W'UP★ 9月11日~ 10月5日 ラム・カツィ-ル個展 『がんばって』 THE MIRROR(新宿区西早稲田)

ラム・カツィ-ル個展 『がんばって』
会 場 THE MIRROR(東京都新宿区西早稲田2-14-15 松川ボックス A棟)
開催日 2024年9月11日(水)~ 10月5日(土)
開廊時間 13:00~17:00
休廊日 日、月
入場料 無料 (未就学児は1名につき保護者1名とご入場ください)
定員 各回10名まで ※1時間ごとの入れ替え制
完全事前予約制 ご予約はこちらから https://coubic.com/themirror/4728232
instagram @themirror_tsao
問い合わせ先 themirror@shiimzuoffice.com
この度THE MIRRORではラム・カツィ-ルの個展『がんばって』を開催いたします。
本展はグラングリーン大阪うめきた公園内に設置されるラム・カツィ-ルの新作彫刻『YUMEMITAI』の一般公開を記念して開催されます。
展覧会のテーマは人間の成長と無常です。展示される3点の作品は石、金属、ムービーという異なる素材で制作され、人生とは束の間の出来事であり常に変化していくものだということを表現します。
ラム・カツィ-ルの考えは、仏教の三通りの怒りの教えに想を得ています。その教えは岩のような人(岩に書いた字がいつまでも消えないように怒りが消えずいつまでも心や安らかにならない)、砂のような人(砂に書いた字のように一時は怒るがやがて消えてしまう人)、水のような人(水に字を書いても何も残らないように常に平然とし心安らかな人)のたとえです。この度の作品の素材は岩=石、砂=金属、水=ムービーという意味で選ばれ、それぞれが人生の意味(永遠、変幻、無常)を表現します。松川ボックスの空間の中でゆっくりと作品を鑑賞し、その意味するところに想いを馳せていただければ幸いです。
アーティスティック・ディレクター 清水敏男
本展はモンドリアン基金および駐日オランダ王国大使館の助成によって実現しました。
ラム・カツィ-ルによる作品解説
『がんばって』2024年
展覧会のタイトルになっている作品はムービーです。小学生が一生懸命教室の床を磨いていますがやがてその姿は老人に変わっていきます。ギリシャ神話のシシュフォスを思わせる内容ですが、老化、忍耐、日常の繰り返しなどの暗喩を含んだ作品です。この作品は私が2009年に京都芸術センターでレジデンスをしていた際に撮影されたもので本展覧会のために新たに編集された作品です。
『乳歯』2004年
本作品は大理石製の机と椅子です。椅子は机の上にひっくり返されて載っています。小学生はこうしてから下校するのです。机と椅子はカラーラ産の大理石のブロックから削り出されました。椅子を机の上に載せて帰る行為は放課後に教室の掃除をしやすくするためで人生の始めに行う他の人を利する行為なのです。それは幼いときの純粋な行為を象徴しています。またそこに亡霊のように残された凍ったかのような机と椅子は私たちが歳を重ねることで起きる不可逆的な変化を示しています。
『オニリコ(夢)』2023年
二つの色が混ざると新しい色が生まれます。そのように数人の人が集まると新しい空間が生まれます。しかしそれは単に足し算で生まれる空間よりも広い空間です。本作品は人々が雲の中に頭を埋めた出会いを現したもので、人々の関係と変化していく役割について考えさせる作品です。大量のデータを貯蔵していくデジタルクラウドに支配されている現代、本作品はフィジカル(物理的)なクラウドが未来に向けて記憶をストックすることを表しています。私がグラングリーン大阪に設置した『YUMEMITAI』(本年9月公開)の初期バージョンです。
本展覧会は鑑賞者に人生の美しさと複雑さを体験していただくことを目指しています。物事は変化していくこと、時間は過ぎ去っていくものだということを思い起こし内省する機会をなることを願っています。
「人は変わらない。ただ単に「自分」になっていくだけだ。この考えは私が昔にノートに書きつけたものでこの展覧会の3つの作品にはその考えが貫かれている。『乳歯』と『がんばって』の新編集バージョンとの間に20年の時間が流れたが私自身はいまだに「子供」だと思っている。」 ラム・カツィ-ル
ラム・カツィール Artist Ram Katzir
ラム・カツィールはアムステルダムを拠点に活動するビジュアル・アーティストです。ニューヨークのクーパー・ユニオンで彫刻を学び、アムステルダムのリートフェルト・アカデミーでアニメーションを学んだ後、1990年代後半、子どものイメージとナチスのプロパガンダを並置したインスタレーション『Your Coloring Book』で国際的な評価を得ました。この作品はニューヨーク近代美術館の展覧会Open Endsでも紹介されました。アムステルダム市立美術館、エルサレムのイスラエル美術館、京都芸術センターなどで個展を開催。上海ビエンナーレ、広州トリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭などの国際展にも参加しています。
ラム・カツィールは20年以上にわたり、世界中の都市計画家、ランドスケープ・デザイナー、建築家らと協働し、パブリックアートを制作してきました。主なパブリックアート作品には横浜三井ビルの『Grow』、久屋大通公園の『Stay』、パークシティ大崎の『Acorn』、グラングリーン大阪うめきた公園『YUMEMITAI』があります。(いずれも清水敏男のキュレーションによる)また台北の信義広場、アムステルダムのオリンピア広場、上海の外灘西地区のインスタレーション作品があります。
ラム・カツィールは悲劇と喜劇、親しいものと親しくないものを合体させ鑑賞者に知覚を再認識させる作品を制作しています。多くの作品が世界各地のパブリック・コレクション、プライベート・コレクションに加えられています。

