W'UP!★3月29日~4月22日 田村正樹「水と油」/4月26日~5月20日 城蛍「ハローグッドバイ」  OIL by 美術手帖ギャラリー(渋谷区宇田川町)

W'UP!★3月29日~4月22日 田村正樹「水と油」/4月26日~5月20日 城蛍「ハローグッドバイ」  OIL by 美術手帖ギャラリー(渋谷区宇田川町)
鳥刺し女(2024)木製パネルにアクリル、油彩 841×594mm

2024年3月29日(金)~4月22日(月)
田村正樹「水と油」

 このたびOIL by 美術手帖ギャラリーでは、田村正樹の個展「水と油」を開催いたします。田村正樹は、2018年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業後、2023年に東京藝術大学大学院を修了。学生時代より学内外での発表を重ね、現在も東京を拠点に活動しています。
 田村は「自己の内的イメージを掘り下げ、この世界の有り様を捉えること」をテーマとして、油彩画や銅版画など幅広い技法で作品を制作してきました。その作品世界では、自身の想像力のなかで紡がれたフィクションの物語と、社会情勢といったリアルとが混ざりあっています。さまざまな国の文化、文字、時代性が渾然一体となったような謎めいた田村の作品は、見る者に強いインパクトを残し、どこか懐かしさを感じさせ、そのモチーフはときに不穏ながらもおとぎ話のように豊かで遥かな世界を彷彿させます。
 また田村は、本展のテーマ「水と油」のように、相反するふたつのものの存在が自身の作品における一貫したテーマでもあると語ります。水と油、生と死、自己と他者など、ふたつの要素の間にあるものを探求することで、世界が二項対立ではなくその「間」も含んでいることを絵画によって証明しようと試みているのです。
 本展では、油絵具を用いた新作14点を含む約45点を発表いたします。田村が空想の世界に思いを馳せながら、画家の目を通して掴み取ろうとしている、この世界のいま・ここの有り様を垣間見ることのできる機会となります。

アーティスト・ステートメント
 この度、OIL by 美術手帖ギャラリーにて、「田村正樹 個展『水と油』」を開催させていただくこととなりました。新作を中心とした個展形式の展示は、2023年2月の東京藝術大学修了作品展以来、およそ1年ぶりとなります。
 本展に際し、P80号の新作《Empty Forest》(2024)をはじめ、14点の新作を描き上げることができました。14点の新作はすべて、油絵具で描かれた油彩画です。油絵具は、個人的にとても好きな画材である一方、技術的・経済的な理由から、大学時代はほとんど制作に用いてこなかった画材でもあり、ある意味、大学院を修了した私にとっての〈やり残した宿題〉の一つと言えるものでした。2023年10月、第36回ホルベイン・スカラシップ奨学生に認定いただいたことを機に、国内有数の画材メーカーであるホルベイン画材株式会社様からの大きなバックアップもあって、改めて腰を据えて、じっくりと油絵制作に取り組むことができました。
 個展のタイトルである、「水と油」とは、私の使用している画材が、「水」溶性絵具と「油」絵具であることに由来しています。また、「水と油」のような〈相反するふたつのもの〉という要素は、私の作品世界に一貫して流れるテーマでもあります。例えば、自己と他者、現実と空想、愛と憎しみ、善と悪、戦争と平和、生と死……といったように、〈相反するふたつのもの〉を同時に並べ、その間にあるイメージを探っていくことが、私の絵画スタイルの一つとなってきました。それは決して、世界を「二項対立」として捉えることでなく、その〈間〉を模索することを意味しています。「水と油」、ふたつの力を手にできたなら、私にとっての絵画の冒険は、もっと遠くへと進んでいけるような気がします。本展を、そんな出発点のひとつと位置づけたいと思います。 田村正樹

本展出品作品(一部)

田村正樹
 1995年栃木県生まれ。2018年多摩美術大学卒業。19年に愛知県立芸術大学研究生を経て、23年東京藝術大学大学院修了。“自己の内的イメージを掘り下げ、この世界の有り様を捉えること” をテーマに、シート壁画から、手製本した本の作品まで、技法や素材にとらわれない幅広い表現活動をおこなう。
主な展示
2018年「東京五美術大学連合卒業・修了作品展2018」
2020年「藝大アーツイン丸の内2020」
2021年「KUMA EXHIBITHION 2021」
2022年「YAU STUDIO 滞在制作報告展」
2023年「東京藝術大学卒業・修了作品 展2023」「個展 田村正樹(仮)」
など

自画像

田村正樹「水と油」
会 場 OIL by 美術手帖ギャラリー
会 期 2024年3月29日(金)~4月22日(月)※会期中無休
開場時間 11:00~21:00
入場無料
主 催 OIL by 美術手帖ギャラリー
展覧会詳細 https://oil-gallery.bijutsutecho.com/
お問い合わせ oil_gallery@ccc.co.jp
※OIL by 美術手帖の営業時間は館の営業時間に準じます。状況に応じて変更の可能性がございます。最新の情報は渋谷PARCO公式ウェブサイトをご確認ください。
https://shibuya.parco.jp/

オープニングレセプション
3月29日(金)19:00~21:00
会 場 OIL by 美術手帖ギャラリー
作家も在廊予定です。予約不要・入場無料

住所東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階
TEL03-6868-3064
WEBhttps://oil-gallery.bijutsutecho.com/
営業時間*111:00 〜 20:00
休み*2イベントにより異なります
ジャンル*3現代美術、デザイン、カフェ
アクセス*4渋谷駅ハチ公口より徒歩5分
取扱作家 
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります

作品画像
《恋は盲目JCT》(2024)麻に油彩、水干絵具、木炭、木材 55.2cm×123.3cm×4cm

2024年4月26日(金)~5月20日(月)
城蛍「ハローグッドバイ」

 1996年愛知県生まれ、現在は東京を拠点に活動する城蛍は、高校時代に美術の道に進むことを決意し、2019年に上京後、個展やグループ展などで作品を発表してきました。
 城の作品は、一風変わったテーマと、油彩、日本画、彫刻の技法を取り入れたアプローチが特徴です。彼女はネガティブな要素や日常のささいな出来事からインスピレーションを受け、それらを独自の視点で描き出します。また、漫画や音楽、文学からも影響を受けており、その作品には冷静な視点を持った繊細な世界観が表現されています。
 城は作品制作において、絵画の定義を超えた新たな表現を試みています。例えば、彼女が描く「ポートレート」は、ひとりの人物を描くだけでなく、その人物あるいは対象となる物体の背景や環境を細かく設定し、さらには心情までをも含んだ表現となっています。城が日常のなかで記憶していった出来事や人物の断片から生まれたこれらの作品は、観る者に様々な共感を呼び起こし、同時に、城自身も作品を通じて自己の内面を表現することを試みています。

アーティスト・ステートメント
 前提として、私の作品は第三者の負の感情を含んだ光景を切り取り、絵画に落とし込むことで制作しています。
 そしてその制作の中では、作品が完成に近づくにつれ、その光景の持ち主である対象の所有する情報が、作者である私自身の中で次第に肥大化していきます。その内容は、性別、年齢、職業、性格、趣味、家庭環境等を基準とし、対象の一日の生活、その日の体調、食事内容、気象状況にまで及びます。とはいえ、これまでその行為に対して私自身取り立てて気に留めることはありませんでした。
 しかしながら、制作をしていく中でその情報の密度に改めて着目してみたときに、外見こそ描かれていないもののまるで顔の一つひとつの皺を丁寧になぞっているかのような、とある人物を対象にした肖像画を描いているかのような錯覚に陥るようになりました。
 肖像画は、近年日本において、単に外見を精巧に描写するだけでなく、佇まいや表情、更に内面を含んだ空間全体を表現する作品としてポートレート作品と呼ばれることが増えています。そのため、必ずしも対象となる人物が描かれていなくても構わないのではと考えました。
 一方、展示タイトルにあるハローグッドバイとは、ビートルズを始め多くのミュージシャンが曲名あるいは歌詞に使用してきた常套句です。そしてその言葉は特定の意味を持ち合わせていません。声にする人物によって歪に変化をし続ける、いわば当人における言葉にできない感情のようなものであると私は認識しています。
 ここではとある対象についてのポートレート作品と、各々が鑑賞者に向けて声にするハローグッドバイが共存しています。
 そして多くの人々が行き交うこの街はきっと、数え切れないほどのこんにちはとさようならの言葉で溢れており、様々な出会いと別れが絶えず繰り返されているのではないでしょうか。
 城蛍

展示作品(一部)

 

アーティストプロフィール
城蛍 Hotaru Tachi
1996 愛知県生まれ
2019 東京都内にてアーティスト活動開始
主な展示歴
個展
2020 「淡く目映く」Gallery Camellia / 東京
2020 「あじさいと沐浴」MAKII MASARU FINE ARTS / 東京
2021 「海に食べられる」MAKII MASARU FINE ARTS / 東京
2021 「デフォルマシオンの庭」長亭ギャラリー / 東京
2023 「食卓にて孕む」biscuit gallery karuizawa / 長野
グループ展
2019 「シブヤスタイルvol.13」西武渋谷 / 東京
2020 「FACE展2020」損保ジャパン日本興亜美術館 / 東京
2020 「絵画の河岸」TRiCERA MUSEUM / 東京
2020 「シブヤスタイルvol.14」西武渋谷 / 東京
2020 「collectors' collective vol.3」MEDEL GALLERY SHU / 東京
2021 「今年初めに見せたい絵」Gallery TOWED / 東京
2021 「若手の抽象絵画」長亭ギャラリー / 東京
2021 「SLANGS」WHAT CAFE / 東京
2021 「GINZA COLLECTOR’S CLUB」銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM / 東京
2021 「"Ampersand"旧图像世的挽歌」東京画廊+BTAP / 北京
2022 「Lovely」OIL by 美術手帖ギャラリー / 東京
2022 「grid」biscuit gallery / 東京
2022 「ART TAICHUNG」333GALLERY / 台湾

城蛍「ハローグッドバイ」
会 場 OIL by 美術手帖ギャラリー
会 期 2024年4月26日(金)~5月20日(月)※会期中無休
開場時間 11:00~21:00
入場無料
主 催 OIL by 美術手帖ギャラリー
展覧会詳細 https://oil-gallery.bijutsutecho.com/
お問い合わせ oil_gallery@ccc.co.jp
※OIL by 美術手帖の営業時間は館の営業時間に準じます。状況に応じて変更の可能性がございます。最新の情報は渋谷PARCO公式ウェブサイトをご確認ください。
https://shibuya.parco.jp/

オープニングレセプション
4月26日(金)19:00~21:00
会場 OIL by 美術手帖ギャラリー
当日は、作家も在廊予定です。予約不要・入場無料。

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

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