W'UP★10月10日~12月21日 Signature Exhibition #01『Doubtfulness』 ソーシャルイシューギャラリー&カフェ SIGNAL(港区虎ノ門)

W'UP★10月10日~12月21日 Signature Exhibition #01『Doubtfulness』 ソーシャルイシューギャラリー&カフェ SIGNAL(港区虎ノ門)

2023年10月10日(火)~12月21日(木)
Signature Exhibition #01『Doubtfulness』

 ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」は、社会課題のリサーチ・提示を目的に、2023年9月に東京・虎ノ門にオープンしました。第1回目の特別展となるSignature Exhibition #01『Doubtfulness(ダウトフルネス)』では、「信じる力」と「疑う力」をテーマに、アート作品と様々なイシューに関する意識データの展示を行います。

 「SIGNAL」は、社会課題とは「一人ひとりのイシューの集合体」であり、その集合体は、人々が問題をどう捉えるかの「Issue Literacy」とも言うべき力によってかたち作られていると考えています。本展示では現代アーティスト・千賀健史による作品と、マーケター・牧貴洋によるリサーチデータの展示を通して、鑑賞者に「何を信じ」「何を疑うのか」を問いかけます。感性と理性の両面から、人々の「Issue Literacy」にアプローチする本展示、ぜひギャラリーでお楽しみください。(キュレーション:田尾企画編集室・田尾圭一郎)

『Doubtfulness』展の特徴
 本展示の特徴は、「信じること」「疑うこと」という一つのテーマに対して、アーティストとマーケターがそれぞれの手法でアプローチしている点です。
 入念なリサーチをベースに作品制作する千賀は、本展示において3つの事柄(石、経穴、バナナ)をモチーフに、迷信や神話、習慣のリサーチを行いました。石を浮揚させることで生まれる畏敬の念や、それにまつわるイメージを集めた書籍を模した作品《BELIEF SYSTEM I, STONE : Not the Power of Stones, but the Power of Will》は、あたかも石が貴重で神聖な存在であるかのように私たちに感じさせますが、一方で映像作品《石が天体になる時》においては、石はただの物体として提示されます。鑑賞者は作品を通して「疑うこと」「信じること」を繰り返し体感することになるのです。
 一方、マーケター・牧は、人々の「信じること」についての意識調査を実施。(※)「人に良い事をするといずれ自分に返ってくる」といった人生訓から、「恐竜は隕石によって絶滅した」といった科学にまつわる質問まで、120項目でアンケートを行い、『Doubtfulness Map』としてまとめています。人々が何を信じ、何を疑っているのかのファクトを視覚的にわかりやすく提示し、鑑賞者に思考することを促します。
 アート作品とデータ展示を行き来する体験を通して、人々の「Issue Literacy」を育むことを目指します。

作品イメージ 書籍表紙


Art Direction:徳野佑樹(TOKU)
※調査概要
縦軸:120項目について、その言説や人・モノが「信じられる」か「疑わしいか」を100段階で評価・回答。横軸:項目に対する「信じられる/疑わしい」の評価について、その根拠が客観的・論理的なものか、主観的・直感的なものかを100段階で回答。回答者全員の平均値をMAPにプロットしました。
調査時期:2023年8月28日~8月29日
インターネット調査 n=1,000/15歳〜74歳/全国/男女

ポートレイト本展示に寄せた現代美術家・千賀健史 ステートメント
 かつて私達は自然を崇拝し、呪術を信じ、儀式を行ってきた。それは現代人にとっては根拠に乏しく、間違いとされるかもしれない。生贄を捧げなくとも陽は昇るし、祈りで大砲の方角を曲げる事はできないし、死んだ人を生き返らせる事はできない。しかし、私たちが信じる根拠も1000年先では愚かな知恵かもしれない。そんな中でも人類の幼年期から現代、そして未来にわたって変わらないものが「信じる」という行為の中にあるのではないだろうか。幼い頃、頭をぶつけて泣きじゃくる私を母が抱きしめ撫でた途端に痛みがひいた事。薬と信じてビタミン剤を飲むこと。毎朝の星占い。パワースポット巡り。仕事前のルーティン。それそのものが科学的に求める効果をもっていなくても、信じる事が心身にポジティブな作用を引き起こす。それは気のせいでは無い。その効果はハーバード大卒の医学博士アンドルー・ワイルも著書「癒す心、治る力」の中で言及している。イメージする事、そして信じる事は免疫力を向上させ、集中力をあげ、前向きな気持ちにし、安心感を与え、痛みを和らげる。本作は、そのような信じる事、イメージする事について私たちがどのように作り出し、受容し、恩恵に預かることができるかという事をさまざまな説を通じて実験する場となっている。

