W'UP! ★9月27日 ~2025年2月16日 21_21 DESIGN SIGHT企画展 ゴミうんち展 21_21 DESIGN SIGHT(港区赤坂)
21_21 DESIGN SIGHT企画展 ゴミうんち展
会 場 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー 1&2(東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン·ガーデン)
開催日 2024年9月27日(金) ~2025年2月16日(日)
開館時間 10:00~19:00(入場は18:30まで)
※六本木アートナイト特別開館時間 9月27日(金)、28日(土)10:00~22:00(入場は21:30まで)
休館日 火曜日(2月11日は開館)、年末年始(12月27日–1月3日)
入場料 一般1,400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
ホームページ https://www.2121designsight.jp/program/pooploop
お問合せ Tel 03-3475-2121
アクセス 都営地下鉄大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分
21_21 DESIGN SIGHTでは、2024年9月27日より企画展「ゴミうんち展」を開催します。展覧会ディレクターには、佐藤 卓と竹村眞一の2名を迎えます。
世界は循環しています。さまざまな時間軸のなかで、ひとつのかたちに留まることなく、動き続け、多様に影響し合い、複雑に巡っています。その結果、いわゆる自然界においては、ゴミもうんちもただそのまま残り続けるものはほとんどありませんでした。しかし、いま人間社会では、その両者の存在は大きな問題となっていますし、文化的にもどこか見たくないものとして扱われています。ゴミ捨て場や水洗トイレは、まるでブラックボックスのように、私たちが忘れるための装置として機能してきたかもしれません。完全に消えてしまうものなんて、ないのにもかかわらず。
本展では、身の回りから宇宙までを見渡し、さまざまな「ゴミうんち」を扱います。そして、ゴミうんちを含む世界の循環を「pooploop」と捉えます。これまで目を背けてきた存在にもう一度向き合うと、社会問題だけではないさまざまな側面が見えてきました。すぐ燃やすのでも水に流すのでもなく、じっくり観察し、単純化せずに新しい態度で向き合うと、語りきれないほどの不思議や好奇心に出合えました。ゴミうんちという新しい概念をきっかけに、人工物のデザインも同じようにできないのかと考えた本展は、世界の循環に向き合う実験の場でもあります。決して止まることのないこの世界。欠けていたパーツがピタリとはまると、きっと新たなループが巡りはじめます。
展示の見どころ
ギャラリー 1を「糞驚異の部屋」と称し、身近なものから宇宙までを見渡してさまざまな「ゴミうんち」にまつわるものを展示します。実際にゴミになるもの、リサイクル資源、化石や貝殻、190 種類を超える土、うんちからつくられるプロダクト、実際のうんち、発酵にまつわる身近なもの、循環を示唆するもの、ミミズの生態やトイレにまつわる資料展示など、約 300 〜400 種の膨大な数の展示作品や資料を展示します。
岡崎智弘、北千住デザイン、ザック・リーバーマン、高尾俊介、TatsuyaM、デイブ・ホワイトによる映像作品はここで展示されます。
ギャラリー 2を中心に、「ゴミうんち」という新しい概念を元にリサーチした新しい循環や価値の提案、ゴミの定義を考え直すアプローチ、人間と自然の関係性を再考した作品、あまり見えてこなかった大きな循環を可視化した作品などを展示します。
井原宏蕗、小倉ヒラク、Alternative Machine、狩野佑真、佐藤 卓、清水彩香、STUDIO SWINE、竹村眞一、中山晃子、蓮沼執太、マイク・ケリー、松井利夫、山野英之、吉田勝信、吉本天地らの作品を展示します。
会場内各所に、角尾 舞によるうんちにまつわるうんちく、「うんち句」を展示します。またサンクンコートでは造園ユニットveigによる庭の展示を予定しています。
展覧会のチラシは、だれかにとっては大切な思い出になるかもしれませんが、ときにはただのゴミになってしまうかもしれません。本展ではチラシにも循環させる仕組みを与えます。必要なくなったチラシは 21_21 DESIGN SIGHT で回収され、次に必要な人のために循環します。
