W'UP! ★3月23日~6月23日 「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」 市原湖畔美術館(千葉県市原市)

W'UP! ★3月23日~6月23日 「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」 市原湖畔美術館(千葉県市原市)

2024年3月23日(土)~6月23日(日)
「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」

アートを通じて<わたし>と世界が交差する
 遥か3万年前、イヴの子孫たちが海を渡りたどり着いて以来、日本列島はさまざまな形で民族の移動、グローバリゼーションを経験してきました。千葉県の中央に位置する市原市もまた、全国・世界から移り住んだ数多くの人々を受け入れ、人口の50人にひとりが海外にルーツを持っています。企画展「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」は、市原に暮らす多様な民族的バックグラウンドをもつ人々が共に生きる社会を希求するプロジェクトです。彼らの母国から招いた4人のアーティストたちが、ワークショップやリサーチ、インタビューを通してうみだす作品は、それぞれの国の歴史・文化・風土、そしてこの地で暮らす人々の人生や思いに光を当て、私たちの想像力をひらいていくことでしょう。本展が多文化共生社会に向けて、世界と<わたし>がつながる契機となることを願っています。

出展作家 ディン·Q·レ(ベトナム)、リーロイ·ニュー(フィリピン)、リュウ·イ(中国)、チョ·ウンピル(韓国)

「ICHIHARA×ART×CONNECTIONS-交差する世界とわたし」
会 期 2024年3月23日(土)〜6月23日(日)
会 場 市原湖畔美術館(千葉県市原市不入 75-1)
開館時間 平日 10:00〜17:00 土曜・祝前日 9:30〜19:00 日曜・祝日 9:30〜18:00
※最終入館は閉館時間30分前まで
休館日 火曜日(祝日の場合は翌平日)※4月30日を除く
料 金 一般 1,000(800)円、大高生・65歳以上800(600)円
※()内は20名以上の団体料金。
※中学生以下無料・障害者手帳をお持ちの方(または障害者手帳アプリ「ミライロID」提示)とその介添者(1名)は無料
お問合せTEL 0436-98-1525
ホームページ https://lsm-ichihara.jp/
主 催 市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー]
後 援 市原市教育委員会、中華人民共和国駐日本国大使館、韓国大使館 韓国文化院
協 力 市原市国際交流協会、オープンロード合同会社、energy closet
※本展は、千葉県150周年記念事業「100年後芸術祭-内房総アートフェス」(総合プロデューサー:小林武史、アートディレクター:北川フラム)の一環として開催されます。

展覧会の見どころ

母国からやってきた4人のアーティストたちの表現
 322万3858人―日本国内の在留外国人の数は過去最多となりました(2023年6月末/出入国在留管理庁)。地域では多民族化が進み各自治体は「多文化共生」という言葉を掲げ、市原市もその例外ではありません。約50人に1人が在留外国人であり、国籍別にみるとフィリピン、中国、韓国・朝鮮の順に多く、最近ではベトナムからの移住者も増加傾向にあります。来日した人々の背景や在住歴は様々であり、移動の中で彼らの文化やアイデンティティは形成されてきました。
 本展は、そのような在留外国人が自国の文化や自らのルーツに誇りを持ってほしいという願いから始まりました。今回は、フィリピン、ベトナム、中国、韓国から世界で活躍する4人のアーティストを招聘し、市原市内で在留外国人へのインタビューをはじめとしたリサーチを行いました。各々のリサーチから生み出された作品からは、「外国人」という固定化されたイメージを超えて、そこで出会ったひとりひとりの気配や文化を感じることができるでしょう。様々なルーツを持つ人たちと彼らの母国からやってきたアーティストのアイデンティティが交差する――そこから生まれるアートが、今この多文化共生社会に生きる<わたし>と世界をつなげます。

ディン・Q・レ《絆を結ぶ》
ディン・Q・レ《絆を結ぶ》
ディン・Q・レ《絆を結ぶ》
ディン・Q・レ《絆を結ぶ》

ベトナムと日本の「絆を結ぶ」巨大キルト
 ベトナム戦争によりボートピープルとしてアメリカに脱出し、移民として暮らした経験ももつベトナムを代表するアーティスト、ディン・Q・レ。彼は、市原に生きるベトナム人にインタビューを重ねるなかで、いかに彼らが故郷の家族を思い、人と人とのつながりを大切するかを知り、この地で新たなつながりが生まれることを願い、「絆を結ぶ」というタイトルのもと、ベトナムで集めた古着と、市原で集めた古着を、日本人とベトナム人、さまざまなルーツをもつ外国人が協働して巨大なキルトとラグを作り上げ、インスタレーションします。

