侵入しています。
 長沢楓は、民藝品から動植物のモチーフを抽出し、油彩や木版を用いてキャンバス上で表現しています。西洋美術の伝統においては、キャンバス上に描かれるイメージは常に表現の中心的要素と見なされてきました。陶磁器や織物からキャンバスへと、「地」が置換されたイメージは、「装飾」と「表象」の境界について再考を促します。
 素材、支持体、展示装置/展示空間といった要素を意識的に利用しつつ、そのオルタナティブなあり方を模索する作品群を通じて、本展では、私たちがアートを鑑賞するとき、「作品」をそこに在らしめているものは何なのか(物質的・空間的・制度的に)を問いかけます。

関連イベント
オープニングレセプション
開催日 2026年5月23日(土)16:00~19:00
会場 Tokyo International Gallery
※予約不要・入場無料

プロフィール
内野琳央(Rio Uchino)
2000年 東京都生まれ
2024年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2026年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画第6研究室卒業
主な展示に「from the ROOM」(MJK Gallery、東京、2024年)、「ピテカントロプス - Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts -」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京、2025年)。
2024年 三菱地所賞受賞

ステートメント
「空に絵を掛ける」という行為は、距離と高さをめぐる二つの絵画的伝統の、ちょうど外側に置かれている。
それは描くというより、支持体を失った像を、視線と重力のあいだに、一時的に預けることに近い。
距離が高さとして表現される規範のある西洋絵画では、画面奥へ退く馬は、キャンバスの上では単に数センチ上へと配置される。
遠くにあるものほど画面の上へと押し上げられ、奥行きが垂直方向へと持ち上げられることで、空は距離を変換する装置として機能してきた。
そこでは視線は前方から奥へと貫かれ、空間は測られ、整理され、把握されていく。
他方で、東洋絵画の中には、散点透視や俯瞰視点で画面を割るような奥行きを見ることができる。
例えば、雲を描き込むことで山は浮かび上がり、手前と奥は「持ち上がる」よりも「ずれ重なる」関係になる。
ここでは距離は高さに翻訳されるのではなく、むしろ高さは距離を畳み込む襖のように折りたたまれる。
「空に絵を掛ける」という行為は、これらいずれの空間処理にも、回収されない。それは空を、距離を変換する装置としても、層を畳む場としても用いず、像を、身体と視線のあいだに、宙づりのまま留め置く試みである。
ここで空は、もはや描かれる対象ではない。
編み、組み直された絵は、壁面に固定されることなく、空間の中で成立する位置を与えられている。絵具は張力と密度の差を生み、像は自立も接地もしない。
像は重さや密度として知覚されながらも、上下や前後、支持といった空間の座標には収まらない。
揺らいでいるのは像ではなく、それを配置する部屋の側である。
この状態は、絵が成立するための条件として、静かに立ち上がる。
高さとは測定可能な量ではなく、像が掛けられるために生じる間隔であり、距離とは奥行きではなく、身体と像のあいだに張られる見えない緊張である。
その状態そのものが、「空に掛ける」という行為の、最小単位のかたちであるのではないか。

大野陽生(Haruki Ohno)
1992年 埼玉県生まれ
2017年 武蔵野美術大学大学院修士課程造形研究科美術専攻彫刻コース修了
主な個展に「サーブ」(富士見台トンネル、東京、2023年)、「石工的」(WALLA、東京、2022年)。

ステートメント
宗教的催事や慣習が入り乱れている日本で、自分が日々醸成していった「信仰心」みたいなものを造形としてアーカイブしたいと考え、今日まで制作をしている。
自分が社会の中で何かを作って発表すると言う行為は、神社仏閣を巡ることや、宝船や吉祥図にあやかること、墓参りをすることや占い・スピリチュアルなエンタメを嗜好するといった、ある種の精神性や好奇心を豊かに保つ行為と地続きにある。
モチーフは民俗学上「水」と関わりのあるものから、人や虫、食卓器具などの静物といったように一貫性はないが、それらが同じ場に並ぶことで作家個人のささやかな信仰の証しを表したいと考えている。

長沢楓(Fu Nagasawa)
1999年 高知県生まれ
2022年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2025年 京都芸術大学大学院修士課程芸術専攻油画領域修了
主な展示に「★(Book Mark)」(COHJU、京都、2026年)、「残丘」(タカ・イシイギャラリー前橋、群馬、2026年)。

ステートメント
歩いて見つけた絵付皿や襖絵、民画などに描かれている生活に根付いた絵を頼りに、東洋における絵画のあり方を再考している。道具に描かれた絵は、装飾あるいは願い、祈りなど、生活に根差した機能や役割を持つ。私たちは絵を通して、身近な人への思いや願いなどを個人に置き換えて解釈していく。

情報掲載について

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