W'UP!★5月23日~6月15日 多和圭三 個展「奥遠く」 StandBy、B1_Storage(渋谷区神宮前)

W'UP!★5月23日~6月15日 多和圭三 個展「奥遠く」 StandBy、B1_Storage(渋谷区神宮前)

2024年5月23日(木)~6月15日(土)
多和圭三 個展「奥遠く」

 StandByとB1_Storageでは彫刻家、多和圭三の個展を開催致します。
 本展では旧作、新作を含む立体作品9点と黒鉛を用いた平面作品24点、鉄粉とインクを紙に染み込ませた半立体の作品5点を発表いたします。
 1970年代よりキャリアを持つ多和圭三は、40年以上鉄という素材と向き合い、素材の声に耳を傾け、対話を繰り返し作品を制作してきました。
 鉄の塊をハンマーで叩き続け、その叩いた行為の痕跡を物質の表面に残すことで作品へと変貌させてきた多和の作品制作は、非常にダイナミックで動的な手法をとりながらも、そこから生み出される作品には日本人としての控えめで繊細な性質を多分に感じさせます。

「あくまで主体は素材であり、自分ではない。」

 多和に打たれた鉄の塊はそう語っているかのように静かにそこに在り続けます。
 これは到底欧米の作家や若い作家が生み出せるはずのない、途方もなく純粋で辛抱強い行為の末に生まれる作品が纏う1つの空気なのではないかと思わせます。
 そしてその黒く奥深い瞑想空間のような作品は仏教的な静謐さすら感じさせ、行為の意味性を問いかけてくるでしょう。

 そして多和はドローイング作品においても紙と黒鉛の素材感を生々しく露呈させています。
 それは黒鉛で描かれたと表現するよりも、黒鉛と紙がぶつかり合ったという表現が適切であるほどに力強い筆跡を画面に残しつつ、それでいて非常に穏やかな印象を留めています。
 彫刻においても平面においても、多和の作品からは支持体と作家の関係性というものを強く感じざるを得ません。
 物静かに発せられるその関係性は、もの派やミニマリズムからの流れを受けた応答とも捉えられるでしょう。
 東京国立近代美術館、神奈川県立近代美術館、目黒区美術館、愛知県美術館等の多くの美術館にコレクションされてきた評価が直向きに制作を続けてきた多和のキャリアを物語ります。
 本展の別会場となるStandByではこれまでフラワーアーティスト東信によるインスタレーション作品の展示や、国際的に知られる建築家ジョン・ポーソンによる御影石を用いた新作の展示、フラワークリエイター篠崎恵による生花を用いた作品展示などを開催して参りました。
 今回の展示では多和の重く静かに佇む9点の立体作品のインスタレーションを公開予定でおり、新たにこの場の景観を変える作品群が現れます。
 40年以上変わることなく制作を続けてきた今、デジタル化が進む社会においてこれほどまでに物の質量を感じさせる多和の作品はどのように映るのでしょうか。

作品画像 作品画像 作品画像

多和圭三 個展「奥遠く」
会 場 StandBy(東京都渋谷区神宮前5-11-1)
会 期 2024年5月23日(木)~6月9日(日)
休廊日 無し
開廊時間 12:00~19:00

会 場 B1_Storage(東京都渋谷区神宮前5-9-25-B1)
会 期 2024年5月23日(木)~6月15日(土)
休廊日 日曜日、月曜日
開廊時間 12:00~19:00

多和圭三 たわ・けいぞう
 1952年(昭和27年)、愛媛県大三島生まれ。彫刻家。日本大学芸術学部卒業後、同大学非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、多摩美術大学教授として教鞭をとる。2020年に退職。「鉄を叩く」という独自の彫刻スタイルを確立し、個展·グループ展に多数参加、国内外から高い評価を得ている。94年には旧·新日鉄本社ビルにおいて「第3回STEEL ART展」に出品。東京国立近代美術館にも作品が所蔵されている。95年公益信託タカシマヤ文化基金新鋭作家奨励賞受賞。2003年第33回中原悌二郎賞優秀賞受賞。 07年文化庁買上優秀美術作品。10~11年にかけ足利市立美術館/栃木、町立久万美術館/愛媛、目黒区美術館/東京を巡回する個展「鉄を叩く―多和圭三展」を開催。

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

コメント

*
*
* (公開されません)