W'UP★9月30日~11月11日 奏でる家にて、昨日が手を振る ZEIT-FOTO(国立市)

W'UP★9月30日~11月11日 奏でる家にて、昨日が手を振る ZEIT-FOTO(国立市)

Permanent Room 1998 ©︎Midori Mitamura

2023年9月30日(土)~11月11日(土)
奏でる家にて、昨日が手を振る

 9月30日より、国立市のZEIT-FOTO (ツァイト・フォト)とmuseum shop Tの2ヶ所で三田村光土里展が開催されます。それぞれの会期と営業日にご注意ください。
 また、東京駅グランルーフガーデンでは、東京ビエンナーレのプログラム、TOKYO ART FARMのイヴェントとして、誰でも参加できるArt & Breakfast Meetingが10月14-15日と11月3日に開催されます。

奏でる家にて、昨日が手を振る
会 期
 2023年9月30日(土)~11月11日(土)
営業日 金・土曜日および10月1日(日)、10月8日(日)、10月9日(祝)、10月15日(日)
時 間 11:00~18:00 
※金曜日のみ15:00~20:00
※火・水・木曜日は予約制
会 場 ZEIT-FOTO(東京都国立市中2丁目2233
ホームページ https://www.zeit-foto.com/
Tel/Fax 042-505-8838 
オープニングレセプション 10月1日(日)17:00~
アクセス R中央線国立駅から徒歩約20分。JR南武線矢川駅から徒歩約15分

公開制作 ファウンドローイング- 
9月30日(土)~10月15日(日)
 石原邸に遺されたレコードや古い写真アルバムを元にした新作ドローイングを公開制作します。
トークイベント「部屋の中へ」 
10月14日(土)15:00~16:30
三田村 光土里  x  神山 亮子(府中市美術館 学芸員)
参加費 1000円(予約制)
メールにて、ご予約ください。
e-mai zf@zeit-foto.com
アフタートーク「奏でる家の記憶の食卓」
10月14日(土)17:30~19:30 
それぞれの記憶の中にある懐かしい家庭料理を再現し、作家と共にみなさんで昭和を感じさせる食卓を囲みます。
参加費 2000円(予約制)
※ご予約時に[ 記憶のおかず ]一品をお知らせください。希望の多かった人気のおかずを楽しみます。
メールにて、ご予約ください。
e-mail zf@zeit-foto.com

 三田村 光土里は1990年代初頭、自身や家族の古い写真を素材とした立体作品を制作し始め、部屋や家を題材にしたインスタレーションを発表してきました。
 今回の『奏でる家にて、昨日が手を振る』では、それらの造形作品を、故・石原悦郎の私邸であるツァイト・フォトにおいて再構成するとともに、石原邸に遺されたレコードや古い写真アルバムを元にした新作ドローイングを公開制作します。昭和の高度成長期を経た二つの無縁なはずの家の記憶が、そこに在った人の営みを追想するとともに、平行する人生の時間が交差し出会う、未来の風景として現れます。
 幼い頃、父母と兄、姉、私の五人家族が暮らした小さな平屋の家。物心ついてからの記憶は、8歳上の姉が練習するピ アノの音と、家に帰りたくて保育園で抵抗する毎日で始まる。会話も給食もトイレまでも拒否し、母親が迎えに来るのを 待って一日中泣き暮らす、そんな幼い世捨て人のような生活が卒園まで続いた。
 11歳上の兄は、中学の頃から物置小屋を改築した離れに住まわされていたが、それでも手狭になった我が家は近所に家を新築することにした。私は10歳になり、家では毎日、姉が音大受験のために猛練習するベートーヴェンのピアノソナタが鳴り響いていた。
 1970年代前半、家に集められた住宅建築の雑誌には鉄筋コンクリートのモダンな邸宅が輝いていて、ページを繰り返 し眺めては、こんな家に住むのだろうかと、子供ながらに遠くの誰かの洗練された住まいに魅了された。
 完成した家は雑誌のイメージとはかなり違う日本家屋だったものの、一人で目覚める部屋や姉のグランドピアノが聴こえる家は、以前とは見違える暮らしに思えた。
 古い家は貸家にしていたが、数年前に空き家となってからは私の作品倉庫と化した。大人になって初めて足を踏み入れると、アップライトのピアノや勉強机が並んでいた部屋のなんと小さなことか。東京に出て現代美術に目覚めてから、この家で寝た二段ベッドや本棚を引っ張り出して、そこに幼い自分や家族の写真を施して作品にした。それらを数十年ぶりに運んで戻すと、過去に生きていた私たち家族が造形物に姿を変えて還ってきたような不思議な光景が現れた。
 初めて石原邸を訪れたとき、まさにあの建築雑誌の中の世界に再会したような気がした。1968年に建てられたという邸宅には、石原氏が蒐集したクラシックのレコード盤が遺され、主人亡き後も時々その音が奏でられる。国立(くにたち)の瀟洒な住宅街にこの家が建ったばかりの頃、名古屋郊外の保育園では一人の女児が帰宅を訴え、日がな一日泣き続けていたのだ。家に帰り、飽きることなく絵を描くのだけを悦びに。
 今ここに、奏でる家から奏でる家へ、遠い記憶の像を纏った作品たちを招き入れ戯れさせてみよう。遠足の集合写真に 並ぶ不機嫌な園児の私が、未来に住む私を不安げな目で睨んでいる。なんて遠くまで来てしまったのかと。
 人生は短かくとも一瞬は永遠にそこに在るように、奏でる家で、昨日が手を振っている。
 三田村 光土里