【プランドローイング】リーロイ・ニュー《多次元港としてのバレテ》
【プランドローイング】リーロイ・ニュー《多次元港としてのバレテ》

フィリピンの神話的世界と環境問題をつなぐ大規模インスタレーション
 かつて「スモーキーマウンテン」と呼ばれるゴミの山で知られたフィリピン。世界の国際展でも活躍するアーティスト、リーロイ・ニューは、廃棄物を使って、身に着けることができるウェアラブル・アートから大規模なインスタレーションまで多彩な作品をつくり、欧米による植民化以前のフィリピン独自の芸術表現を探求してきました。本展では、市原で集めた何千本ものペットボトルと竹でできた巨樹バレテを軸に、フィリピンの民話・神話的世界を SF 的なインスタレーションとして展開します。廃棄物でできた空飛
ぶ宇宙船、ウェアラブル・アートを身に着けた”ヒト“。それは、現在の地球規模での環境問題に注意を喚起するものでもあるのです。

リュウ・イ《はじめまして》
リュウ・イ《はじめまして》
チョ・ウンピル《私の青》
チョ・ウンピル《私の青》

伝統と現代――長い交流の歴史をもつ中国、韓国のアーティストたち
 日本にとって最も長い交流の歴史をもつ中国、そして朝鮮半島。困難な時代を経ながらも、私たちの日本の文化は深く両者の影響のもとに成立してきました。中国のアーティスト、リュウ・イは、市原に住む中国人のライフストーリーの聞き取りを通して、異国の地で自らの固有性を保ちながらも、居場所を求める中国人の魂の旅を、中国古来の水墨画の技法を活かしたアニメーション作品として描きだします。一方、韓国のチョ・ウンピルは、かの国で特別な色であり、愛されてきた「青」をテーマに作品をつくり続けるアーティストです。今回は湖に触発された美術館の内外に青の世界を現出させます。

作家紹介

ディン・Q・レ プロフィール写真
ディン・Q・レ プロフィール写真

ディン・Q・レ(DINH Q. LÊ)
 1968年、ベトナム、カンボジアとの国境付近のハーティエン生まれ。ホーチミン在住。1978年、ボートピープルとしてベトナムを脱出、家族でアメリカへ移住。カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業後、ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアルアーツで写真を学び、修士課程修了。作品には彼のルーツであるベトナムやベトナム戦争が色濃く反映されている。
 2015年に森美術館で開催された個展「ディン・Q・レ展:明日への記憶」では、ベトナム戦争終結から40周年の節目に、歴史上で取り上げられてこなかった市民の声を拾った作品の数々を発表。2019年の瀬戸内国際芸術祭においては、粟島でのリサーチと地元住民へのインタビューを元に《この家の貴女へ贈る花束》というインスタレーションを発表した。
主な発表に、ドクメンタ13(2012)、シンガポール・ビエンナーレ(2008 、2006)、第50 回ヴェネチア・ビエンナーレ イタリア館(2003)がある。エリザベス・リーチ・ギャラリー(2023、2021)ケ・ブランリー美術館(2022)、ニューヨーク近代美術館(2010)等で個展を開催。

リーロイ・ニュー プロフィール写真
リーロイ・ニュー プロフィール写真

リーロイ・ニュー(Leeroy New)
 1986年フィリピン南部ミンダナオ島生まれ。マニラ在住。フィリピン大学美術学部卒業。身に着けることができるウェアラブル・アートから大規模なインスタレーションまで、多彩な作品をつくる。また、「廃棄物」を素材として着目し作品制作を続け、フィリピンの芸術教育における欧米のスタイルから脱却し、植民地以前のフィリピン独自の芸術表現を探求している。2023年9月には、本展のための作品制作にあたり市原市内で海外にルーツを持つ大人や子どもとのワークショップを実施した。主な発表に、ハワイトリエンナーレ(2022)、ドバイエキスポ(2020)、シドニービエンナーレ(2022)等がある。福岡アジア美術館のアーティストインレジデンス(2022)に参加。主な受賞に、アテネオ・アート・アワード(2018)、フィリピン文化センター・13アーティスト・アワード(2012)がある。ニューヨークのアジアン・カルチュラル・カウンシルの芸術助成金採択(2015)。2011年には、レディー・ガガの「Marry the Night」のミュージックビデオに、彼の彫刻したシリコン・ビスチェが登場した。

リュウ・イ プロフィール写真
リュウ・イ プロフィール写真

リュウ・イ(Liu Yi)
 1990年中国浙江省寧波市生まれ。杭州在住。2016年、中国芸術学院修了。自身の個人的な経験や人生、そしてアニメーションやマルチメディアを通じて見たり聞いたり理解したことからインスピレーションを得ている。彼女の作品手法は、中国初期のアートフィルムを基盤にしており、空間インスタレーションなどの手法を用いて、アニメーション作品や国境を越えた舞台作品を数
多く制作している。主な発表に、オランダ・アニメーション映画祭(HAFF)(2017)選出、上海都市空間芸術祭(SUSAS)(2019)がある。華国際短編映画祭で特別推薦賞受賞。ソウル美術館の「SeMa Nanji Residency Project 」(2018 )に招待、フランス、アンジェのフォンテヴロー王立修道院のアーティスト・レジデンス(2019)に参加。また、
キプロス・アニメーション映画祭(2019)で審査員を務めた。