千賀健史 
 1982年、滋賀生まれ。大阪大学卒業。制作には入念なリサーチがベースとなっており、目に見えないものや撮影が困難なものを主題に合わせたコンセプチュアルな手法で見せる作品を制作している。インディペンデント・キュレーターの後藤由美氏に「日本の現代社会、文化、歴史の問題を世界に向けて視覚的な物語として提示したい時に思い浮かぶ写真家の一人であり、複雑な物語構造を視覚化する能力は他の追随を許さない」と評されており、主な作品に「THE SUICIDE BOOM」「HIJACK GENI」などがあり、1_WALLグランプリ、写真新世紀優秀賞、シンガポール国際写真祭でBest Dummy Book Award、 大理国際写真祭でGoldfinch Best Emerging Photographer Award など、作品は国内外で高く評価されている。

ポートレイト本展示に寄せたマーケター・牧貴洋 ステートメント
 “ファクトフルネス”(真実かどうか)と、“ダウトフルネス”(信じるかどうか)
 事実無根の主張があたかも真実として支持を集める。根拠に基づいた正しい情報が、語る人の印象だけで疑わしいものとして糾弾される。デジタル化が進む現代において、情報の「真偽」を判定することの難しさはどんどん高まっています。目に触れた情報を鵜呑みにせず、“ファクトフル”に物事を捉えて真偽を判定していく態度はもちろん大切ですが、そもそも私たちがふだんの暮らしの中で触れる情報の多くは、真偽の確かめようのない“ダウトフル”なものがほとんどという側面も。だとするならば、結局の所、その人が“ダウトフル”なものと向き合いながら、その中で「何を信じ、何を疑うか」という意志や想像力が、その人それぞれの「真実の人生」を作っているということでしかないのかもしれません。これからの時代に私たちに必要なのは、自分にとっての“真実”を見つけて人生を楽しむと同時に、他人にとっての“真実”を認め、心地よく共存していこうとする姿勢なのではないでしょうか。本展示では、そんな多様性の時代の新しい情報リテラシー、“ダウトフルネス”をテーマに、何を信じるか?何を信じたいか?何を信じる人生が幸せなのか?を、見るものに問いかけていきます。

牧貴洋
 株式会社SIGNING 共同CEO。博報堂で戦略プランナーとしてキャリアを重ねる。2020年4月にSocial Business Studio「SIGNING」設立に参画し以降現職。社会・暮らしの「キザシ」を捉えながら、事業・ブランドの成長のための構想と実装に従事。

アート展『Doubtfulness』
場 所 ソーシャルイシューギャラリー&カフェ「SIGNAL」(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
期 間 2023年10月10日(火)〜2023年12月21日(木)
開館時間 火〜金曜日 11:00〜23:00 カフェ&ギャラリー(18:00以降はバータイムになります)
     土曜日   11:00〜18:00 カフェ&ギャラリー
※日・月・祝日は休み
入場料 無料(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
電話番号 03‐6205‐8220
WEBサイト https://signing.co.jp/signal/
公式Instagram https://www.instagram.com/signal_socialissuegallery/
アクセス 東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 A2出口から徒歩5分、東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 2a出口から徒歩3分

店内写真

SIGNALについて
 ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」は、来場者が情報のインプットとアウトプットの両方を担うところが特徴です。アート展示を鑑賞し、顕在化していない社会課題と向き合う機会提供だけにとどまりません。社会課題を表現したアートを鑑賞することで湧き上がる来場者の想いがアンケートによりアウトプットされ、そのアウトプットの集合体を当社が様々な角度で”兆し”として取り扱い、社会課題解決のアイディアに昇華させていく、という仕組みです。アンケートで得た定量データをもとに、社会課題に関するレポートや対話型のイベント、企業・団体・大学との共同プロジェクトも実施予定です。リアルな実地調査による取り組みを通じ、未発見の社会の課題や兆しの発見を目指し、大小隔たりのない社会課題解決に邁進してまいります。

業態の説明スキーム

若手アーティスト・田村琢郎による常設作品
 ギャラリーの入口では、現代社会に象徴的な問題提起を発する若手アーティスト・田村琢郎による作品「TORNCEPT」を常設展示します。ポールに巻きつきながら枝分かれしていく矢印のモチーフは、既存のルールや価値観を問い続け、社会課題の新たな「兆し」を提示していくSIGNALのコンセプトが表現されています。(キュレーション:田尾企画編集室・田尾圭一郎)

さくひんイメージ

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