MEGI Fab
2023年9月30日(土)~10月15日(日)
museum shop T
OPEN
 2023年9月30日(土)~10月15日(日)月曜・火曜定休 12:00~19:00
※10月9日は祝日営業いたします
※作家在廊日はSNS、HPにてお知らせします
museum shop T https://t-museumshop.com/2023/09/13/megi-fab/

 MEGI Fab(メギファブ)は、瀬戸内国際芸術祭のアートプロジェクト、《女木島名店街》の作品として、三田村光土里がデザインする女木(MEGI)島発のファブリック(Fab)ブランドです。2022年、女木島の築150年の古民家にMEGI Fabはオープンしました。三田村が撮影した女木島の風景から生まれる布地やオリジナル・グッズは、手にする人々が旅の景色を日常に持ち帰り、生活に取り入れることを目指しています。
 この度、東京国立市のmuseum shop Tでは、ファブリックの展示とともに、オリジナルグッズも販売いたします。女木島でしか買えなかったMEGI Fabを手にとってご覧ください。

TOKYO ART FARM 
Tokyo Biennale 2023
X
Art & Breakfast
 東京ビエンナーレのプログラム、TOKYO ART FARMの会場の一つ、東京グランルーフにて、Art & Breakfast Meeting が開催されます。
日程 10/14(土),15(日),11/3(祝)
時間 10:00~12:00くらいまで
場所 東京駅グランルーフガーデン(グランスタ八重洲2F)
参加費 無料 
定員 50名 予約不要
※三田村光土里 参加予定 11月3日 
※各自お好きな朝食を持ち寄って、水源の森の間伐材からつくられた22mのLONG TABLEに集まり、隣の方とアートや食、農の未来について自由にお話しください。
TOKYO ART FARM / Tokyo Biennale 2023サイト https://tokyobiennale.jp/tb2023/linkage/tokyo-art-farm/?lang=ja&fbclid=IwAR1CQ2ERfy3zYiBA-KTiixfm9kndFrs0dfbRNfGtUR83ndp4mwvjhs9wtCA
 Art & Breakfast Meetingは、美術作家・三田村光土里がはじめた、誰もが開催者となり、世界中のアーティストやアートスペースのオープン・スタジオ、エキシビション、アートイベント、ワークショップなどと連動し、朝食を通してビジターとアートの場を共有するプロジェクトです。朝食という親密な行為を通してアートやアーティストと関わることで、通常の展覧会やイベントとは違う、新鮮なコミュニケーションや繋がりを体験できます。このプロジェクトは、アーティストの自由なプレゼンテーションやコミュニケーションの場を提供しながら、パーソナルなコミュニケーションを通して人々とアートを近づけることを目的としています。

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

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