W'UP★10月11日~10月26日 山田美優個展「Nowhere Land」 biscuit gallery(新宿区新宿)

山田美優個展「Nowhere Land」
会 期 2025年10月11日(土)~10月26日(日)
会 場 biscuit gallery(東京都新宿区新宿3丁目32-10 8階)
開館時間 12:00〜19:00
休館日 月曜、火曜
入場料 無料
ホームページ https://biscuitgallery.com/
前回の個展から2年ぶりとなる本展では、biscuit gallery移転後初となる新宿スペースでの展覧会です。
見る視点によって正解が変わるし、ひとつに定まらない。その揺れの中でこそ、私自身の感覚や作品は立ち上がってくるように思います。
都内に住まいを移してから、静かな落ち着きを感じる場所を求めるようになりました。昨年の旅の中でもそれを探していたことにも気づきました。アメリカにあるシャスタを訪れ、その風景から影響を受けて描いた作品もありますが、特定の地名や場所に意味を託したいわけではありません。むしろ「シャスタのような心安らげる場所」が心のどこかにあるならば、人は何事にも立ち向かえるのではないか。そんな実感を抱いています。
他者と自分との境界はときに曖昧で、安堵や不安、恐怖を同時に抱え込みます。けれども、それらを皮肉でも否定でもなく、あたたかさとしてまとめあげたいと考えています。
作品を作ることは、いつも生活の外にあるのではなく、むしろ生活と拮抗することでその意味を持ちます。私たちの生活は社会から完全に離れることはできません。畑の土が区画を越えてつながっているように、私もまた社会に編み込まれています。過度な繋がりと孤立が同時に起きている現代社会、比較や視線にさらされる都市生活において、孤立に傾きながらも社会に包まれざるをえない状態の中で、どのくらい距離を保ち、どのように関わるかが常に問われているのです。
作品をつくることは、しばしば社会へのメッセージだと解釈されます。けれど私にとってそれは、特定の誰かに宛てたような、手紙や葉書に近いものです。小さな声や思いを残すことで、まだ見ぬ誰かに届くことを願っています。
山田美優
山田 美優 Miyu Yamada
1994年 東京都出身
青山学院大学法学部卒業
時代や社会の流れの狭間に生きる者を投影した作品を制作する。現代⼈の持つ独特の浮遊感、つかみどころのなさといったものを捉え、都市と自然の中間的存在として砂状の素材を用いている。
ドローイングを元に線を盛り上げて描くシリーズとパステルを用いた作品を展開する。
登場する生きものたちは、目まぐるしく変化する時代と交錯した社会を見つめる自分自身であると同時に、鑑賞者自身として描き出される。
biscuit gallery
biscuit gallery は、常に先鋭的なアプローチで現代アートの新たな可能性を提示するギャラリーです。今回の新宿移転は、さらなる表現の自由と革新を追求するための新たなスタート地点となります。新たな空間で、アートと都市文化の融合が生み出す新しい刺激をぜひご体験ください。



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