W'UP! ★10月19日~2025年1月13日 かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還 市原湖畔美術館(千葉県市原市)

W'UP! ★10月19日~2025年1月13日 かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還 市原湖畔美術館(千葉県市原市)
参考画像《OROCHI(大蛇)》展示風景、北アルプス国際芸術祭、2021
 

かみがつくる宇宙―ミクロとマクロの往還
会 場 市原湖畔美術館(千葉県市原市不入75-1)
会 期 2024年10月19日(土)~2025年1月13日(月・祝)
開館時間 平日 10:00~17:00 土曜・祝前日 9:30~19:00 日曜・祝日 9:30~18:00
※最終入館は閉館時間30分前まで
休 館 月曜日(祝日の場合は翌平日)年末年始(12月29日~1月3日)
料 金 一般 1,000(800)円、大高生・65歳以上 800(600)円
※()内は20名以上の団体料金。※中学生以下無料・障害者手帳をお持ちの方(または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示)とその介添者(1名)は無料
ホームページ https://lsm-ichihara.jp/
主 催 市原湖畔美術館[指定管理者(株)アートフロントギャラリー]
協 力 公益財団法人 紙の博物館
お問合せ 市原湖畔美術館 TEL:0436-98-1525

紙による表現の可能性を探求する3人の女性アーティストたち布施知子、安部典子、柴田あゆみ
 最も身近でありながら、無限の造形の可能性をもつ「神」のような素材―「紙」。紙はまた、古来、人々がさまざまな思いを託す神が宿る「依り代」でもありました。本展では、従来の紙のイメージをくつがえす独創的な技法を展開し、「折り紙」、「彫刻」、「切り絵」とそれぞれ紙への異なるアプローチを探求する3人の女性アーティストの作品世界を展観します。
 「ユニット折り」を世界的に広め、「無限折り」をはじめ、従来の折り紙の概念を変え、今まで誰も見たことない世界を切り拓いてきた世界的折り紙作家・布施知子。何百枚、何千枚という紙を一枚ずつフリーハンドで切り重ね、切り込むことで、紙による彫刻表現の可能性を探求し、インスタレーションとしての展開も精力的に行う安部典子。圧倒的な超絶技巧と光の陰影によって、手のひらサイズから存在全体をすっぽりと包みこむような大型作品まで自在に変化する作品世界を展開する気鋭の作家・柴田あゆみ。三者三様、それぞれが創りだすミクロとマクロの宇宙をご堪能ください。

展覧会の見どころ
 命を吹き込まれた折り紙たちユニット折り紙のパイオニアとして世界的に知られ、さまざまな技法による「ORIGAMI ART」の道を独自に切り拓いてきた布施知子。本展では《むくむくとねじねじ》と題したインスタレーション作品を制作します。まるで命を持った生き物のように地上から伸びる「むくむく」と、身体を捻じ曲げるように横たわる300本の「ねじねじ」たち。折り紙から生まれる不思議でダイナミックな生命の世界が展開します。

 何層にも重なる紙を切り抜くカッティングが縦横に位置し、安部は新作となる《White Night》(白夜)をインスタレーションします。無数の紙が地層のように積み重なりゆるやかな起伏を表現した本作は、まるで宇宙から地球を眺めているようです。作品を照らす明かりは、特殊照明作家・市川平が手掛け、紙がつくりだす宇宙がひろがります。

 切り絵が織りなす繊細かつ壮大なインスタレーション柴田あゆみは、当館9メートルの吹き抜けに《いのちの詩》をインスタレーションします。まるで糸で編み込まれたレースのような繊細さを感じさせる切り絵が、光と共に軽やかに天から降り注ぎます。本展では大型作品《あまのいわとひらき》と《羽衣》も展示。切り絵がうみだす神秘的な空間が紙のあらたな側面を映し出します。

作家紹介 
布施知子
 1951年新潟県長岡市(与板地域)生まれ。長野県大町市在住。千葉大学園芸学部卒業。折り紙との出会いは、小学2年生の時に病気で長期入院していた際、父親が折り紙の本を買ってくれたのがきっかけ。薬の包み紙を折ることに熱中したという。パーツを組み合わせてつくる「ユニット折り」の第一人者であり、「無限折り」「螺旋」「コイル折り」 など独自に開発した折による作品は、世界的に高い評価を受ける。工04業製品も手掛け、その作品は数学教育の世界からも注目を集める。著書が多言語に翻訳されるなど、国内外で多方面に活躍する世界的折り紙作家。
主な展覧会に「Unit and Spiral」展(ドイツ、バウハウス、デッサウ、2004)、「Space folds(スペースフォールズ)」展(Schafhof - European Art Forum Upper Bavariaドイツ、ブライジング、2015)、「ORIGAMI布施知子の世界OROCHI in長岡」(アオーレ長岡、2023)がある。「北アルプス国際芸術祭」(2017、2021)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2022、2024)にも出展。

