W'UP! ★7月28日~9月23日 「平田晃久―人間の波打ちぎわ」 練馬区立美術館(練馬区貫井)

W'UP! ★7月28日~9月23日 「平田晃久―人間の波打ちぎわ」 練馬区立美術館(練馬区貫井)

「平田晃久―人間の波打ちぎわ」
会 場 練馬区立美術館
開催日 2024年7月28日(日)~9月23日(月・休)
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日但し、8月12日(月・休)・9月16日(月・祝)は開館、翌8月13日(火)・9月17日(火)は休館
観覧料 一般1,000円、高校・大学生および65~74歳 800円、中学生以下および75歳以上 無料(その他各種割引制度あり)
※一般以外の方(無料、割引対象者)は年齢等の確認できるものを受付にてご提示ください。
ホームページ https://www.neribun.or.jp/museum.html

 練馬区立美術館では、建築家・平田晃久(ひらた・あきひさ)の建築世界を紹介する展覧会を開催します。平田はこれまで、自身の建築に対する思想を説明する際に「からまりしろ」という言葉を使ってきました。「からまりしろ」とは平田自身によって作られた言葉です。この「からまりしろ」については、彼の言葉を借りつつ次のように説明することができます。
 「はっきりと形作られる空間領域とは異なり、「ふわふわとした隙間の錯綜」、つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを指します。それは人間世界に限ったことではなく、植物、動物、異なる時空の文化なども含んだ広義での生命体との共有可能性を探る試みでもあり、人間が狭い意味での「人間」から自由になる未来に向けた試みでもあります。」
 ここで、「からまりしろ」の具体的なイメージについて考えてみましょう。平田の意識が向いているのは、人間の世界だけではありません。自然界から連想できる情景は、樹木の枝にとまる小 鳥の群れやアルプスに雲がかかる様子、海藻に魚の卵が無数にくっついている状態や絡み合う植 物などの一場面です。これらには、偶然によって生み出された無数の表面積、思いもよらない空間が作られています。このような自然の情景が、平田の建築的思想の手助けとなっているのです。
 かっちりと人間によって作り上げられた建築空間ではなく、自然の偶然性に建築的空間を見出すという考え方は、平田建築の大切な要素のひとつと言えます。本展覧会では「波打ちぎわ」という新しい言葉を軸にした3章立てとなっています。1章目は「からまりしろ」であり、冒頭で も説明した通り、これはこれまでの平田建築の核をなす言葉です。「からまりしろ」の建築は、人間と動物の波打ちぎわ(境界やあいだ)に現れるものといえます。2つ目と3つ目は、「響き」がテーマになっています。これは共鳴というような感覚に近いかもしれません。無数の人々の思いの共鳴、はたまた過ぎ去った時間と現在との共鳴、あるいは今こことどこか遠くの場所との共鳴…。そういった「響き」をもった建築は、私たちがかつて知っていた「人間」の意識を広げていくような、からまりしろとも違う「人間の波打ちぎわ」を予感させます。
 本展では、スケッチ、模型やインスタレーションを中心に、この「波打ちぎわ」を体験的に理解できる空間を作り上げます。哲学する建築家、平田晃久の脳内イメージにアプローチする展覧会です。
 また、このような平田のコンセプトが形となった公共建築としては、2022年に日本建築学会賞を受賞した「太田市美術館・図書館」(2017年)が代表されます。様々に区切られた空間や内外が絡まりあう「からまりしろ」を実現した地域のランドマークとして市民に愛されています。また複数の住居や商業施設なども手掛け、平田の哲学的理論と自然や生命への憧憬が反映された独創性あふれる空間を現出しています。
 このたび、これらの代表的な建築作品群に、練馬区立美術館も新しく加わることとなりました。図書館と融合する文化複合施設として、新しく生まれ変わる美術館は再スタートを切ります。その建築コンセプトは、「21世紀の富士塚/アートの雲/本の山」。練馬に古くから存在する「富士塚」をテーマに、「美術と本」を街や人々とつなぐ場として構想されました。
 本展を通して、平田の建築思想への概念的アプローチのみならず、具体的な建築作品を通して、平田建築が内包する未来への展望を示唆します。

展覧会のみどころ
1 展示室と展示室をつなぐ「波打ちぎわ」的インスタレーション体験!
2 20件以上におよぶ平田建築を、テーマごとにアプローチ。
3 2017年に台湾に建設された<Taipei Roofs>など、建築のプロセスを垣間見る貴重な
スケッチと模型を展示!
4 建築を体験し、学ぶイベントも開催予定。

平田晃久 PROFILE
1971年大阪府に生まれる。1997年京都大学大学院工学研究科修了。伊東豊雄建築設計事務所勤務の後、2005年平田晃久建築設計事務所を設立。2015年より京都大学赴任。現在、京都大学教授。
主な作品 「sarugaku」(2008)、「Bloomberg Pavilion」(2011)、「太田市美術館・図書館」「Tree-ness House」(2017)、「9h Projects」(2018-)、「Overlap House」(2018)、「八代市民俗伝統芸能伝承館」(2021)、前橋ガレリア(2023)など。
受賞歴 SD レビュー2004 朝倉賞(2004)、第19回JIA新人賞(2008)、Elita Design Award(2012)、第13回ベネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞(日本館協働受賞)(2012)、第31回村野藤吾賞(2018)、日本建築学会賞(2022)など。

主 催 練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
後 援 一般社団法人日本建築学会/公益社団法人日本建築家協会
助 成 公益財団法人 野村財団
協 賛 株式会社シェルター/株式会社オカムラ/ケイミュー株式会社/大光電機株式会社/鹿島建設株式会社/株式会社竹中工務店/清水建設株式会社
アクセス 西武池袋線(東京メトロ有楽町線・副都心線直通)「中村橋」駅下車徒歩3分
※駐車場はございません。(美術館周辺にコインパーキングがあります。)
※障害者用の駐車場については、直接お問い合わせください。

住所東京都練馬区貫井1-36-16
TEL03-3577-1821
WEBhttps://www.neribun.or.jp/museum.html
開館時間*110:00 〜 18:00(入館は、17:30まで)
休み*2月曜(祝休日は開館、翌平日閉館)年末年始(12月29日 ~ 1月3日)展示準備期間
ジャンル*3近代美術、現代美術、日本画、彫刻、工芸、版画
入場料*4展覧会により有料・無料の場合があります。 各展覧会の観覧料については、美術館ホームページをご覧ください。
アクセス*5西武池袋線中村橋駅より徒歩3分
収蔵品http://jmapps.ne.jp/nerima_art/

*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認*5 表示時間はあくまでも目安です

練馬区立美術館(練馬区貫井)

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