W'UP★9月7日~ 10月14日 Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset) Gallery & Restaurant 舞台裏(港区虎ノ門)

W'UP★9月7日~ 10月14日 Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset) Gallery & Restaurant 舞台裏(港区虎ノ門)

Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)
会 場 Gallery & Restaurant 舞台裏(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F)
開催日 2024年9月7日 (土) ~ 10月14日 (月・祝)
営業時間 ギャラリー 火-日:11:00-20:00
レストラン
 火-金 カフェ 13:00〜17:00(L.O.16:30)、ディナー 17:00〜22:00(L.O.21:00)
 土 カフェ 13:00〜20:00(L.O.19:00)
 日/祝 カフェ 13:00〜18:00(L.O.17:30)
休業日 月曜日 ※月が祝日の場合は翌日休業
アクセス 東京メトロ日比谷線神谷町駅5番出口より駅直結 徒歩1分
展覧会URL https://artsticker.page.link/Jano_butaiura
主 催 ArtSticker (運営元:The Chain Museum)

作品画像
@Januario Jano

 「Gallery & Restaurant 舞台裏」では、アンゴラ出身で現在はアンゴラ・イギリス・スペインの3か国を拠点に活動する学際的なビジュアルアーティスト、ジャヌアリオ・ジャノ(Januario Jano)の個展を開催します。アーティストにとって日本での単独の個展開催は初めてであり、インスタレーションを中心とした新作が展示されます。
 本展のタイトル“Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)”を直訳すると、「他者性: 欲望の目録(夕日)」という意味になるでしょう。これは、個人のアイデンティティや欲望が、他者による介入と複雑な社会的記憶なしには成立し得ないことを物語っています。
 ジャヌアリオ・ジャノは、1979年にアンゴラに生まれました。これは、アンゴラが1975年にポルトガルから独立してからわずか5年後のこと。被植民地として長く支配を受けてきたアンゴラでは、独立後も2002年まで内戦が続きました。ジャヌアリオ・ジャノの作品には、このような歴史の中で生まれた様々な記憶、民族の移動や文化的な同化といったテーマが反映されています。
 この展示の中心的な作品《Pano Pano》(2024)と《Mponda (MW001)》(2024)は、アンゴラにおける布や織物の文化を参照しています。”Pano”はアンゴラにおける布を、”Mponda”は主に西アンゴラのアンブンドゥ人が個人的な思い出の詰まったものを入れるために使用するベルト状の木綿の袋を指す言葉。
 アーティストは、アンゴラの歴史を象徴する素材をメディウムとして用い、大胆に再構成することで、新たな生命を吹き込んでいます。これらのオブジェは空間の中に意図的に配置されており、鑑賞者は作品と空間の双方に織り込まれた物語の中に身を置くのです。
 近年になって少しづつその風向きが変わってきたとはいえ、最新の芸術動向を日本で鑑賞できる機会はまだまだ多いとは言えません。本展は、これまで長きにわたって周縁化されてきたアフリカ現代美術の現在を紹介するとともに、グローバル・ノース中心主義を内包する現代芸術シーンを相対的に見つめなおすための一石を投じる試みでもあります。

展覧会について
 本展”Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)”は、文化的アイデンティティと文化的生産を綿密に探求するものである。いずれの作品も、多様なテーマとメディウムを通して、アイデンティティ、記憶、同化作用、移動、帰属といった領域における欲望の多面的な性質に焦点を当てている。このプロジェクトにおいて行われるのは、特に歴史的な物語、信仰、儀式、社会構造(structures)の複雑に絡み合った糸を解きほぐし、過去と現在の複雑な絡み合いを顕わにしようとする精緻な試みだ。アーティストは、地理的な調査とアッサンブラージュを用い、植民地支配が残した癒えない傷跡を浮かび上がらせ、「歴史の織物」ともいうべきタペストリーに深く刻み込む。

