W'UP!★11月12日~12月25日 田名網敬一 世界を映す鏡 NANZUKA UNDERGROUND

W'UP!★11月12日~12月25日 田名網敬一 世界を映す鏡 NANZUKA UNDERGROUND

 

2022年11月12日(土)~12月25日(日)
田名網敬一 世界を映す鏡


 この度 NANZUKAは、NANZUKA UNDERGROUND、及び3110NZ by LDH kitchen の2会場において、田名網敬一の個展「世界を映す鏡」を開催致します。本展は、渋谷 2丁目地下の当ギャラリー移転前最後の展覧会となった2020年「記憶の修築」、本年9月にNYのギャラリーVenus Over Manhattanにおいて開催した「Manhattan Universe」に続く新作個展になります。

 2020年7月、コロナウィルス第一波と第二波の合間を縫って開催した「記憶の修築」において、田名網は自身の人生における記憶、知識と経験、そこから派生するイメージの増幅=夢といったテーマを回顧的に紡ぎました。それは、田名網の人生と時代の流れを共にしてきた日本の「戦後」という時代の残像を、個人史として色鮮やかに描き出した一連の曼荼羅図とでも呼ぶべきものでした。

田名網敬一 ナンシーの冒険 ① 2022 ©Keiichi Tanaami
Courtesy of the artist and NANZUKA

 

 その後の田名網の制作活動は、コロナ禍に見舞われた世界の中で、一変します。予定していた海外の展覧会や大学の講義、プロジェクトなどが止まり、締切やスケジュールに追われるという若い頃から60年以上も続いてきたルーティンから意図せず開放されたのです。そして、このことが、田名網の作品に意外な副産物を齎すことになりました。

 「___そんな怠惰な日々を過ごしていると、何かやらなければ、という思いが沸いてくる。こんな時期だからゆっくり休めばいいのにと思ったのだが、長年の習慣とは恐ろしいものである。 そんな時、アトリエの床に放置していた埃だらけのキャンバスが目に止まった。1943年にピカソが描いた母子像(Mère etenfant)を私が模写したものである。母に抱かれた子どもを鉄腕アトムに描きかえ、手塚治虫の「アトム展」に出品した作品なのだ。___」

 「___私は、ピカソの母子像の模写に取り掛かった。気が付くと日も暮れ、薄暗くなったアトリエで私は夢中になって母子像に対峙していた。何も考えないで好きなものをただ写すというシンプルな行為がこんなにも楽しいとは思わなかったし、心身の安定にも繋がった。あれこれ試行錯誤することなく、色や形を写す単純な行程はかつて経験した写経に通ずるような気がする。制作意図も、締め切りも、発表予定も、何も決まっていないただ心を癒すために描くことが、こんなにも心の充足に繋がるのは、驚きであった 。___」

 田名網は、画材屋でF6号のキャンバスを大量に購入し、これを日課として描くようになりました。これまでの3年近い期間の間に、既に400 点を優に超すピカソ作品の模写を繰り返し制作するうちに、やがて田名網オリジナルのピカソシリーズが生まれてくるようになりました。田名網は、毎日4-5点のキャンバスを並べて創作を開始します。最初の 1枚目はピカソの画集を横に観ながら見様見真似で描き、2枚目以降は自分の描いた作品をベースに、続く3枚目以降は直近の視覚的な記憶をたどりに自分で好きなようにアレンジして描いていきます。その結果、あたかも絵画版の伝言ゲームのように、少しずつ異なる作品が生まれていくのです。

田名網敬一 目で光景を切り取る Trimming the Spectacle by Eyes 2022 ©Keiichi Tanaami Courtesy of the artist and NANZUKA
田名網敬一 身体と心眼 Body and Mind's Eye 2022 ©Keiichi Tanaami Courtesy of the artist and NANZUKA

 田名網自身が「写経のようなもの」と語る、こうした創作活動は、決して幼稚なパクリ、盗用の類ではありません。ゴッホによる北斎や広重の模写などの例を挙げるまでもなく、自然の模倣に起源を持つ「アート」の歴史において、アーティストが他のアーティストの作品を模倣したという例は多々あります。科学者が他人の論文を参考にして研究や実験の深度を深めるように、あるいはアスリートがライバルの動きを研究するように、人は知的情報の殆どを模倣や伝聞を通して学んでいます。これは、アートにおいても同じで、模写を通してアーティストは表層的な情報に限らず、独特の視点、独自の技術、秘められた思考的な背景といった細部に至る情報を学ぶのです。例えば、田名網は模写を繰り返すことで、ある特定の作品において、ピカソが画面のどこから描き出したのか、どのように色を作っているのか、画面のどこのポイントをより強調して描こうとしていたのか、が理解できるようになったと語ります。

