W'UP! ★2月25日〜5月14日 戸谷成雄 彫刻/〜5月7日  2022 MOMASコレクション 第4期 埼玉県立近代美術館

 

2023年2月25日(土)〜5月14日(日)
戸谷成雄 彫刻

 日本の現代美術を代表する彫刻家・戸谷成雄は愛知県立芸術大学で彫刻を専攻したのち、1970年代より本格的な活動を開始しました。彫刻というジャンルが批判や解体にさらされていく同時代の美術潮流のなかで、戸谷は彫刻の起源や古今東西の彫刻表現を探究し、彫刻とは何かを問い続けました。木材の表面をチェーンソーで彫り刻む「森」シリーズの発表を機に80年代から国内外で高く評価され、ヴェネチア・ビエンナーレ(1988 年)をはじめ数多くの国際展に参加してきました。90 年代より「《境界》から」、「ミニマルバロック」シリーズ、2000年代より「洞穴体」シリーズ、近年には「視線体」シリーズなど優れた作品を手がけ、精力的な活動を続けています。
 本展では「森」シリーズなど代表作を含む約40点によって、半世紀にわたる実践を振り返り ます。さらに「森」に至るまでの初期の模索にも焦点を当て、初公開となる卒業制作の人体彫 刻や資料類をあわせて紹介し、戸谷成雄の創作の原点を検証します。

長方形のコンクリート製に見える四角い箱が4つ並んでいる作品
《POMPEII..79 Part1》1974/1987年
撮影:山本糾 © Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

本展の見どころ

1 作家の活動拠点・埼玉県における初の美術館個展
 戸谷成雄は1998年に埼玉県秩父郡にアトリエを構え、本県を拠点に制作を行ってきました。都道府県立の公立美術館としては約20年ぶりの個展となる本展は、作家の出身地である長野県と、制作拠点の埼玉県の県立美術館による共同開催となります。

木の大きな長方形の箱をチェンソーで細かく切り刻んで溝をつけた作品
《森の象の窯の死》1989 年 東京都現代美術館蔵 撮影:山本糾 © Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts
四角い大きな板にレリーフのように彫刻された作品4点
《洞穴体Ⅲ》2010年 撮影:武藤滋生 ©Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts
大きな四角い箱の表面は、ぎっしりとマス目の線が刻まれ中央下から上3分の1ほどの高さまで細く抜けて中がのぞける作品
《洞穴体Ⅴ》2011年 撮影:山本糾 画像提供:武蔵野美術大学 美術館・図書館
木がうねるように削られている彫刻作品
《視線体ー連》2020年 撮影:怡土鉄夫 ©Shigeo Toya Courtesy of KENJI TAKI GALLERY

2 日本を代表する彫刻家・戸谷成雄の代表作を網羅
 本展では1974年の初個展で発表された《POMPEII..79 Part1》の再制作のほか、「森」、「ミニマルバロック」「視線体」などの代表的なシリーズをまとめて紹介しています。学生時代の彫刻作品から近年の最新シリーズまで、約40点が展示されます。

抽象的なトーテムポールのような木の彫刻が30本、会場に規則正しく配置されている作品
《森IX》2008年 ベルナール・ビュフェ美術館蔵 撮影:山本糾 画像提供:武蔵野美術大学 美術館・図書館

3 埼玉会場だけで見られる初期の貴重な作品群
 戸谷成雄は、愛知県立芸術大学で彫刻を専攻しました。埼玉会場では、卒業制作として発表された2点の人体彫刻《男I 斜面の男》、《器III》をまとめてご覧いただけます。さらに、1983年に戸谷が作品の一部を燃やしたパフォーマンスから派生した彫刻作品「地下の部屋」も、約40年ぶりに公開されます。

ギャラリーでの展示作品
《地下の部屋》1984年 撮影:山本糾 © Shigeo Toya Courtesy of ShugoArts

戸谷成雄(とや・しげお)
 1947年、長野県上水内郡小川村生まれ。1975年、愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。初個展「POMPEII..79」(1974年)以降、同時代の美術潮流のなかで解体されていった「彫刻」というジャンルの再構築を試み、その根源的な成り立ちや構造を問う作品を発表する。1984年より制作をはじめた「森」シリーズによって高い評価を得る。主な個展に、「視線の森」(広島市現代美術館、1995年)、「戸谷成雄 森の襞の行方」(愛知県美術館、2003年)、「戸谷成雄 洞穴の記憶」(ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「戸谷成雄―現れる彫刻」(2016年、武蔵野美術大学美術館・博物館)など。ヴェネチア・ビエンナーレ(1988年)、光州ビエンナーレ(2000 年/アジア賞受賞)をはじめ多くの国際展に参加。2009年、紫綬褒章受章。武蔵野美術大学彫刻科名誉教授。