チョ・ウンピル プロフィール写真
チョ・ウンピル プロフィール写真

チョ・ウンピル(CHO EUN PHIL)
 韓国釜山生まれ、在住。釜山大学校彫刻科卒業、スレード美術学校修士課程修了(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)。独特な青を使ったインスタレーションを中心に、映像作品などを手がける。「青を主な造形要素として捉え、日常的な素材を非日常的な空間に転換する」ことに挑戦している。青は、韓国の伝統的な「五方色」に含まれ、彼女の作品には、韓国の伝統と文化を垣間見ることができる。
 主な発表に、釜山市立美術館(2008、2012)、ソウル・オリンピック美術館(2015)、江原道国際トリエンナーレ(2021)、金剛ネイチャー・アート・ビエンナーレ(2020)等がある。主な受賞に、釜山ビエンナーレシーアートフェスティバル大賞(2013)、春川文化放送現代韓国彫刻招待展金賞(2016)等がある。

関連イベント
トークショー「隣人のあなた『移民社会』日本でいま起きていること」
 ゲスト 安田菜津紀(認定NPO Dialogue for people 副代表/フォトジャーナリスト)
 日時 2024年4月13日(土)13:00-14:30
 会場 市原湖畔美術館多目的ホール
 定員 70人(要予約)
 参加費 1,000円(入館料別途)
 日本国内には様々なルーツの人々が暮らしていますが、外国人政策はいまだ、多くの課題を抱えています。中には入管の収容に苦しんだり、深刻な差別に直面する人々もいます。命の危険から逃れてきても、ほとんど難民認定を受けることができません。そんな日本社会で「共に生きるとは何か」ということを、安田さんが取材で出会った人々の声、そして家族の歩んできた歴史も交えて考えていきます。
安田 菜津紀 プロフィール
1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に』(ヘウレーカ)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。

マルシェ「世界の食と文化が香るマルシェ&ピクニック」
 出店者 エスニック料理店、アジア雑貨店、千葉・市原在住の海外ルーツの人たち等
 日時 2024年3月24日(日)10:00-15:00
 会場 市原湖畔美術館芝生広場
 共催 千の風パレード
※イベントの詳細は、HPでお知らせいたします。

【常設展】2023年度 第4回「深沢幸雄の人間劇場」

 当館常設展示室では、日本を代表する銅版画家であり、市原市名誉市民である深沢幸雄の作品を主に、市原市にゆかりのある作家の作品を、年に4回の展示替えを行い、紹介しています。
本展は、銅版画家・深沢幸雄の創作人生の集大成ともいえる、「人間」を主題とした晩年の作品を展示いたします。1954年、独学での銅版画制作のスタートから、1962年にメキシコとの出会いでの大きな作風の変化、そこから1980年代に入りまたもや作風の変化が訪れます。仮想空間の中で抽象化された人間がユーモラスな存在として描かれ、技法に関しても、試行錯誤や実験の末に開発してきたあらゆる技法を用いるようになります。1980年代から2000年代の作品21点を展示いたします。
会 期 2024年1月20日(土)~3月31日(日)
詳細はこちら https://lsm-ichihara.jp/collection/%e6%b7%b1%e6%b2%a2%e5%b9%b8%e9%9b%84%e3%81%ae%e4%ba%ba%e9%96%93%e5%8a%87%e5%a0%b4/

住所千葉県市原市不入 75-1
TEL0436-98-1525
WEBhttps://lsm-ichihara.jp/
開館時間*1平日:10:00~17:00、土曜・祝前日 9:30~19:00 日曜・祝日 9:30~18:00 ※最終入館は閉館時間の30分前まで
休み*2月(休日の場合は翌平日)、(2024年3月23日〜6月23日の期間は火曜休館 ※4月30日を除く)年末年始休館 12/281/3
ジャンル*3現代美術
入場料*4展覧会により異なります
アクセス*5小湊鉄道高滝駅より徒歩20分
収蔵品市原湖畔美術館には、企画展示室の他、常設展示室がある。常設展示室では、年に4回の展示の入れ替えを行い、市原市収蔵作品の中から、銅版画家・深沢幸雄の作品を中心に展示を行っている。※市原湖畔美術館は、約500点の深沢作品を所蔵する国内では有数の美術館です。
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 空欄はオールジャンル *4 イベントにより異なることがあります。高齢者、幼年者、団体割引は要確認*5 表示時間はあくまでも目安です

市原湖畔美術館

市原湖畔美術館 撮影:遠藤匡

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