ポートレイト

安部典子
 1967年埼玉県生まれ、埼玉県深谷市在住。1990年武蔵野美術大学油絵学科卒業。2004年から15年間ニューヨークにて活動。1999年より「Linear-Actions」と題した手作業でカットした数千枚の紙を重ね、一枚一枚の紙の高低差を生かして立体的な地層を生み出し、自然と人間と時間の関わりを具現化する「カッティングプロジェクト」を開始。また本や新聞といった既存のメディアにカッターの刃を入Photo by Mario la Porta Photo by David Broda 05れ、独特の解釈を交えながら表現していく「Book Cuttings」というシリーズで知られる。2017年より教科書やノートブックを使った「濾過され(ない)内省」という小、中学生とのワークショップを日本、シンガポール、中国で実施。以来継続して取り組んでいる。
主な展覧会に「層–Layering Void」(AOA:87ギャラリー、ベルリン、2024)、「In the Room-横顔のエロシェンコ-」(中村屋サロン美術館、2022)、「PAPER:かみと現代美術」(熊本市現代美術館、2022)、「影と共時性」(MAHO KUBOTA GALLERY、 2020)、吉岡徳仁ディレクション「セカンドネイチャー」(21_21DESIGN SIGHT、2008)などがある。また、主な受賞にAICA—USA(国際美術評論家連盟全米支部)展覧会アワード2011(個展「キル-Artist Books 2009− 2010」)、日産アートアワード2013(ファイナリスト)がある。

ポートレイト

柴田あゆみ
 神奈川県横浜市出身。2007年、音楽活動を断って渡ったニューヨークで、教会のステンドグラスの美しさに出会い、切り絵を独自に始める。ナショナルアカデミースクールにて版画とミクストメディアを習得。2015年よりパリに移り、パリ市運営のアトリエ59リボリにて2年間の展示と制作活動を行う。パリ滞在中、フランス最大のペーパーアーキテクト会社より後援を受け、4メートル四方の大型作品の展示やフランス老舗ブランド、repetto本店にて特別展示。
主な展示に、ドイツ国際ペーパーアートトリエンナーレ(2018)、世界工芸トリエンナーレ(金沢21世紀美術館、2019)、「切り絵 柴田あゆみの世界 巡るいのちの“Roots”」(富士川・切り絵の森美術館、2020)、「大地のうた」(丸の内KITTE他、2022)、「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展(東京都現代美術館、2023)などがある。2022年より、継続して森山良子氏コンサートツアーの舞台美術を、制作・監修。

ポートレイト

関連イベント
ワークショップ①「ねじねじ」折り紙をつくろう
展示作品である「ねじねじ」を折ってつくるワークショップ。身近な折り紙を用いて、布施独自の折り方を学びます。
日時 11月23日(土)13:00~15:00
場所 当館多目的ホール講師:布施知子
対象 小学3年生以上定員:20名
参加費 1000円(入館料別途)

ワークショップ②「線でみつける―カッティング・ドローイング」
これまで作家が小中学校の出張ワークショップで実施してきたプログラムを一般向けに開催。ノートブックにドローイング(線を描き)し、それをカッティングして立体的な作品をつくります。
日時 11月30日(土)13:00~15:00
場所 当館多目的ホール
講師 安部典子対象:小学5年生以上定員:20名
参加費 1000円(入館料別途)

※各ワークショップには市原湖畔美術館メンバーズ限定の割引があります。詳細はHPをご覧ください。

イベント「湖畔とピクニックとマルシェ」
 毎月第4土曜日に美術館広場で開催しているピクニックができるマルシェ。10月は本展に合わせて、地元の旬な食べ物の他、個性的な紙やステーショナリーなどが並びます。
日時 10月26日(土)
時間 10:00~15:00
場所 美術館前広場
共催 千の風パレード

2024年度第3回
銅版画を知る―深沢幸雄の作品からみる技法と表現
2024年10月1日(火)~2025年1月13日(月・祝)

 深沢は、1949年に東京美術学校(現東京藝術大学)を卒業後、1950年に市原市鶴舞へ移住し、そこにアトリエを構え精力的に制作していた市原市にゆかりある作家です。
本展では、深沢の銅版画21点と実際に制作のために使用していた工具や銅版を公開いたします。銅版画の多種多様な技法に焦点を充てることで深まる、深沢の作品変遷をお楽しみください。
詳細はこちら https://lsm-ichihara.jp/collection/%e9%8a%85%e7%89%88%e7%94%bb%e3%82%92%e7%9f%a5%e3%82%8b%e2%80%95%e6%b7%b1%e6%b2%a2%e5%b9%b8%e9%9b%84%e3%81%ae%e4%bd%9c%e5%93%81%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%bf%e3%82%8b%e6%8a%80%e6%b3%95%e3%81%a8%e8%a1%a8/

住所千葉県市原市不入 75-1
TEL0436-98-1525
WEBhttps://lsm-ichihara.jp/
開館時間*1平日:10:00~17:00、土曜・祝前日 9:30~19:00 日曜・祝日 9:30~18:00 ※最終入館は閉館時間の30分前まで
休み*2月(休日の場合は翌平日)、年末年始休館 12/281/3
ジャンル*3現代美術
入場料*4展覧会により異なります
アクセス*5小湊鉄道高滝駅より徒歩20分
収蔵品市原湖畔美術館には、企画展示室の他、常設展示室がある。常設展示室では、年に4回の展示の入れ替えを行い、市原市収蔵作品の中から、銅版画家・深沢幸雄の作品を中心に展示を行っている。※市原湖畔美術館は、約500点の深沢作品を所蔵する国内では有数の美術館です。
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認*5 表示時間はあくまでも目安です

市原湖畔美術館

市原湖畔美術館 撮影:遠藤匡

情報掲載について

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