 本展では、神宮前 NANZUKA UNDERGROUND1F スペースにおいて、こうして生まれたピカソのシリーズを300点程度、移動式販売スタンド(Kiosk)を模したインスタレーションを中心に展開します。また、ギャラリー2F と 3110NZでは、引き続き膨大なイメージの蓄積から生み出される新作のキャンバスペインティング、コラージュ作品、そして最新のアニメーション作品「赤い陰影」を展示します。

 年輪を刻んで尚も進化を遂げ続ける田名網の創作活動には、人間の創作活動の真髄を見るようであり、また同時にアートとは何かという率直な問いかけに対する雄弁な回答であるようにも思えます。不屈の創作魂、膨大な知識と経験、そして熟練の技術の三位一体によって生み出される田名網の圧倒的な作品の数々は、衰えることを知りません。

「この悦楽の時間は未だに続いていて、依頼の仕事をほったらかして今日もピカソに取り憑かれている。永遠に終わらないかもしれないこの修業は今後どうなるか、私にもわからない。」

田名網敬一 世界を写す鏡 The Mirror Reflecting the World 2022 ©Keiichi Tanaami Courtesy of the artist and NANZUKA
田名網敬一 綺想体 Inconceivable Body 2022 ©Keiichi Tanaami Courtesy of the artist and NANZUKA

田名網敬一 世界を映す鏡
A Mirror of the World
会 場 NANZUKA UNDERGROUND(東京都渋谷区神宮前3丁目30-10)
会 期 2022年11月12日(土)~12月25日(日)
時 間 火曜日~日曜日 11:00~19:00
休廊日 月、祝日休業

田名網敬一 世界を映す鏡
A Mirror of the World(chap.2)
会 場 3110NZ by LDH kitchen (東京都目黒区青葉台1丁目18-7)
会 期 2022年11月15日(火)~12月24日(土)
時 間
 火曜日~木曜日 11:00-16:00
 金曜日~土曜日 11:00-17:00
休業日 日曜、月曜、祝日

Keiichi Tanami x Parley for the Oceans
会 場 NANZUKA 2G(東京都渋谷区宇田川町15-1渋谷PARCO 2階)
会 期 2022年11月10日(木)〜11月16日(水)
*原則無休(営業時間は渋谷パルコに準じます )

 渋谷PARCO 2Fにあるスタジオ2G内、NANZUKA 2Gにおいて、非営利目的海洋環境保護団体の「Parley for the Oceans」とのコラボーションによって制作された桐製の限定サーフボードを展示致します。本企画の利益は、Parleyより海洋環境の保護のために使用されます。

作家紹介ページ https://nanzuka.com/ja/artists/keiichi_tanaami
展覧会ページ https://nanzuka.com/ja/exhibitions/keiichi-tanaami-a-mirror-of-the-world/press-release
Parley for the Oceans https://www.parley.tv/#fortheoceans

W’UP!★10月21日~11月14日 Oliver Payne CHUNKADELIC (Disc 1)/11月10日~11月16日 POP UP Keiichi Tanami x Parley for the Oceans NANZUKA 2G

W’UP!★10月18日~11月12日 Oliver Payne CHUNKADELIC (Disc 2)/11月15日~12月24日 田名網敬一 世界を映す鏡 3110NZ by LDH kitchen

■NANZUKA UNDERGROUND 一般情報

住所東京都渋谷区神宮前3-30-10
TEL03-5422-3877
WEBhttps://nanzuka.com/
営業時間*111:00 〜 19:00
休み*2月曜・祝日
ジャンル*3現代美術
アクセス*4明治神宮前駅5番出口より徒歩6分、JR原宿駅より徒歩8分。東京メトロ 表参道駅より徒歩8分
取扱作家https://nanzuka.com/ja/artists
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります

NANZUKA UNDERGROUND

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