W'UP★12月13日~2月15日 ジャネット・カーディフ 40声のモテット/ 猪熊弦一郎展 夢をならべている 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市)

Photo by Markus Tretter.Photo by Markus Tretter.Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York
/ Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo. (C)Janet Cardiff
ジャネット・カーディフ 40声のモテット
会 期 2025年12月13日(土)~2026年2月15日(日)
会 場 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市浜町80-1)
開館時間 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(2026年1月12日は開館)、2025年12月25日(木)~12月31日(水)、2026年1月13日(火)
入館料 一般1,500円(団体割引1,200円、市民割900円) 大学生1,000円(団体割引800円、市民割600円) 高校生以下または18歳未満・丸亀市内に在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
※同時開催企画展「猪熊弦一郎展 夢をならべている」、常設展「猪熊弦一郎展 物が在る」の観覧料を含みます。
※団体割引は20名以上の団体が対象です。
※市民割は丸亀市民が対象です。チケットご購入時に証明する書類(運転免許証、保険証など)のご提示が必要となります。団体割引を含み、他の割引との併用は出来ません。
ホームページ https://www.mimoca.org/
お問合せ 0877-24-7755
主 催 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、公益財団法人ミモカ美術振興財団


この度丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)では、カナダを拠点に活動するジャネット・カーディフ(1957~)によるサウンドインスタレーション作品《40声のモテット》(2001)を展観いたします。
本作は、2001年にカナダ国立美術館(オタワ)で初めて公開され、同館のミレニアム賞を受賞して以来世界約60ヶ所で展示されてきた、彼女の代表作の一つです。16世紀イングランドの作曲家トマス・タリスが作曲した『Spemin Alium』(通称『40声のモテット』)をもとにしており、楕円形に設置された40台の各スピーカーから、59人5声部(ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バス)で構成された聖歌隊の歌声が個別に再生されます。それはまるで今まさに歌っている聖歌隊の場に居合わせているかのような没入感を生み出し、重層的な音の広がりは彫刻のように空間のなかで立ち上がります。
一方で、当館は数多くの美術館を手掛けてきた谷口吉生の設計のもと1991年に開館し、全国的に美術館として早い時期から自然光を取り入れた開放的な展示空間を備えています。こうした建築的特性を生かすと同時に、館内で最も面積が大きく、7mの天井高を有する広々とした展示室を会場とすることで、鑑賞者は自由に空間を移動でき、一層本作の音による空間体験を得ることができるでしょう。
原美術館ARCを皮切りに、年間を通じて金沢21世紀美術館、長崎県美術館への巡回を経て、当館での展示が国内で鑑賞できる最後の機会となります。ジャネット・カーディフの代表作による空間内での音の彫刻的な広がりと、当館ならではの建築空間の対話をお楽しみください。
見どころ
美術館空間を満たす彫刻的な音響を体験できます。
聖歌隊のそれぞれの歌声が40台のスピーカーから個別に再生され、臨場感あふれる本作は、鑑賞者の視覚よりもむしろ聴覚に働きかける作品です。一般的に視覚芸術の鑑賞の場とされる美術館の空間を、鑑賞者が耳をすましながら自由に移動することで、音の広がりによる彫刻的な空間体験が生まれます。
谷口吉生設計のMIMOCAならではの音響体験をお楽しみいただけます。
美術館の名手と評される、建築家・谷口吉生によって設計された当館の空間を活かした展示を行います。自然光をふんだんに取り入れた建築空間を活かしつつ、館内では最も広く、高さ7mの展示室Cを会場とすることで、《40声のモテット》の彫刻的な音の広がりと、当館ならではの建築空間の対話をお楽しみください。
代表作の国内巡回展の終着地となります。
本展は、2001年に発表されて以来世界約60ヶ所で展示されてきた、ジャネットの代表作である《40声のモテット》の国内巡回展です。原美術館ARC、金沢21世紀美術館、長崎県美術館を経て、当館での展示が国内で鑑賞できる最後の機会となりました。
関連プログラム
キュレーター・トーク
本展担当キュレーター(中田耕市、谷村無生)が展覧会をご案内いたします。
日時 2025年12月14日(日)、2026年1月11日(日)、2月8日(日)各日14:00~
参加料 無料(別途、本展観覧券が必要です)、申込不要
親子でMIMOCAの日
高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料となります。
日時 2026年1月24日(土)、25日(日)10:00~18:00(入館は17:30まで)
※詳細やその他のプログラムは当館HP等でお知らせいたします。

ジャネット・カーディフ Janet Cardiff
ジャネット・カーディフ(1957~)はカナダのブリティッシュ・コロンビア州を拠点に、サウンド、彫刻、テクノロジーを融合させ、「聴く」、「見る」といった複合的な知覚体験を伴う、革新的で没入感のあるインスタレーションを制作。
2001年にジョージ・ビュレス・ミラーとともにヴェネツィア・ビエンナーレでカナダ館代表として参加し、特別賞を受賞。
以後もミラーと共同で活動を続け、世界各地の美術館で展覧会を開催。
日本では、「ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー」(金沢21世紀美術館、2017年)などの展覧会をはじめ、横浜トリエンナーレ2005、あいちトリエンナーレ2013への参加や、ベネッセアートサイト直島の《ストーム・ハウス》(2010年から2021年まで常設作品)でも知られる。
同時開催
猪熊弦一郎展 夢をならべている
本展は、70年以上にわたって描きに描き続けた画家・猪熊弦一郎の、何ものにもとらわれない絵画をご紹介します。



