W'UP! ★1月10日~1月28日 TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展 寺田倉庫 G3-6F(品川区東品川)
2024年1月10日(水)~1月28日(日)
TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展
新進アーティストの支援を目的とした現代アートアウォードです。世界を舞台に活躍するアーティストの輩出を念頭に、国際的な視点と現代アートに関する深い見識を持つ審査員により5組のファイナリストが選出されました。ファイナリストはアウォードへエントリーした展示プランを元に独自の展示を創り上げ、ファイナリストの金光男、冨安由真、原田裕規、村上慧、やんツーが「TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展」にて、未発表の新作を含む作品を個展形式で発表します。
TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展
会 期 2024年1月10日(水)~1月28日(日)
※会期中無休。1月10日は招待者のみ入場可能
会 場 寺田倉庫 G3-6F(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号)
開館時間 11:00~18:00(最終入館 17:30)
入場料 無料 ※予約不要
TERRADA ART AWARD 2023について https://www.terradaartaward.com
ファイナリスト展示プランについて(五十音順・敬称略)
金光男(きむ みつお)
熱源を備えた金属製の展示台に、蝋で作った赤いカヌーが時間とともにゆっくりと溶けて崩れていくインスタレーション、蝋で作った平面作品を展示する。昨年来、ウクライナの戦争のニュースをよく目にするようになった。戦地に赴く父親や、国外に逃亡する妻子の映像を見て、母や祖父母の話を思い出した。これは、私に縁のない話ではない。今回、溶けていく赤いカヌーは、沈みゆくカヌー、別れ、イデオロギーの分裂だけでなく、新しい世界への旅立ち、平和と平穏への希望でもある。脆さと矛盾を内包しながら、続いていくものを示す展覧会になるだろう。
冨安由真(とみやす ゆま)
ここ最近の制作に於いて、視点の転換に興味がある。例えば自己の視点と他者の視点。神の視点かも知れないし、亡霊の視点かも知れない。あるいは次元を超えて複数に重なる自己の視点かも知れない。夢を見ている時の視点は、目で捉えてはいないが、確かに見えていると認識している。そういった複数の視点の切り替えは、次元を行き来するかのような奇妙な感覚を誘発し、その拠り所の不安定さを意識させる。マジックミラーの構造は、こちらから見えていない時は向こう側からは見えているということである。今回展示する部屋の構造物の中にあるモニタリングカメラでは、構造物の外側にいる鑑賞者の様子も映っている筈だが、鑑賞者がモニターを見ることのできるタイミングでは、鑑賞者を映すことはない。この作品では、照明のプログラミングによって見える対象が強制的に移り変わることで、見ること・見えることという概念への揺さぶりを行う。
原田裕規(はらだ ゆうき)
私自身はどこにも行かない。私自身はいつもそこにいて、まるで影のように、私が戻ってくるのを待っている──これは、本シリーズ作品の台本の一部だ。かつて日本から各地に渡った移民は、他文化・他言語との接触の中で「ピジン語」に代表されるトランスナショナルな文化を生み出してきた。移民が経験したプロセスを、言語学習のシャドーイングによる「声の重なり」と、自身の表情をデジタルヒューマンにトラッキングさせる「感情の重なり」によって再演する。遠くに行けば行くほど「私自身」に戻ってしまう人間の性(さが)と、それでもなお前進せざるを得ない人間の本性(ほんせい)。そのいびつで力強い歩みを空間全体で表現したい。
村上慧(むらかみ さとし)
「わたし、ただの書き割りなんだけど。セリフも何もないんだけど」舞台上で<茂み>が話しかけてくる、という夢を見た。なんの事情も知らされないまま舞台に上げられ、なにをすればいいのかもわからず困っている様子で、こちらまで哀しくなってしまった。そこにはある種普遍的な、産業革命の時代から現代までを貫く<不安>の形が現れているように感じられた。同じころ、認知症気味の祖父が、廊下にあるコートハンガーを人だと思っていることが発覚した。私は、それは本当はコートハンガーでもなんでもない<なにか>で、歳を経て<認知将>となった人間だけが、その存在に気づくことができる、という可能性について考えた。そして、これらの体験に作品という形を与えるとき、ドローイングにおける「輪郭線」の問題も同時に考えられるのではないか、というひらめきがあった。ひいては「フィクションとノンフィクション」、あるいは「記憶と捏造」の二項対立図式も超えていけるのではないかと、そう思えた。
やんツー(やんつー)
おそらくは遠い、しかし意外に近くもある未来。人間が自分の手で作ることもじかに見ることもずいぶん昔に忘れ去ってしまった「美術」と呼ばれるものの実物がどこかに残されているらしい、という噂がまことしやかに流れていた。そしてある日、好奇心旺盛ないくつかの装置たちが、とある倉庫の奥まった場所で、青いシートにくるまれた「美術」のいくつかを発見する。しかし、「美術」を見ても、装置たちには「美術」のことがわからなかった。いったいこれらにどんな価値があるというのか。少なくともこの時代の人間の言葉や論理では説明することができないようだ。そこで、装置たちは、描き、飾り、見る、という、「美術」にまつわる人間のかつてのふるまいを模倣してみることで、「美術」を理解しようと試み始める。
TERRADA ART AWARD 2023
対象活動:現代アート全般(絵画等の平面、写真、立体(オブジェクト)、テキスタイル、映像、デジタル・メディアアート、パフォ
ーマンスなど身体表現、音または音楽など全ての媒体を含む)
支援内容 ファイナリスト 5組に各300万円
※TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト展のための新作制作・展示の費用を含む
副賞 「ルイナール ブラン・ド・ブラン」、「PIGMENT TOKYO」の商品10万円分、寺田倉庫の美術品保管サービスの2年間無料利用
主催 寺田倉庫株式会社
協賛 日本航空株式会社、MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
運営協力 藤原羽田合同会社
助成 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
TERRADA ART AWARD 2023 審査員(敬称略・五十音順)
最終審査員:金島隆弘(金沢美術工芸大学 准教授)、神谷幸江(美術評論家、キュレーター)、寺瀬由紀(アートインテリジェンスグローバル ファウンディング・パートナー)、真鍋大度(ライゾマティクス ファウンダー、アーティスト、インタラクションデザイナー、プログラマ、DJ)、鷲田めるろ(十和田市現代美術館 館⾧、東京藝術大学 准教授)
一次審査員:池城良(アーティスト、ミュージシャン、研究者、香港城市大学クリエイティブメディア学部 助教授)、大巻伸嗣(美術作家)、木村絵理子(キュレーター、弘前れんが倉庫美術館副館⾧兼学芸統括)、高橋龍太郎(精神科医、現代アートコレクター)、竹久侑(キュレーター、水戸芸術館現代美術センター 芸術監督)、椿玲子(森美術館キュレーター)
W'UP! ★1月6日〜3月31日 ゴッホ・アライブ東京展 寺田倉庫G1ビル(品川区東品川)
WHAT MUSEUM(品川区東品川)
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