【Art News Liminality】アートとセラピー、あるいは変容のエコロジー―「Loop beyond Art 広がる、人と命の輪」をめぐって(予告編)その2
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【Art News Liminality】アートとセラピー、あるいは変容のエコロジー―「Loop beyond Art 広がる、人と命の輪」をめぐって(予告編)その2

その1から続く

 セキュリティ・ブランケットを根底のテーマに据えて活動する松下誠子は、誰もが生まれながら傷を負っているという自覚から、「病」を人生のなかで捉えようとする。心の質と生命の質が不可分となる感性に訴えかける表現が問い直されることになるだろう。祖母をめぐる記憶と米国日系2世に関連する歴史のリサーチを続ける宮森敬子は、各地で集めた「樹拓」を個人的な記憶の印へと置き換えることで記憶を手放すことの可能性を探る。

 佐藤慶子によるパフォーマンス・コンサート「花のように しなやかにたくましく いのちを奏でる」では、コロナ禍の緊張感を受け止めながらも心の響き合いを小さな声と音によって紡ぎだそうとするセッションが行われる。呼吸と発声をとおして身体を調律し、新しい心の紐帯を沈黙のなかから生み出すこと。そこに無音の讃歌を聴くことができるかもしれない。万葉集やチベット仏教のニルヴァーナへと軽やかに誘うコンサートも楽しみだ。

 ホスピタリティ・アートやアート・セラピーが患者やクライアントへのキュア、あるいはケアの効果をもつとき、その効果は表現者と患者やクライアントの間でのみ共有されるものだろうか? アートが表現者と患者やクライアントとの想像的な二者関係を超えて、観客に対してもホスピタリティやセラピーの効果を及ぼすとき、アートは現実的な問題として制度や社会に対しても効果をもつはずだ。フォーラム「いのちとアートの開きをはかる」では、アートから起こる人と世界をめぐる変容のエコロジーについても言葉が交わされることになるだろう。

〈開催情報〉
「Loop beyond Art 広がる、人と命の輪の試み」
会 場 工房 親
会 期 2021年4月3日(土)~4月18日(日)
開廊日時 水~日 12:00~19:00(日 18時まで、展示最終日17時まで)
休 廊 月・火
https://www.kobochika.com/homepage/html/exhibition_2021_4_loop.html

W’UP! ★ Loop beyond Art 広がる、人と命の輪の試み 工房 親

工房 親

 以上 文・撮影:F.アツミ(Art-Phil

F.アツミ 他のブログ https://tokyo-live-exhibits.com/tag/f-atsumi/

F. Atsumi
編集・批評
アート発のカルチャー誌『Repli(ルプリ)』を中心に活動。これまでに、『デリケート・モンスター』(Repli Vol.01)、『colors 桜色/緑光浴』(Repli Vol.02)などを出版。また、展示やイベントなどのキュレーションで、『春の色』(2013年)、『十字縛り キャッチ・アンド・リリース』(2013年)、『テロ現場を歩く』(2014年)などに携わる。アート、哲学、社会の視点から、多様なコミュニケーション一般のあり方を探求している。https://www.art-phil.com/

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