香川県で生まれた猪熊弦一郎(1902~1993)は、東京美術学校に学んだ後も引き続き東京で制作を続け、第二次世界大戦が始まる前年の1938年から40年までパリで学んで帰国します。さらに50歳を過ぎて1955年からニューヨークで約20年間を過ごした後は、東京とハワイの両方にアトリエを構え、90歳まで制作に励みました。時代や環境の変化をも吸収して描いた作品は、写実的な具象からデフォルメの効いた具象へ、ニューヨークでは抽象へと変化しましたが、時々の自分を画面に力いっぱいぶつける点においては生涯を通して揺らぐことがありませんでした。
その猪熊が晩年に制作したのは、具象も抽象もない、形はすべて面白く美しいバランスでできていると考え、それらを自分の秩序で絵の中に住まわせた作品です。丸や四角といった形も、何とも形容できない形も、顔や鳥といった生き物の姿も区別なく、さまざまな形が共存する絵画を描きました。見ることを大切にし、ものの形を正確に描くことができた猪熊ですが、長い画業の間に蓄積されたたくさんの形は常識に捉われることなく素直に自由に描かれ、作品は不思議に満ちています。
本展では猪熊が80歳を超えて制作した作品をご紹介します。70年以上にわたって描きに描き続けた猪熊の、何ものにもとらわれない絵画をどうぞご覧ください。
本展のポイント
「具象も抽象も区別なく描いた形が共存する絵画」をご紹介します。
猪熊の画業は約70年にわたり、彼が生きた時代や環境を映すように画風も変化していきました。晩年には、具象も抽象形態の集合体であり、形はすべて面白く美しいバランスでできていると考えた、さまざまな形が共存する絵画に到達します。本展では、猪熊が80歳を超えて制作した、丸や四角と、顔や鳥といった生き物の姿が区別なく描かれ、さまざまな形が共存する作品をご紹介します。
鑑賞者自身が新たに見出すことができます。
猪熊は88歳の頃に次のように言い、鑑賞者に自由な解釈を委ねています。
「俺は俺なりの一つの画面の上で夢をならべているだけで、あなたはあなたでこの絵を見てなんて感じるか」※
猪熊が描いた形をありのままに受け止め、自分なりの視点でそれらの関係性を見つけて画面の構成を考え、猪熊作品を新しく見出してください。本展では一つの展示室だけでなく、1階のエントランスから、2階、3階の展示室へと立体的に広がっていく空間で、猪熊のおおらかな作品世界を体感できます。
※「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館オープン記念番組 guenまるがめの顔」(西日本放送、1991年11月17日放送)より
二つの展覧会に共通するものがあります。
猪熊の絵画作品を視覚に基づいて鑑賞する本展は、聴覚に働きかけるサウンドインスタレーション作品を出品する企画展「シャネット・カーディフ 40声のモテット」と同時開催します。鑑賞者がそれぞれに形の面白さや画面構成を見出す猪熊の作品と、音を聴きながら自由に移動することで彫刻的な空間を創造するカーディフの作品は、いずれも作品から得た体験をもとに鑑賞者自身が想像の中で作品を組み立て直し、より深い鑑賞体験ができる点が共通しています。二つの展覧会それぞれに異なる感覚を研ぎ澄まし、自分だけの作品をお楽しみください。
関連プログラム
キュレーター・トーク
本展担当キュレーター(松村円)が展示室で来館者に見どころをお話しします。
日時 2026年1月4日(日)、2月1日(日)各日14:00~
参加料 無料(別途、本展観覧券が必要です)、申込不要
親子でMIMOCAの日
高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料となります。
日時 2026年1月24日(土)、25日(日)10:00~18:00(入館は17:30まで)

出品作家プロフィール
猪熊弦一郎(いのくまげんいちろう)
1902年 香川県高松市生まれ。少年時代を香川県で過ごす。
1921年 旧制丸亀中学校(現 香川県立丸亀高等学校)を卒業、上京し本郷洋画研究所で学ぶ。
1922年 東京美術学校(現 東京藝術大学)西洋画科に進学、藤島武二教室で学ぶ。
1926年 帝国美術院第7回美術展覧会に初入選。以後、1934年まで毎年出品し入特選を重ねる。
1927年 東京美術学校を中退。
1935年 新帝展に反対し不出品の盟を結んだ有志と第二部会を組織、第1回展に出品。
1936年 同世代の仲間と新制作派協会(現 新制作協会)を結成、以後発表の舞台とする。
1938年 渡仏、パリにアトリエを構える(~1940)。滞仏中アンリ・マティスに学ぶ。
1950年 三越の包装紙「華ひらく」をデザイン。
1951年 国鉄上野駅(現 JR東日本上野駅)の大壁画《自由》を制作。
1955年 渡米、ニューヨークにアトリエを構える。具象の面影は消え、直線と円を中心とした幾何学的な作品を多数制作。
1975年 ニューヨークのアトリエを閉じ、東京に戻る。冬はハワイで制作するようになる。鮮やかな色彩で、不定形の複雑な形があふれる作品を描く。
1988年 妻、文子を亡くす。作品に顔や動物たちも描かれ、多様な形が共存するようになる。
1989年 丸亀市へ作品1,000点を寄贈。
1991年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が開館。
1993年 逝去、90歳。
常設展「猪熊弦一郎展 物が在る」
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)は、丸亀市の市制施行90周年記念事業として1991年に開館しました。猪熊弦一郎の作品約2万点を所蔵し、現代美術を中心とした企画展や教育プログラムを開催しています。





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