W'UP!★6月23日〜7月14日 Nerhol「Affect」 第一生命ギャラリー(千代田区有楽町)

W'UP!★6月23日〜7月14日 Nerhol「Affect」 第一生命ギャラリー(千代田区有楽町)
 
Dai-Ichi Bldg. (GHQ), 2023, Inkjet print, 350 x 458 mm 写真提供・朝日新聞社

2023年6月23日(金)〜7月14日(金)
Nerhol「Affect」

 アーティストデュオNerholの展覧会が、第一生命ギャラリーとM5 Galleryで同時開催される。Nerholは2007年より活動開始、さまざまなモチーフの画像を重ね、空間や時空までをも歪ませる作品を制作している。2020年「VOCA展 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)でVOCA賞を受賞。

 本展は、VOCA展の特別協賛、第一生命保険株式会社の日比谷本社(旧第一生命館)1階に開設される第一生命ギャラリーと、隣接する新有楽町ビルにあるM5 Galleryでの同時開催となる。Nerholは本展を通して、この地が戦後、“重要な責務を果たしてきた”その意味を多層的に解き明かすことを試みる。

第一生命ビルの写真が歪んだような作品
Rooftop (Dai-Ichi Life Bldg.), 2023, Inkjet print, 1940 x 1440 mm 写真提供・朝日新聞社

 アーティストデュオNerholは、結成以来、自然と人工、言語と図像、写真と彫刻などあらゆる境界を越境する独自の活動とその野心的な作品で高い評価を得てきました。二人の美術家の対話を原点とするその活動は、彼らが巡り会う人々、場所との物語を源泉としており、余波として生まれる作品には、愛情を持って世界の細部を注視する彼らの姿勢と時間の集積を見ることができます。

 第一生命ギャラリーとM5 GALLERYで同時開催される本展では、第一生命ビルに今もなお存在するマッカーサールームを起点としながら、GHQ接収後から現在に至るまでの第一生命館が担ってきた役割やその歴史に焦点を当てていきます。それは世界を住処とする数知れない存在や多様な事物、遠く隔たった時間と空間、両立など到底できないような複数の現実など、無意識の内にもつ影響や根源的な結びつきを緩やかに繋ぐ試みとなるでしょう。

窓から見た外の景色が歪んだようなモノクロ作品
Windowsill (MacArthur Room), 2023, Inkjet print, 900 x 560 mm
額装された風景画が歪んだように見える作品
The painting hanging on the wall (MacArthur Room), 2023, Inkjet print, 600 x 350 mm

Nerhol展 "Affect"
会 期 2023年6月23日(金)~7月14日(金)
開廊時間 12:00~17:00
休館日 土・日・祝
入場料 無料
会 場 第一生命ギャラリー(東京都千代田区有楽町1-13-1 第一生命日比谷ファースト1階)
アクセス JR有楽町駅より徒歩2分、東京メトロ日比谷線、千代田線、都営地下鉄三田線 日比谷駅より徒歩1分、東京メトロ有楽町線 有楽町駅より徒歩1分
※地下鉄出口B1、B2です。
ホームページ https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/society/contribution/gallery.html

作家コメント
 第一生命保険本館(昭和13年竣工)は、6年と10ヶ月にわたりGHQに接収された中で、日本における数多くの歴史的事象の舞台となってきました。特に内装や調度品を当時のままに保存したマッカーサー執務室を始め、日本国憲法の原型であるGHQ草案が作成されたと言われる大会議室や貴賓室などからは、80年近くの時間を経てもなお、いかにこの場所が重要な責務を果たしてきたかを感じ取ることができます。私たちはそれらを改めて見つめ直し、また当時の資料や記録を多く残している朝日新聞フォトアーカイブの協力を得る中で、過去から現代に至るまでの多層的な存在態と、さまざまな物語に横たわる事物の本質を解き明かすことを試みます。

Nerhol ネルホル
 Nerhol(ネルホル)は、飯田竜太と田中義久の二人からなるアーティストデュオ。それぞれの活動を展開していた二人は、現代においていかにして問題を提起し、人に伝えていくかという方法論において共通項を見出し、2007年よりNerholとして活動を開始する。書物やそこに印された文字、世界に存在する図像の定型を異化するような探求にはじまり、2011年からは数分間かけて200カット以上撮影をした全て異なるポートレートを束ねて彫刻することで生み出される歪んだ人物像の立体作品を発表し、大きな注目を集める。 その後、国内外の美術館やギャラリーの展覧会への参加を重ねるなか、街路樹、動物、水、あるいはネット空間にアップされた画像データや記録映像等、様々なモチーフを選びながら、それらが孕む時間軸さえ歪ませるような作品を制作。そこでは一貫して、私たちが日常生活を過ごすときには見落とされがちな有機物が孕む多層的な存在態を解き明かすことが試みられている。
 主な個展に「Interview, Portrait, House and Room」(2017年、Youngeun Museum of Contemporary Art、韓国)、「Promenade」(2016年、金沢21世紀美術館)、「Index」(2015年、Foam Museum、アムステルダム)など。主なコレクションに、Foam Museum(アムステルダム)、amana photo collection(東京)などがある。
 飯田は、1981年静岡県生まれ。2004年日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業、2014年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術専攻修了。現在は東京を拠点にしている。田中は、1980年静岡県生まれ。2004年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科を卒業後、東京を拠点に活動を続ける。

第一生命ギャラリーについて
 第一生命は、日比谷本社1階に第一生命ギャラリーを開設しています。当社は、企業メセナ活動の一環として、現代美術の展覧会「VOCA(ヴォーカ)展(The Vision of Contemporary Art)現代美術の展望-新しい平面の作家たち」のVOCA賞等受賞作品を所蔵し、同ギャラリー・ロビーで定期的に公開しています。
 また、年に数回、VOCA展受賞作家の個展を開催し、作家の方には発表の場を、一般の方々には入場無料で気軽にお楽しみいただける美術鑑賞の場をご提供しています。
https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/society/contribution/gallery.html

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