W'UP★4月8日〜4月23日「ナルキッソスは水面を見続ける」 元映画館(荒川区東日暮里)

W'UP★4月8日〜4月23日「ナルキッソスは水面を見続ける」 元映画館(荒川区東日暮里)
 


2023年4月8日(土)〜4月23日(日)
Shigeki Matsuyama 「ナルキッソスは水面を見続ける」

 松山は第一次大戦の頃使用されたダズル迷彩を使用した作品で、国内外から注目を集めています。
 これまでの制作では、SNSやブログなどインターネット上にアップロードされている無数のセルフィーやスナップなどの顔写真から、ビデオプロジェクターを使い「目」だけを正確にトレースし、肖像の輪郭はモデルとした実際の人物から、人種や性別、髪型、体型などを全く別の人間に描き変えることで、インターネットの匿名性や情報の不確かさを表現した「現代人の肖像画」を発表してきました。
 本展では、松山の代表シリーズである、SNSなどにアップロードされている無数のセルフィーやスナップ写真をモデルとした肖像画《 Portrait of dazzle 》を始め、新作の絵画シリーズ、更に新作の彫刻をお披露目いたします。
 松山にとってArtSticker主催での個展はMA2 Galleryに続き、2回目。今回の会場は、30年前に閉館した映画館を改修した元映画館。ホワイトキューブとは異なる没入空間で、松山の世界観を堪能できる機会となります。

ゼブラ模様を使った平面作品
参考作品 Shigeki Matsuyama《Image: iGen sees the world in 2D #02》
ゼブラ模様を使った平面作品
参考作品 Shigeki Matsuyama《Portrait of dazzle #194》

展覧会ステートメント
 ギリシャ神話に登場する青年ナルキッソスは、水面に映る自分の姿のあまりの美しさに目を離すことができなくなり、最後には命を落としてしまうという人物です。
 ナルキッソスが夢中になる「水面に映る自分の姿」とは、目では見えるが手で触れることの出来ないイメージで、実体のない情報だけの存在です。神話の中でナルキッソスが水面に映る自分から目が離せなくなってしまうのは女神ネメシスによる呪いのせいですが、現代に生きる私たちもまたナルキッソスの呪いの様に、スマートフォンの画面に映る大量の情報に夢中になり、時にそれは生活に支障をきたす程に時間を浪費してしまう事があります。特にここ数年はパンデミックによる外出自粛や在宅勤務の影響により、世界中でアプリの使用時間が大幅に増加していて、世界12カ国以上の30代までの世代で1日平均4~5時間スマホを使用しているという調査結果が報告されています。2023年現在ではパンデミックの影響が薄れているにも関わらず、「Instagram」「TikTok」「Facebook」等SNSアプリを中心に使用時間は依然として増加傾向にあるそうです。
 私自身も特に用事も無くスマートフォンを手に取り、SNSなどを眺めて気付いたら随分と時間が経っていて...という無駄な時間を過ごしてしまう事がよくあります。スマートフォンを見ているからといってナルキッソスの様に命を落としてしまうわけではありませんが、長いこと水面から目を離せずに結局そのまま死んでしまったナルキッソスの物語も、現代人のスマートフォンの使用時間を考えるとあながち関係ない話でもないのかもしれません。だとすれば、いったいどうしたら水面に夢中になっているナルキッソスの顔を上げる事が出来るのでしょうか?彼が水面を見続けるのは呪いの力なので、自らこれに抗うのは到底不可能な事ですし、他者が何をしようとも彼の目の前 に水面がある限り結局ナルキッソスは水面を見続けるのかもしれません。
 松山しげき

ゼブラ模様を使った平面作品
Shigeki Matsuyama《Self-portrait for multiple accounts #02》 2021

松山しげき Shigeki Matsuyama
 1998年よりイラストレーターとして広告やプロダクトのイラスト制作を手掛け、2011年以降はよりコンセプチュアルな作品制作を行う為にアーティストへ転身し、現在では国内外のギャラリーにて絵画・彫刻・インスタレーション作品を中心に発表している。
展覧会
2023「Study:大阪関西国際芸術祭 "二次元派展"」 中之島図書館 / 大阪 2023「KITAKAZE」 Maison Ozmen / パリ
2022「Portrait of Dazzle」銀座蔦屋 / 東京
2022「ART021 SHANGHAI 2022」Gallery FUNC / 上海
2022「Portrait of Dazzle」GR gallery / ニューヨーク
2022「Portraits III Red room」roidworks gallery / 東京
2022「KIAF Art SEOUL 2022」Gallery IRRITUM / ソウル
2022「Portraits II」GALERIE OVO / 台北
2022「MELTING POT」Mozuku Gallery / カオシュン 2021「Duality」天野タケル×松山しげき 二人展 Urban Spree Galerie / ベルリン 2021「アイジェンは世界を二次元で見る」MA2ギャラリー / 東京 2021「ブレイク前夜展『美術手帖』総編集長・岩渕貞哉セレクション」銀座蔦谷 / 東京 2020「ドコモ x rooms / みる、みられる。展」rooms / 東京 2019「Communication : Dazzle room」studio fujino / 神奈川
2016「Narcissism : Dazzle room」rooms / 東京

Shigeki Matsuyama 「ナルキッソスは水面を見続ける」
会 期 2023年4月8日(土)~4月23日(日)
会 場 元映画館(東京都荒川区東日暮里3丁目31−18 旭ビル2F)
開催時間 13:00~19:00
休廊日 会期中無休
観覧料 無料
アクセス JR三河島駅徒歩5分、JR日暮里駅徒歩15分
URL http://bit.ly/3l3G8zF

作品販売について
出展作品はArtSticker限定で4月8日(土)13:00よりエントリー制にて販売受付いたします
各展示作品は先着制ではなく、「エントリー制」での販売となります。エントリー期間終了後に、お客様のArtSticker内でのアクティビティなどを確認の上、選出された方のみが作品を購入する権利を得ることができます。

会場 元映画館について
 元映画館は2019年にオープン。約30年前に閉館して以来、誰に使われることもなく手付かずのまま町の片隅にひっそりと取り残されていた廃映画館を、かつての映画館としての面影を極力残しつつ改修したミュージアム/イベントスペース。趣のある空間で、映画館だった頃には起こり得なかった様々な物語が生まれ、訪れる度に新たな出会いと発見がある場所であり続ける。週末毎に様々な展示・イベントが開催されるほか、映像作品に焦点を当てた展示「映像の美術館」を不定期に自主企画開催している。
 また、館内の元映写室の空間は木~日夜に営業するスナック「シネマのあとで」となっており、展示作家等がゲストでカウンターに立つこともしばしば。
ホームページ https://www.moto-eigakan.com/
インスタグラム https://www.instagram.com/motoeigakan/

元映画館の展示風景

併設のバー

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