 “Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)”は、忘れ去られた伝統の本質を呼び起こすことを目的とし、過去に生産され、使用されていた様々なマテリアルと隠喩的に関わるものだ。アーティストは、芸術的な創造性とストーリーテリングの手法を通して、植民地時代の遺産がアイデンティティと文化に与える永続的な影響を探求している。これらの作品に対峙する鑑賞者は、個人の欲望と集合的な記憶との間の複雑な相互作用を探究するよう促されるだろう。この探究は、植民地支配の影響下にあった歴史的な出来事が、社会の規範や価値観を通してどのように残響し続けているかを明らかにしながら、文化交流の微妙な地勢をなぞるものである。
 ジャノの作品においては、伝統の復活とマテリアルに対する実験が強力なシンボルとして機能することで、アイデンティティ、記憶、同化、移動、帰属の重層性が表現されている。この展示は、文化やアイデンティティの構築に外部からの影響が深く影響していることを強調するだけでなく、宗教的イデオロギーが多様な文脈でどのように社会規範を形成してきたかについても、多角的な考察を促している。

 つまるところ、”Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)”は、植民地時代のレガシーに立ち向かう文化の回復力を痛烈に物語っているのだ。わたしたちは、この作品は、欲望と文化交流の絶えず移り変わる状況の中で、永続的な意味の追求について思索を促し、鑑賞者に変容の旅をもたらす。

アーティストポートレイト
@Januario Jano

ジャヌアリオ・ジャノ(Januario Jano)
 ジャヌアリオ・ジャノ(Januario Jano)は、アンゴラ・ルアンダ出身。Goldsmiths, University of Londonで美術修士号を取得し、イギリス・ロンドン、アンゴラ・ルアンダ、スペイン・マドリードを拠点とするビジュアル・アーティストである。彫刻、ビデオ、写真、テキスタイル、サウンド・インスタレーション、パフォーマンスなど、幅広い分野で活躍している。
 彼は虚構と現実の微妙なバランスの仮説に注意を向け、故郷と自己の概念について考察し、世界の経済、文化、人口の相互依存の高まりの中で、歴史的、現代的な物語に絶えず挑戦している。また、文化生産とアイデンティティに関する探求を深めることに関心を持っている。
 ジャノは、スペインで開催された第1回アフリカ写真ビエンナーレ、第35回サンパウロ・ビエンナーレなど国際的な芸術祭に参加したほか、彼の作品は、セルビア・ベオグラードのアフリカン・アート美術館や、ドイツ・フランクフルトのジャン=クロード・マイヤー・ギャラリーにも展示されている。さらに、彼はスコットランドのデベロン・プロジェクツにおいてレジデンシーを修了したほか、アラブ首長国連邦のシャルジャ美術財団による「Vantage Point Sharjah 9」プロジェクトメンバーにも選出された。
 また、その作品はイギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館(V&A)をはじめ、世界各国の著名なコレクションに収蔵されている。また、文化的・社会的活動へのコミットメントから、アンゴラにおける芸術的・文化的プロジェクトの開発・促進に焦点を当てた文化・慈善団体、ペス・デサルソス(Pes Descalços)を設立。この団体は、現在アンゴラで起きている文化的復興を促進するために、持続的かつ地に足のついた方法での支援を行っている。 さらに、2012 年より、彼はTEDxLuandaを主宰・企画し、アンゴラを内戦で疲弊した状況から新たなイノベーションの拠点へと導くための牽引役となっている。また、ジャヌアリオはイタリアのアート・ラグナ賞を受賞したほか、直近では南アフリカのノーバル・ソブリン・アフリカン・アート賞2025年候補者にノミネートされている。

 

舞台裏内観

Gallery & Restaurant 舞台裏 とは
 2023年11月に麻布台ヒルズ ガーデンプラザAにオープンしたGallery & Restaurant 舞台裏はアート作品を鑑賞したあとに誰かと語り合いたくなる空間として、お酒や食事を楽しめるスペースを内包しています。ここでは作品と出会うことで芽生えた感情、もしくは混乱や困惑なども一緒にいる誰かと共有することができます。26坪という限られた空間ですが、展示スペースの裏側に回り込むとそこにはシェフのいるキッチンがあり、冷えた白ワインと気楽な前菜、本格的なコース料理も召し上がっていただけます。美術館に所蔵されるようなベテランのアーティストから、グローバルなマーケットで熱い視線を集める話題のアーティストまで、ときには演劇やダンスのようなパフォーマンスも企画します。
Instagramアカウント https://www.instagram.com/butaiura_artsticker/

W'UP★9月5日〜9月28日 ブルーピリオド × ArtSticker vol.2 アートかビーフンか白厨(港区六本木)

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