【Aohitokun's Thoughts】緊急事態宣言とベネチアビエンナーレ

【Aohitokun's Thoughts】緊急事態宣言とベネチアビエンナーレ

 1月7日、2回めの緊急事態宣言が発出されて、また都会は静かになりましたが、昨年3月ほどの効果はないようです。前回、スーパーでトイレットペーパーやお米の棚は、一ヶ月くらいもぬけの殻でしたが、今回は、山盛りです。六本木、表参道も前回は、ひとっこ一人見かけませんでしたが、今回は、けっこう人が歩いています。

 しかしながら、いくつかのギャラリーや大きな展覧会も、この緊急事態宣言の煽りをうけて、延期になったり中止になったりとたいへんな様子も見受けられます。当サイトでも延期、中止などの修正を迅速に対応させてもらっています。みなさまには心よりお見舞い申し上げます。

 未来真っ暗な気持ちになってしまう今日この頃ですが、いいこともあると正常バイアスかけましょう。

 風邪を引かなくなった。都心の空気がきれいで気持ちいい。都心は騒音が少なくなった。人混みがなくなり歩きやすい。通勤圏の衛星都市は、地元で買い物をするようになって少しは潤う?

 しかしながら、近郊の街では、地元で買い物をするため混雑し、車も増えたといいます。うまくいきませんね。

 ところで死亡者数は減っているそうです。例えば、1回めの緊急事態宣言がでた、2020年1-4月の死亡者数は、前年同期から2.1%減少したといいます。

※今年(2020年)4月に新型コロナが蔓延したが、死亡者数は前年同月と大差なし—厚労省 (GemMed | データが拓く新時代医療 https://gemmed.ghc-j.com/?p=34726

 ちなみに、2019年の日本人の死亡者数は、138万1098人。それに反して出生数は、86万5234人。その差、約50万人減、2年で100万人強、政令市政都市一つがなくなる。来年は、仙台市(約106万人)が消滅するというくらいなのです。

※人口動態統計速報(厚労省)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2020/dl/202004.pdf

 コロナも確かに怖い病気ですが、日本はほっといても危ないのは明らかなのではないでしょうか?

 ・・・とここまで書いて、コロナで亡くなった人もいるのに不謹慎だ!と考えてしまいました。もしお気を悪くされた方がいらっしゃったら、お許しください。

 そんなことで話題はアートに。

 市原研太郎氏のコラム「【The Evangelist of Contemporary Art】グローバル・アート・リサーチ — コロナ禍後を見通すためにアートマーケットの直近の歴史(2007年~2017年)を押さえておこう」(前・中・後編)に触発されて、2017年、ドイツ、イタリアへパフォーマンスツアーへ行った際、第57回 ベネチア・ビエンナーレに訪れたので、当時の写真をアップしたくなりました。

 ベネチア・ビエンナーレでは、世界中の国から、現代アートを持ち込んで、これでもか!と競いあっていて圧倒されました。キリバス、アンゴラ、マルタ、アンドラ、コソボ、ツバルなど小さな国も素晴らしい作品を出品していました。そんな中、中国、韓国、東アジアの作家にあって、日本人アーティストはとても少なかった印象です。

 大きな会場は、日本館だけ。街中のサテライト展で3人ほどしか確認できず、それも小さな作品が一人数点だけでした。これも今の国力を反映しているのか、日本人のアートに対する興味のなさか、と考えさせられました。もちろん知らずに見逃しているだけかもしれませんが。

 本展以外でも、ベネチアの街中の小さなスペースでもいろいろな企画展が開催されていて、どこもちゃんと行政や企業のバックアップがあったりします。政治的やエロティックなものでもそれはそれでちゃんとサポートはある。でもベネチア駅前では、ちゃんと?ワクチンの児童への強制接種反対のデモはやってました。ワクチンの9種強制接種を13種までに引き上げることに対する抗議でした。ちなみに子宮頸がんワクチンは含まれていませんでした。

 確かに、カッセル・ドキュメンタでは、主催者のお金にまつわる醜聞も耳にしましたが、アートのいいところのひとつは、どんなテーマでも、まず俎上にあげて議論できる、ということではないでしょうか。議論ができてなんぼ。それがアートのすべてではないですが、アートのエッセンシャル(生活に必要不可欠)なところだと思っています。どこかのトリエンナーレのようなことはない???

 下の作品は、メイン会場のひとつ、ジャルディーノ会場でオーストリア館に出品していたArwin Wurm氏の作品です。くすっと笑わせるので人気がありました。キャンピングカーや日用品などに、子供の落書きのような小さな書き込みがしてあって、鑑賞者に、それを真似てみて、というメッセージのように思えます。でも誰もマネはしていませんでした。

 悩みますよね、もしマネしたら逮捕されるとか、壊れたら、えらい損害賠償を払わされるかもしれないとか、、、。作品のタイトルは、そんな戸惑う鑑賞者の気持ちを見越しているようで秀逸です!『ただただ、一般的な美徳と悪徳について』(Just about Virtues andVices in General 筆者意訳)

Arwin Wurm, Just about Virtues and Vices in General,2016/2017

 オーストリア館のもう一人、ネオンサインを使ったアーティスト・Brigitte Kowanzが出品。彼女の作品は、IPアドレスの様なデジタル語が組み込まれているようです?

オーストリア館 http://www.12.03.1989 06.08.1991 Brigitte Kowanz

 日本館の出品作家、岩崎貴宏氏の「逆さにすれば、森」。厳島神社?の木彫細工をメインにあしらい、鑑賞者たちに、床下から展示室を覗く仕掛けになっていた。視点・視覚=価値観を問いかけるというのが、作家のメッセージだと自分は受け取りました。

下から覗くために並ぶ鑑賞者たち
韓国館 "VENETIAN RHAPSODY" CODY CHOI 2017
英国館 Phyllida Barlow
英国館 Phyllida Barlow
フィリピン館(アーセナル会場) Lani Maestro and Manuel Ocampo
フィリピン館(アーセナル会場) Lani Maestro and Manuel Ocampo
チェコ館 Jana Zelibska

 などなど、展覧会が、ヴェネチアほか近郊都市でも、たくさんあって1週間あっても見切れないほど。写真もたくさん撮ったのですが、これぐらいにしておきます。

とある教会内を使ったインスタレーション
ベネチアはやはり魅力的なところです

 最後に、ドイツ、ベネチアでやったあおひと君ストリートパフォーマンスです。ベネチアでは、3回ほど警察沙汰になりそうでした。スミマセン!ドイツでは、軍隊から警察から、みんな楽しんでくれてました。

(文・写真 あおひと君 地球代理人 関根かんじ 訳)

■ダイジェスト(1分)撮影:世利之

■フルバージョン(48分)撮影:世利之

Aohitokun
あおひと星人
青二才、青色再生委員会の下級事務官だったが、趣味の星空観測で偶然、青く輝く地球を発見。急遽、枯渇しそうな彼らのエネルギー源のスーパーブルー探査ミッションを命じられ、山梨県青木ヶ原に着陸。あおひと星人は、スーパーブルーの次に感動がエネルギーになるため、アートには少しうるさい。日々、探査ミッションで疲れ、ホームシックになる気持ちを地球のアートで癒す日々が続いている。なお本ブログは、当サイト主宰の関根が翻訳担当だ。https://youtu.be/sDvKr_HYOaE

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