W'UP★11月1日~2026年2月15日 特別展「プラカードのために」 国立国際美術館(大阪市北区)

特別展「プラカードのために」
会 期 2025年11月1日(土)~2026年2月15日(日)
会 場 国立国際美術館(大阪市北区中之島4-2-55)
開館時間 10:00~17:00、金曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)※2025年11月以降、夜間開館は金曜日のみとなります
休館日 月曜日(ただし11月3日、11月24日、1月12日は開館)、11月4日、11月25日、1月13日、年末年始(12月28日~1月5日)
入館料 一般1500円(1300円)大学生900円(800円)(()内は20名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間 金曜の17:00~20:00))高校生以下・18歳未満無料(要証明)心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)本料金で、同時開催の「コレクション2」もご覧いただけます。
ホームページ https://www.nmao.go.jp/
- 田部光子《プラカード》1961年、東京都現代美術館蔵
- 《プラカード》、《人工胎盤》前の田部光子、1961年、「九州派展」、銀座画廊、東京
- 牛島智子個展「トリへのへんしん」展示風景、2022 年、旧八女郡役所 写真:長野聡史 ©Nagano Satoshi
- 志賀理江子《風の吹くとき》2022-2025年 ©liekoshiga
- 金川晋吾《祈り/長崎、セルフポートレート》2022年 ©Shingo Kanagawa
- 谷澤紗和子個展「ちいさいこえ」展示風景、2023年、FINCH ARTS ©Sawako Tanizawa, Photo by Haruka Oka, Courtesy of FINCH ARTS
- 飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》2014/2020年、写真:宮澤響、飯山由貴 ©Iiyama Yuki
- 笹岡由梨子個展「Animale」展示風景、2025年、PHD Group、香港 Courtesy of the artist and PHD Group. Photo by Felix SC Wong.
美術家・田部光子(1933-2024)は1961年に記した「プラカードの為に」と題した文章において、「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語りました。過酷な現実や社会に対する抵抗の意思や行為、そしてそのなかに田部が見出した希望は、同年発表された作品《プラカード》に結実します。
この文章は、作品が生まれるまでの思考の過程を語ったものであると同時に、社会の動きを意識し活動するひとりの美術家の宣言としても読むことができます。「たった一枚のプラカード」とは、行き場のない声をすくいあげ、解放の出発点となるような、生きた表現の象徴でもあるのです。
田部の言葉と作品を出発点とする本展覧会は、それぞれの生活に根ざしながら、生きることと尊厳について考察してきた、田部を含む7名の作家の作品で構成します。作家たちは、これまで社会の中で覆い隠されてきた経験や心情に目を凝らし、思考し、そして自ら実践することで、既存の制度や構造に問いを投げかけます。彼女・彼らの作品を通じて、私たちを取り巻く社会やその歴史を見つめ直し、抵抗の方法を探りながら、表現することの意味にも立ち返ります。
見どころ
時を超える声と実践
「プラカードの為に」で言及される《プラカード》と《人工胎盤》は、1961年9月14~19日に東京の銀座画廊で開催された「九州派展」に出品されました。《プラカード》は5点から成るコラージュ作品(すべて1961年作。3点が東京都現代美術館蔵、2点が福岡市美術館蔵)で、労働争議での実体験をはじめ、三池争議や安保闘争、公民権運動、コンゴ動乱など同時代の出来事を背景に制作されています。支配的な構造に抗う「大衆のエネルギー」を表す本作は、襖を支持体に、コラージュやキスマークを施すなど、従来の美術の形式や素材にも挑戦しています。一方、《人工胎盤》(1961年作は現存せず。熊本市現代美術館が2004年の再制作を所蔵)は妊娠初期のつわりの経験や、女性が社会において直面するさまざまな不平等から発想された作品です。近年、フェミニズム・アートの先駆的作品としても評価されています。本展では、再評価の進む田部光子の作品28点を展示します。
今を生きる6作家の声と実践
本展覧会では、物故作家の田部に加え、近年特に注目すべき活動を行ってきた牛島智子、志賀理江子、金川晋吾、谷澤紗和子、飯山由貴、笹岡由梨子による、映像、インスタレーション、写真、絵画、立体など、多様な手法の作品で構成します。
作家たちの実践が交差する展覧会
本展覧会では7名の作品が展示空間で交錯し、ときに干渉し、響き合います。重なりあい、ぶつかりあうイメージや声のなかから、抵抗の方法を見出すことができるでしょう。「たった一枚のプラカード」が象徴する生きた表現。作家たちの実践が交差する場をぜひ体感してください。
出品作家
田部光子
1933年日本統治下の台湾に生まれ、1946年福岡に引き揚げ、以後同地を拠点に活動。2024年没。前衛芸術集団「九州派」の発足時から主要メンバーとして参加。生活者としての実体験をもとに社会への問いやメッセージを表現に託し、2010年代まで旺盛な制作・発表を続けた。