戸谷成雄 彫刻
会 期 2023年2月25日(土)〜5月14日(日)
休館日 月曜日(5月1日は開館)
開館時間 10:00〜17:30(展示室への入場は17:00まで)
観覧料 一般1200円(960円)大高生960円(770円)
・( )内は20名以上の団体料金
・中学生以下と障害者手帳をご提示の方(付き添い1名を含む)は無料です。
※対象となる障害者の方及び必要書類については、埼玉県障害者福祉推進課のホームページ(障害者の利用に係る公の施設の使用料及び利用料金の減免に関する条例)でご確認ください。
※企画展・MOMAS コレクション入場時に確認いたしますので、各手帳又は証書をお持ちの方は、ご持参ください。
・企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、あわせてMOMASコレクション(1階展示室)もご覧いただけます。
主 催 埼玉県立近代美術館、戸谷成雄展実行委員会
協 力 シュウゴアーツ、ケンジタキギャラリー
広報協力 JR東日本大宮支社、FM NACK5

関連イベント
対談 戸谷成雄(彫刻家)×建畠晢(当館館長)
日時 2023年3月12日(日)14:00〜15:30(開場は13:30)
場所 埼玉県立近代美術館 2 階講堂
定員 60名(申込不要、先着順)
料金 無料

担当学芸員の作品解説会
日時 2023年2月26日(日)14:00~15:30(開場は13:30)
場所 埼玉県立近代美術館 2階講堂
定員 60名(申込不要、先着順)
料金 無料

スライド・トーク
ご希望のグループにスライドを使って展覧会の見どころをご案内します(予約制)。
お問い合わせ、ご予約は教育・広報担当(問い合わせ先:048-824-0110)まで。

コレクション展ポスター画像

2023年3月4日(土)~5月7日(日)
2022 MOMASコレクション 第4期

倉田白羊と森田恒友

 同じ年に生まれ、親交のあった埼玉ゆかりの画家・倉田白羊(1881-1938)と森田恒友(1881-1933)。ふたりの画業と交友の足跡を、作品や資料を通して紹介します。

戦前の家の情景、石垣が立派な家屋の油絵
倉田白羊《石塀》1927-31年頃

奥原晴湖/菊沢武江
南画家、奥原晴湖(前期展示)と日本画家、菊沢武江(後期展示)。埼玉ゆかりの画家をそれぞれ紹介します。

岩陰にうさぎが二兎いる情景を描いた日本画
菊沢武江《みやまの春》1930年(後期展示)

セレクション モネほか、MOMASコレクションの名品を紹介します。

モネ作品。夕暮れのヒロイ畑の刈り取った後の風景。2軒の藁積みの家が夕日に照らされている
クロード・モネ《ジヴェルニーの積みわら、夕日》1888−89年

会 期 2023年3月4日(土)〜5月7日(日)
※会期中に一部展示替えがあります。
 前期 3月26日(日)まで
 後期 3月28日(火)から
休館日 月曜日(5月1日は開館)
開館時間 10:00~17:30(入場は17:00まで)
会 場 1階展示室
観覧料 一般200円(120円)、大高生100円(60円)
※( ) 内は団体20名以上の料金です。
※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※企画展観覧券(ぐるっとパスを除く)をお持ちの方は、併せてMOMASコレクションもご覧になれます(各企画展会期中のみ)

住所埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
TEL048-824-0111
WEBhttps://pref.spec.ed.jp/momas/
開館時間10:00~17:30 (展示室への入場は17:00まで)
休み*1月曜日(祝日または県民の日の場合は開館) 年末年始、メンテナンス日
ジャンル近代美術、現代美術、日本画、彫刻、工芸
入場料入館料:無料。 MOMASコレクション:一般200円(120円)、大高生100円(60円)。 企画展:展覧会ごとに定めます。 ※( ) 内は団体20名以上の料金です。 ※中学生以下、障害者手帳をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
アクセスJR北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内)
収蔵品https://pref.spec.ed.jp/momas/%E5%8F%8E%E8%94%B5%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B

*1 このほかにも臨時休館する場合あり

埼玉県立近代美術館

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