清水敏男のキュレーションによる、ラム・カツィールの記念碑的作品『YUMEMITAI』が2024年9月6日にグラングリーン大阪うめきた公園に登場します。
THE MIRROR ご来場にあたって
・入れ替え制になりますのでお時間に余裕を持ってご来場ください。
・住宅地にあるギャラリーのため、ギャラリーの外でお待ちいただくことはご遠慮いただきますようご理解の程お願いいたします。
・祝日も開廊します。
・開廊日、開廊時間、入場時間は予告なく変更、臨時休業する場合があります。
・小中学生もチケット予約が必要です。
・団体や前売り他各種割引制度は実施しておりません。
・バリアフリー建築ではありませんので見学の際に配慮が必要な方は、事前にご相談ください。
・飲食持ち込み不可です。
・松川ボックス内の写真撮影はSNSに投稿する等の個人的利用に限り可能です。展示物については会場にて撮影の可否をお知らせします。
今後のレクチャー、イベントスケジュールについては、決定後インスタグラム等でお知らせします。
主 催 TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
助 成 モンドリアン基金、駐日オランダ王国大使館
アーティスティック・ディレクター 清水敏男
マネージングディレクター 酒田翠
ロゴマークデザイン 浅葉克己
アーティスティック・ディレクター 清水敏男
東京都庭園美術館キュレーター、水戸芸術館現代アートセンター芸術監督を経て1997年よりインデペンデントキュレーター事務所主宰。Ise Cultural Foundation(New York)芸術監督(1998年~2001年)、上海ビエンナーレ芸術監督(2000年)、上海万国博覧会日本産業館キュレーター(2010年)などを歴任。東京ミッドタウン六本木・日比谷、大手町フィナンシャルタワーなどのパブリックアートの芸術監督。学習院女子大学・大学院教授(美術史、アートマネジメント)

THE MIRROR
2014年秋、当時銀座4丁目にあった名古屋商工会館(1940年頃の建築)において所有者の名古屋鉄道株式会社の協賛で全館を使ったイベントとして実施されました。《THE MIRROR》の名前はシェイクスピアのハムレットの台詞に由来します。
”to hold as ‘twere the Mirror up to nature”
過去の展覧会の詳細はこちら
THE MIRROR 公式ウェブサイト http://the-mirror-ginza.com
アーティスティック・ディレクター 清水敏男
マネージングディレクター 酒田翠
ロゴマークデザイン 浅葉克己
instagram @themirror_tsao
問い合わせ先 themirror@shimizuoffice.com
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