牛島智子
1958年福岡県生まれ。1981年大学卒業後に上京し、Bゼミに入所。個展を重ね、変形カンバスによる絵画を発表。90年代末に福岡・八女に拠点を移してからは、生活や地域の産業・歴史に根ざした素材も用い、表現を日常の基盤として捉え、作品を制作する。
志賀理江子
1980年愛知県生まれ。2008年に宮城県の北釜へ移住。人々や風景との出会いを通して、社会と自然、死と生、何代にも遡る記憶などをテーマに制作を続ける。2011年の東日本大震災で被災し「復興」に圧倒された経験から、人間の精神とその根源へと深く潜り、迫る作品へと展開する。
金川晋吾
1981年京都府生まれ。最も身近な他者と言える父親や叔母を被写体に、個としての姿を尊重し、捉えた写真を発表。近年は複数人で生活する日々を記録した写真やセルフポートレートの発表、文筆活動、ワークショップを通じて、個人的な経験や思考を社会へ開く実践を続けている。
谷澤紗和子
1982年大阪府生まれ。美術制度の外に置かれてきた素材や技法を用い、想像力を解放する装置としての作品を制作する。近年はジェンダーの視点から切り紙に携わった先達の作品や足跡を追い、マジョリティ中心の社会においてかき消されてきた声に着目した作品を発表している。
飯山由貴
1988年神奈川県生まれ。記録資料や聞き取りを糸口に、個人と社会・歴史の関係を考察し、作品を制作。社会的スティグマが作られる過程や、その経験が語り直されることによる痛みや回復に関心を寄せ、近年は多様な背景を持つ市民やアーティスト、専門家とも協働し活動している。
笹岡由梨子
1988年大阪府生まれ。絵画と映像、現実と虚構、生と死の間を探るべく、人形劇やローテクなCG合成、自作の歌、手作業による装飾を用いた映像インスタレーションを制作。作品内では様々なキャラクターを演じ、身体パーツを複数化し、固定化された枠組や見方に揺さぶりをかける。
関連イベント
アーティスト・トーク
日時 2025年11月1日(土)14:00~16:00(予定)
会場 B1階講堂
本展出品作家によるアーティスト・トークを開催します。
谷澤紗和子とsuper-KIKIのステンシルワークショップ「ことばを身にまとう」
日時 2025年11月22日(土)10:30〜17:00 ※1時間ほどのお昼休憩をはさみます。
会場 B1階講堂、B3階展示室
対象 中学生以上
美術制度の外に置かれてきた「切り紙」の手法を用い制作を行ってきた谷澤紗和子さんと、抵抗の意思を表すための身に付けられるアイテムを制作してきたsuper-KIKIさんのコラボレーション・ワークショップです。参加者が切り紙で表現した「いま掲げたい言葉」と、講師によるステンシル型を用い、持参した衣服にスプレープリントを施します。完成した衣服を身にまとい、ともに「プラカードのために」を鑑賞します。講師によるトークも行います。
定員 20名(要事前申込・応募者多数の場合は抽選)
申込締切日時 11月12日(水)12:00必着。 ※定員に達しない場合は引き続き募集します。
参加費 無料(要「プラカードのために」展観覧料)
ただし、高校生以下および18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名、母子家庭・父子家庭の世帯員の方は無料
※無料対象者の方は学生証、健康保険証、運転免許証など年齢の分かるもの、障害者手帳等をご用意ください。
持ち物 綿が40パーセント以上混紡されている白色または淡色の衣服1着(Tシャツや長袖のシャツなど)
申込方法
申込フォームに必要事項をご記入の上、ご送信ください。
※一通につき、お二人様まで同時にお申し込みできます。
申込フォーム https://forms.cloud.microsoft/pages/responsepage.aspx?id=rulhgDVUg0aj2awQezVLcM7HYaHKnRtAsK7lRQf0rfJUQ05TVzUzMk5aS05MUk9FNUwwRzhaMDgyMyQlQCN0PWcu&route=shorturl
ご注意・お知らせ
※本ワークショップは、活動中にアクリルスプレーを屋外で使用します。アレルギー等をお持ちの方はご注意ください。
※参加の可否にかかわらず、申込者全員に、締め切り後数日中にメールでご連絡します。
※「@nmao.go.jp」からのメールを受信できるように設定してください。当館からの参加可否のメールが受信拒否あるいは迷惑メールフォルダー等に振り分けられないようにご注意ください。
※主催者がプログラムを記録撮影します。記録した動画、静止画は、当館および講師の活動普及目的のため使用する可能性があります。使用に同意できない方は、別途ご相談ください。
※このほか、レクチャー、トーク・イベント、上映会やワークショップを開催予定。詳細は決まり次第、同館ウェブサイト( https://www.nmao.go.jp/events/event/20251101_for-a-placard/ )などでお知らせします。
主 催 国立国際美術館
協 賛 公益財団法人ダイキン工業現代美術振興財団
企画担当 正路佐知子(国立国際美術館 主任研究員)
W'UP★11月1日~2026年2月15日 コレクション2 国立国際美術館(大阪市北区)











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