W'UP!★3月25日〜4月27日 川内理香子 “line & colors” N&A Art SITE

2023年3月25日(土)〜4月27日(木)
川内理香子 “line & colors”
川内は食への関心や身体への違和感を起点とし、身体と精神、もしくは自然と思考の相互関係の不明瞭さを主軸に、ドローイングやペインティングをはじめ、針金やゴムチューブ、樹脂やネオン管など、多岐にわたるメディアを横断しながら作品を制作しています。なかでも油彩作品では、油彩絵具を厚く塗り、その上からペインティングナイフの先端で絵具を削るように線を描く独特の手法が用いられています。本展で展示される13点の新作油彩作品には、レヴィ=ストロースの神話分析から着想を得た動物や植物のモチーフと人体や人間の頭部が混然と配置されており、川内独特の身体観や生命観が感じられます。
作家ステートメント
線を引く。引いた線から物の立体感や空間が生み出て来る。
誕生した空間にその空気の中で呼吸できる物たちが次々と見え始め、描かれ、その物たちがまた新たな空間を生み出し、1つの連鎖を呼ぶ。
時にその空間や物はかき消され、消されたことによっても空間や物が生まれていく。
からまり合い結合していく空間と物を描いている間、私は1つの嵐のような衝動の中、冷静に立っている。
川内理香子


川内理香子

1990年東京都生まれ。2017年多摩美術大学大学院・美術学部・絵画学科・油画専攻修了。東京を拠点に活動。多摩美術大学在学中の2014年に参加した公募グループ展『CAF ART AWARD 2014』で保坂健二朗賞を受賞、15年に新進アーティストを対象にした公募プログラム『shiseido art egg』に入選し資生堂ギャラリーで個展を開催、shiseido art egg賞も受賞。22年には『VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─』にて大賞のVOCA賞を受賞、同年ドイツのVAN DER GRINTEN GALERIEにてヨーロッパ圏での初めての個展を開催するなど、近年、国内外から注目を集める気鋭のアーティストである。
https://rikakokawauchi.com/
近年の展覧会歴
2022 個展『Colours in summer』銀座蔦屋書店GINZA ATRIUM・東京
2022 『VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─』上野の森美術館・東京
2022 『Lines』VAN DER GRINTEN GALERIE・ドイツ
2021 『TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展』寺田倉庫・東京
2021 個展『Empty Volumes』WAITINGROOM・東京
2021 個展『afterimage aftermyth』六本木ヒルズA/D ギャラリー・東京
2020 個展『drawings』WAITINGROOM / OIL by美術手帖・ともに東京
2020 個展『Myth & Body』三越コンテンポラリーギャラリー・東京
2019 『drawings』ギャラリー小柳・東京
2018 個展『human wears human / bloom wears bloom』鎌倉画廊・神奈川
2018 個展『Tiger Tiger, burning bright』WAITINGROOM・東京
2017 『ミュージアム・オブ・トゥギャザー展』スパイラル・東京
2015 個展『SHISEIDO ART EGG vol.9 : Go down the throat』資生堂ギャラリー・東京
受賞歴
2022 『VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─』VOCA賞(大賞)
2021 『TERRADA ART AWARD 2021』寺瀬由紀賞
2015 『shiseido art egg』shiseido art egg賞
2014 『CAF ART AWARD 2014』保坂健二朗賞
川内理香子 “line & colors”
会 期 2023年3月25日(土)〜4月27日(木) 12:00-17:00 (日)(月)休
会 場 N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6)
主 催 エヌ・アンド・エー株式会社
協 力 WAITINGROOM
ウェブサイト https://nanjo.com/rikako_kawauchi/
アクセス 東急東横線中目黒駅より徒歩5分
※会期中、N&A YouTube @NA_nanjo にて川内理香子×南條史生 トークを配信予定。
詳細はウェブサイトにてお知らせいたします。
NANJO SELECTIONについて
このほど、N&A Art SITEにおいて、「NANJO SELECTION」という現代美術展のシリーズを開始します。
長年、現代美術の普及に尽力し、その間多くの作家、作品に出会ってきましたが、それでもまだ新しい発見を求めて、内外多数の展覧会を見て歩いています。そして多くの作品に出会い、作家との対話を重ねた中から、表現上の独自の発展を模索し、成果を上げ始めている比較的若手の作家に焦点を当て、その活動を紹介していきたいと思います。
決して万全とは言えない日本のアート環境の中で、新しく登場した作家たちの意義ある業績を美術史の文脈の中に位置づけながら国際的に紹介していくことは、日本の美術業界の喫緊の課題だと思われます。
1年に4人程度の作家を逐次ご案内申し上げます。ぜひご覧ください。
vol. 1 川内理香子について
「しばしば線は思考であり、色は感情であると言われる。別な解釈をすると線は精神であり、色は肉体である、とも言えるだろう。(中略)私は川内の作品に、この二者の間の緊張を感じとる。線と色は互いの役割を持って画面を埋める。それは精神と肉体の対立と協働のように見える。それが止揚されて作品の総体に昇華する。
その結果、川内の作品には精神の自由、解放、自身の存在への洞察と関心、外に広がる世界への恐れと愛を読み取ることができる。イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンは、『異質な他者とともにあることを、喜びと感じることが愛である』という意味の文章を記している。川内の作品のダイナミズムは対立と矛盾を抱擁し、包含することに由来する『愛』から生じているのではないだろうか。」
—『川内理香子 “line & colors”』図録(2023年発行)より抜粋 南條史生
同時開催
Rikako Kawauchi solo exhibition
human closely
2023年3月26日(日)〜4月24日(月)11:00〜19:00 不定休
Lurf MUSEUM(代官山駅より徒歩5分)
東京都渋谷区猿楽町28-13 Roob1-1F 2F
W’UP!★3月26日~4月24日 川内理香子 個展「human closely」 Lurf MUSEUM
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