W'UP! ★9月14日~11月12日 特別展 文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ―ガンダーラから日本へ― 三井記念美術館(中央区日本橋室町)

W'UP! ★9月14日~11月12日 特別展 文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ―ガンダーラから日本へ― 三井記念美術館(中央区日本橋室町)

特別展 文明の十字路 バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ―ガンダーラから日本へ―
会 場 三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7階)
開催日 2024年9月14日(土)~11月12日(火)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 9月24日(火)、9月30日(月)、10月7日(月)、10月15日(火)、10月21日(月)、10月28日(月)、11月5日(火)
入館料 一般 1,500円、大学・高校生 1,000円、中学生以下無料  ※70 歳以上の方は1,200 円(要証明)
ホームページ https://www.mitsui-museum.jp/exhibition/next.html
アクセス 東京メトロ銀座線「三越前」駅A7出口徒歩1分、東京メトロ半蔵門線「三越前」駅徒歩3分A7出口徒歩1分、東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅B9出口徒歩4分、メトロリンク日本橋(無料巡回バス)乗降所「三井記念美術館」徒歩1分
主 催 三井記念美術館、読売新聞社

重要文化財 弥勒菩薩半跏像 白鳳時代・天智5年(666) 大阪・野中寺
重要文化財 弥勒菩薩半跏像 白鳳時代・天智5年(666) 大阪・野中寺

 バーミヤン遺跡は、アフガニスタンの中央部を東西に走るヒンドゥークシュ山脈の中にあります。この地域は、古くからユーラシア各地の文化が行き交う「文明の十字路」とも呼ばれています。渓谷の崖に多くの石窟が掘られ、その中に東西二体の大仏がそびえていました。大仏の周囲壁面には「太陽神」と「弥勒」の姿が描かれていました。
 本展覧会は、東西二体の大仏を原点とする太陽神と弥勒の世界に迫り、特に「未来仏」である弥勒信仰の流れを、インド・ガンダーラの彫刻と日本の法隆寺など奈良の古寺をはじめ各所に伝わる仏像、仏画等の名品でたどります。

バーミヤン遺跡とは
 バーミヤン遺跡は、アフガニスタンの首都・カーブルから西北西に約120km、標高2500mの高地にあります。約1.3kmにわたる崖には、東西に高さ38mの「東大仏」と高さ55mの「西大仏」がそびえ立ち、800 近い石窟群が掘られていました。
 また、バーミヤンの地は、6 世紀頃から交通の要所となり、多様な人々や文化が行き交い独自の文化が生まれ、「文明の十字路」とも称されています。

【東京初公開!】東西二体の大仏と壁画の「描き起こし図」(展示室4)
 バーミヤン遺跡の東西大仏の周囲には、壁画が描かれていました。東大仏の頭上には、ゾロアスター教の太陽神・ミスラの姿、一方西大仏の周囲には、弥勒が住む兜率天の様子が描かれていたと考えられています。壁画は大仏とともに破壊されてしまいましたが、破壊前に行われた調査での写真・スケッチをもとに、新たに10 分の1 縮尺の描き起こし図が完成しました。本展覧会では、それら描き起こし図を東京にて初公開いたします。

バーミヤン東大仏龕天井壁画 描き起こし図(部分) 宮治昭監修・正垣雅子筆 2022年 龍谷ミュージアム 
バーミヤン東大仏龕天井壁画 描き起こし図(部分) 宮治昭監修・正垣雅子筆 2022年 龍谷ミュージアム

玄奘三蔵と『大唐西域記』(展示室4)
 『西遊記』の三蔵法師のモデルとしてよく知られている、唐の仏教僧・玄奘(602~664)。玄奘は、20 年近くにわたり中央アジアからインドへ旅をしましたが、インドに経典の原典を求めて旅する途中、630 年頃にバーミヤンに滞在し、大仏の姿も実際に目にしています。玄奘の旅行記である『大唐西域記』には、二体の大仏を含めバーミヤンの信仰の様子が書かれています。

太陽神の信仰 (展示室1・3)
 東大仏の頭上に描かれていたのは、ゾロアスター教の太陽神・ミスラであるという説が有力視されています。インド地域においても、ミスラと同じ語源を持つミトラ神が古くから存在していましたが、紀元前2 世紀頃にギリシアの太陽神・ヘリオスの図像がインドに伝わってからは、スーリヤが太陽神として後世まで信仰されました。本展覧会では、こうした太陽神の様々な姿や太陽神と仏教の関わりについてご紹介します。

スーリヤ像 4~6世紀 龍谷ミュージアム
スーリヤ像 4~6世紀 龍谷ミュージアム

アジアの弥勒信仰 (展示室4・5)
 玄奘が『大唐西域記』にてバーミヤン東大仏を「釈迦仏」と明言しているのに対し、西大仏の尊名については触れられておらず不明でしたが、壁画の内容から「弥勒仏」であった可能性が明らかとなりました。
 「弥勒」とは、現在兜率天に住み、釈迦入滅後の56 億7 千万年後にこの世に下生するという、いわば未来の救世主です。弥勒は2~3 世紀頃のガンダーラの地域において既に信仰され、その後バーミヤンを含む中央アジア、そして中国・朝鮮半島へと広がりを見せました。本展覧会では、弥勒信仰の源流とアジアへの広がりについてご紹介します。

弥勒菩薩交脚像 2~3世紀 平山郁夫シルクロード美術館
弥勒菩薩交脚像 2~3世紀 平山郁夫シルクロード美術館

日本の弥勒信仰 (展示室2・7)
 ガンダーラ・中央アジアで発展した弥勒信仰は、中国・朝鮮を経て日本にも伝わりました。6 世紀の仏教伝来当初より弥勒の存在が重視されていたことが知られ、特に奈良時代に発展した法相宗の寺院では弥勒信仰が盛んとなりました。
また、平安時代後期以降も未来仏である弥勒信仰は一層の高まりを見せ、上生・下生信仰のほか、密教や阿弥陀信仰とも関連を持ちながら独自の展開を遂げました。本展覧会では、こうした日本の弥勒信仰を背景に生み出された仏像や絵画などを通して、様々な弥勒の姿をご覧いただきます。

弥勒菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
弥勒菩薩立像 鎌倉時代・13世紀

弥勒に関する経典と図像 (展示室5)
 弥勒は様々な経典に登場しています。弥勒の上生・下生信仰を説いた「弥勒六部経」のほか、『法華経』類には弥勒が住む兜率天への往生と、阿弥陀如来が住む阿弥陀浄土への往生が説かれています。本展覧会では、弥勒の信仰・造像に影響を与えた経典や、様々な弥勒の像容を収めた図像などをご覧いただきます。

妙法蓮華経 巻第七 上元3年(676) 三井記念美術館
妙法蓮華経 巻第七 上元3年(676) 三井記念美術館

美術館外観

情報掲載について

当サイトへの掲載は一切無料です。こちらからご登録できます。https://tokyo-live-exhibits.com/about_information_post/

コメント

*
*
* (公開されません)