W'UP★5月14日~6月8日 詩人 吉増剛造展「ネノネ」 ソーシャルイシューギャラリー&カフェ SIGNAL(港区虎ノ門)

2024年5月14日(火)~6月8日(土)
詩人 吉増剛造展「ネノネ」

吉増剛造展「ネノネ」について
 現代最高峰の詩人「吉増剛造」を動かす暗黒舞踏の祖「土方」の声。
 それは日本の原風景に響く声なき声の音、根、ネ ー。
 「土方さんの声を聞いていただけませんか」
 今回の展示で吉増剛造がインスピレーションを求めたのは舞踏家土方の肉体から放たれる特異な「声」。
 そこに影響を与えた日本文化に微かに息づく「声なき声」や「音なき音」。
 それは瞽女(ごぜ)や娘義太夫、イタコといった歴史に消えてしまいそうな小さな「音の根」=「ネノネ」。
 吉増剛造もまたこうした「ネノネ」に耳を澄まし表現をし続けてきた詩人です。
 小さな声に耳を傾けることが必要とされる現代社会において、詩人と舞踏家、日本を代表するアーティストの表現を通じて「ネノネ」にふれることで鑑賞者に創造性の芽を育む機会を提供します。
 ギャラリーでは吉増剛造による書き下ろしの原稿展示や公開制作に加えて、土方に関する資料展示も行います。

写真:浅田政志

吉増剛造 Gozo Yoshimasu
 1939年東京生まれ、詩人。1964年『出発』でデビュー以降、60年以上にわたり詩/言語の可能性を極限まで追求、比頬ない前衛的表現を次々と生み出し、現代詩に新境地を開き続けている。代表作に『黄金詩篇』(1970年、高見順賞)、『熱風 a thousand steps』(1979年、歴程賞)、『オシリス、石ノ神』(1984年、現代詩花椿賞)、『螺旋歌』(1990年、詩歌文学館賞)、『長編詩 ごろごろ』(2004年)、『裸のメモ」(2011年)ほか、写真、ビデオ、銅板彫刻、絵画-原稿などのマルチメディア作品も多数。朗読パフォーマンスの先駆者としても知られ、音楽家や舞踏家、演出家、映像作家などとの共演も多い。「最後の詩集」と語る『Voix』(2021年)発表以降も、精力的に詩作 ・パフォーマンス・請演を続けている。日本芸術院会員、文化功労者。-という略歴を、略歴紹介という常套的手続きを、それに頼る心根そのものを超越した表現者。

土方巽 Tatsumi Hijikata
 1928年秋田県生まれの舞踏家。高校卒業後にモダン・ダンスを学び、舞踏家・大野一雄の初公演に衝撃を受け19歳の初上京を経て、24歳で上京。58年に土方巽を名乗り、59年に津田信敏近代舞踏学校、のちのアスベスト館を初訪問。ダンサーではなく、舞踏家として活動する契機となる。61年に暗黒舞踊派(のち舞踏)を結成。全身を白く塗った「危機に立つ肉体」をもって従来の舞踊を覆し、独特の舞踏を確立した。その表現は三島由紀夫や澁澤龍彦から高く評価されたほか、写真家・細江英公やウィリアム・クラインらの被写体となり、また俳優として寺山修司演出の舞台に立つなど様々な分野の第一線で活動する作家たちの作品に参加したほか、パリやロンドンなど欧州でも公演を行った。86年没。

本展示に寄せたSIGNAL主宰・亀山 淳史郎 ステートメント
 多くの表現者が「小さな声」に耳を傾けることを創造性の源泉にしてきました。それは多様な人々の声を受け入れようとする現代社会で”ダイバーシティ”や”インクルージョン”といった考えが語られるずっと前からのことです。
詩人吉増剛造(1939-)は70年余の創作の過程で声なき声、音なき音、に耳を傾けそれを詩として書き記し朗読をすることをし続けてきた稀代の表現者です。
 いま詩人が舞踏家土方(1928-1986)の声に再び呼び覚まされようとしています。
土方巽もまた、暗黒舞踏という身体表現において、自らの言葉で語ることや、瞽女・娘義太夫・イタコといった日本の文化・芸能に流れる声や音を創作に取り入れることを試みていました。
 詩人が舞踏家を通じて想像力の彼方に耳を澄ましている姿そのものが今回の展示の中心です。
期間中にはライブパフォーマンスも予定しています。『ネノネ』という言葉には「音の根」という意味がありそうです。彼らにだけ聞こえている小さな「音の根」を掘り起こしていくその身振り手振りを通じて、わたしたちにも様々な声や音が聞こえてくるのではないでしょうか。
 「多様性がイノベーションの源泉だ」と大きな声で語ることよりも大切な感性として「小さな声を深く静かな水脈から汲み上げる力」を育むことがあるのではないでしょうか。吉増剛造先生による展示を開催出来ることを光栄に思います。
 亀山 淳史郎 / SIGNAL主宰 / 株式会社SIGNING 取締役

期 間 2024年5月14日(火)~6月8日(土)
開館時間 火~金曜日 11:00〜23:00 カフェ&ギャラリー(18:00以降はバータイム)
     土曜日 11:00〜18:00 カフェ&ギャラリー 
休業日 日・月・祝日
入場料 無料
会 場 SIGNAL(東京都港区虎ノ門1丁目2-11 The ParkRex TORANOMON 1F)
電話番号 03‐6205‐8220
WEBサイト https://signing.co.jp/signal/
公式Instagram https://www.instagram.com/signal_socialissuegallery/
アクセス 東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 A2出口から徒歩5分。東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 2a出口から徒歩3分

開催期間中、下記イベントを実施予定です
2024年5月17日(金) MARYLIA x 吉増剛造 ライブパフォーマンス
18:00開場、18:30開演 入場無料+1dirnkオーダー 事前予約制
2024年6月1日(土)小林康夫(東京大学名誉教授) x 吉増剛造 トークショー
16:00開場、16:30開演 入場無料+1dirnkオーダー 事前予約制
申込みはこちら ※定員になり次第終了させていただきます
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXoPz2-cUmf5N1MtdniWRyNpT5zoA9X7NhXa2SmBN0kUeJmA/viewform

吉増剛造 写真 浅田政志 土方 写真 深瀬昌久
提供 慶應義塾大学アートセンター/NPO法人舞踏創造資源
スペシャルサンクス 深瀬昌久アーカイブス 浅田政志 Switch Publishing Take Ninagawa 鈴木余位 山本圭太
企 画 SIGNAL x 岡本小百合

SIGNALについて
 ソーシャルイシューギャラリー「SIGNAL」は、来場者が情報のインプットとアウトプットの両方を担うところが特徴です。アート展示を鑑賞し、顕在化していない社会課題と向き合う機会提供だけにとどまりません。社会課題を表現したアートを鑑賞することで湧き上がる来場者の想いがアンケートによりアウトプットされ、そのアウトプットの集合体を当社が様々な角度で”兆し”として取り扱い、社会課題解決のアイディアに昇華させていく、という仕組みです。アンケートで得た定量データをもとに、社会課題に関するレポートや対話型のイベント、企業・団体・大学との共同プロジェクトも実施予定です。リアルな実地調査による取り組みを通じ、未発見の社会の課題や兆しの発見を目指し、大小隔たりのない社会課題解決に邁進してまいります。

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