W'UP★1月16日~1月18日 中澤希公「昨日、巡り合おうとしなくても」展 青森県立美術館(青森県青森市)

中澤希公「昨日、巡り合おうとしなくても」展
会 期 2026年1月16日(金)~1月18日(日)
会 場 青森県立美術館 コミュニティギャラリーA(青森県青森市安田字近野185)
開館時間 9:30~17:00
休館日 会期中無休
入館料 無料
東京藝術大学大学院に所属する中澤希公は、14歳のときに母親を亡くした経験をもとに作品を制作しています。本展は、2025年に青森県で行ったフィールドワークをもとに制作された新作個展です。
人との別れや物質の消失、記憶の薄れなど、私たちは日々様々な喪失を経験しながら生きています。この展覧会は、自身が経験した喪失の記憶と向き合い、日常生活の中でそれらと共に生きていくための場所です。泡のように生まれては消える記憶や感情に耳をすませることで、喪失とどう生きていくかという問いへの、あなた自身の中にある答えに少しだけ近づけるかもしれません。

青森県に残るイタコ文化や日本三大霊場・恐山でのリサーチを基点に、喪失を抱える人々が死者の気配や記憶に触れる新たな儀式的空間を創出。呼吸のリズムによって生まれ、儚く消える泡を媒介に、「応答なき死」とともに生きるあり方を提示する。

焼かれたセメントは冷たく硬いが、時間とともにヒビを重ね、微細な変化を見せる。これは、人が火葬され新たな姿となる過程や、死者と残された人との関係性の変容を象徴している。セメントの冷たさは、亡くなった人の不在や冷たさを想起させ、同時に記憶や思いの痕跡を映し出す。

日常的に家族として繰り返される食事と、その終わりの所作に着目した作品。母が母らしくいる時間は、記録として残されることが少なく、アルバムの中にもほとんど存在しない。無意識のうちに呼吸をするような、記録的ではない時間こそが、生活の大部分を占めている。特別な出来事ではなく、日々の生活の中に埋もれてきた時間や行為に目を向けることを試みている。
アーティスト・ステイトメント
ときに、道の途中で、過去の悲しみがふと浮かび上がることがあります。ときには、自分より早く流れていく雲を見て、そう感じることもあるでしょう。
この空間は、忙しない日々の中で置き去りにしてきた喪失と、そっと再会するための場所でありたいと願っています。歩くこと、見ること、立ち止まること。その小さな行為の中で、記憶と感情がほんの少し和らぐことを願っています。
プロフィール
中澤希公(なかざわ・きく)。2002年、岩手県生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻に進学。2025年度より、世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバルシェイパーズに選出。死別の喪失体験をコンセプトにした作品を発表。「死んだ母の日展」や「葬想式」で、2022年および2023年の「GOOD DESIGN NEW HOPE AWARD」優秀賞を受賞。2024年9月より、ロンドン芸術大学(Central Saint Martins)の4D FINE ARTコースに留学。2025年3月、慶應義塾大学の卒業設計で槇文彦・伊藤滋賞/SFC学会金賞を受賞。
関連イベント
作家在廊日時 2026年1月16日(金)~18日(日)の9:30~12:00、13:00~17:00。
※本展は、令和7年度文化庁メディア芸術育成支援事業に採択された展示です。
支 援 令和7年度文化庁メディア芸術育成支援事業、株式会社共栄
協 力 青森県いたこ巫技伝承保存協会
キュレーション 田尾圭一郎




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