参加作家
井原宏蕗、veig、岡崎智弘、小倉ヒラク、Alternative Machine、狩野佑真、北千住デザイン、ザック·リーバーマン、佐藤 卓、清水彩香、STUDIO SWINE、高尾俊介、竹村眞一、TatsuyaM、角尾 舞、デイブ·ホワイト、中山晃子、蓮沼執太、マイク·ケリー、松井利夫、山野英之、吉田勝信、吉本天地、他
主 催 21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後 援 文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛 三井不動産株式会社
特別協力 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、株式会社LIFULL
協 賛 株式会社TSDO
協 力 INAXライブミュージアム
展覧会ディレクター 佐藤 卓、竹村眞一
アートディレクター 岡崎智弘
企画協力 狩野佑真、清水彩香、角尾 舞、蓮沼執太、吉本天地
会場構成 大野友資 (DOMINO ARCHITECTS)
会場グラフィック 田上亜希乃
ディレクターズ・メッセージ
ゴミはどこで生まれてどこへ行くのか。うんちはトイレで流した後、どこへ行くのか。ゴミ箱に入れ、トイレで流した後のことなど知ったこっちゃない。それどころかさっきまで身近にあり、さっきまで身体の中にあったものが身体から離れた途端、突然汚いものになってしまう。現代の「ゴミ」や「うんち」というこのような概念は、なぜ生まれたのか。そもそも「ゴミ」や「うんち」という概念で、社会のインフラがかたちづくられてしまったことが良かったのか。
日本において江戸時代までは物や排泄物の多くが循環していた。近代化によりあらゆる事が縦割りになり、そして資本主義で便利になった社会は、物事の本質から人間を遠ざけているようにも見える。このような状況が続いて、地球環境は急速に悪化していることは誰もがご存知であろう。ただ、46億年の地球の歴史を顧みると、とてつもなく大きな変化が繰り返され、そこで起きてきた奇跡的な現象が現代の科学技術により詳らになってくると、そこにこれから人類が為すべきこと、歩むべき方向のヒントが潜んでいるように感じられる。以前、21_21 DESIGN SIGHTにて開催した企画展「water」や「コメ展」でご一緒した竹村眞一さんに廃棄物の話を持ちかけると、瞬く間にうんちの話へと繋がり、必然的であるかのようにこの展覧会の開催とタイトルが、ほぼ同時に決まった。
「循環」が難しいテーマであることは重々承知の上で、常に前向きに物事を思考する竹村さんと多くのクリエイターの方々にも参加いただき、何ができるのかを探っている。どこまでのことができるのかは、正直やってみないとわからない。ただ環境問題は待った無しの状態であることは間違いないので、この企画はデザイン施設として避けて通れないと思った。難しいテーマをいかに面白くできるか。そこにもデザインが試される。
展覧会ディレクター 佐藤 卓
佐藤 卓 Taku Satoh
グラフィックデザイナー、21_21 DESIGN SIGHT ディレクター・館長。1979年東京藝術大学デザイン科卒業、81年同大学院修了。「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインをはじめ、ポスターなどのグラフィック、商品や施設のブランディング、企業のCIを中心に活動。NHK Eテレ「デザインあ」「デザインあ neo」総合指導、著書に『塑する思考』(新潮社)、『マークの本』(紀伊國屋書店)、『Just Enough Design』(Chronicle Books)など。毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章他受賞。
この星の歴史は、生命による地球OSのアップデートの歴史だ。
27億年前のシアノバクテリアによる光合成革命は、海底の地下資源に依存していたこの星の生命系に、太陽からの無尽蔵のエネルギーを利用する道を開いた「宇宙エネルギー革命」だった。いま人類はそれをソーラーパネルで不器用ながらも模倣して、石炭や石油という過去の光合成革命の遺産を食いつぶす暮らしから卒業しようとしている。
同様に私たちは、この星の「循環OS」をアップデートしうるだろうか?
自然界にはゴミもうんちも存在しない。誰かの排泄物や遺体は、ほかの誰かの資源(食べもの)としてリサイクルされる。とはいえ、この見事な循環システムも、初めから整っていたわけではない。
私たちが呼吸する酸素も、シアノバクテリアが光合成で吐きだす厄介な廃棄物だった。だが、それを有効活用する技術革新で、生命のエネルギー経済は何十倍にもアップグレードされた。現在の「酸素に満ち溢れた地球」は決してあたりまえの姿ではなく、生命による惑星大改造(テラフォーミング)の結果なのだ。
この星を「緑の惑星」に変えた陸上植物の進化も、当初は巨木が現代のプラスチックごみのように積み上がって「化石燃料」となった(ゆえに「石炭紀」と呼ばれる)。だが、やがてそれを分解する菌類が進化し、ミミズやシロアリなど多様な地球のエッセンシャルワーカーとの連携で、木や草が「土」となって循環する仕組みがつくられた。この生命による「地球のOS更新」の物語の続きを、今度は私たちが書く番だ。
人類は地球OSを変えるほどの影響力をもった唯一、初の生物ではない。だが、地球規模のOS改変を行いつつあることを「現在進行形」で認識し、その行く末を変える自由をもつ初の地球生命だ。
自らが創出した人工知能(AI)との共進化で、この星の生命系に内在する「未開の知性」を再発見してゆく旅。
自らの内外に潜む多様なアクターとのパートナーシップで、人間もあらためて人「間」へと進化しつつ、地球の循環経済をアップデートしてゆく数十年をこれから始める。
イノベーションはつねに「危機の時代」になされてきた。地球の歴史でも「酸素」や「樹木」などの廃棄物が溜まりに溜まって、仕方なくそれを循環利用する技術革新が生まれた。人類史においても、農業革命や都市革命、科学革命など「〜革命」はいつも気候変動で追い詰められた時だった。
うんちをpooploopして100万都市を運行した「江戸のエコ」も、江戸初期の高度成長による資源枯渇と環境危機へのクリエイティブな適応(=V字回復)だった。それを今度は地球規模でやる--そして、その準備はようやく整いつつある。
人間の愚かさ、未熟さを嘆くだけの、「人間中心主義」の裏返しのような「人間原罪論」の半世紀はそろそろ卒業しよう。地球OSのアップデートの歴史に連なり、その更新に参加する。多様な生命による地球共創史の文脈へと人間を解放する--。「ゴミうんち展」は、そのためのステップボードだ。
展覧会ディレクター 竹村眞一
竹村眞一 Shinichi Takemura
京都芸術大学教授、NPO法人ELP(Earth Literacy Program)代表、「触れる地球」SPHERE開発者。人類学的な視点から地球環境に関する研究・啓発活動を行い、環境教育デジタル地球儀「触れる地球/SPHERE」を企画開発(経産省グッドデザイン賞・金賞、キッズデザイン賞最優秀・内閣総理大臣賞)。東日本大震災後、政府の「復興構想会議」専門委員。国連アドバイザーとして『国連防災白書』デジタル版監修(2012 〜 2019)。東京都環境審議会委員。21_21 DESIGN SIGHT では 企画展「water」「コメ展」の企画に関わる。著書に『地球の目線』(PHP新書)、『宇宙樹』(慶應大学出版会;高校の国語教科書に収録)など。
無料ご招待券プレゼントは定員に達したため、締め切りました。ご応募どうもありがとうございました。
住所 | 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン |
TEL | 03-3475-2121 |
WEB | http://www.2121designsight.jp/ |
開館時間*1 | 10:00 〜 19:00(入場は18:30まで) |
休み*2 | 火曜日、年末年始、展示替え期間 |
ジャンル*3 | デザイン関連 |
入場料*4 | 展覧会により異なる |
アクセス*5 | 都営大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、 千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分 |
収蔵品 | 展示内容は展覧会により異なります |
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認 *5 表示時間はあくまでも目安です |
21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン 港区赤坂)
■コロナ感染拡大防止のための注意事項
展覧会より異なります。最新情報は、21_21 DESIGN SIGHTのウェブサイトをご覧ください。
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これはビックリ、都会の緑園に潜む近代建築と奇怪なデザイン、発明の数々。時は桜のシーズン、高揚感と癒しが共存する不思議な時空ですた。
都会の緑園に現れた近代建築と生命科学、まさに未来を想像させる時空を提供してくれました。