W'UP★4月17日~7月14日 結成70周年記念 奈良原一高《無国籍地》と「グループ “実在者”」の仲間たち/柚木沙弥郎 永遠のいま/北斎コレクション 第1期 ー特集「北斎博覧会」/島根県立美術館 (島根県松江市)

結成70周年記念 奈良原一高《無国籍地》と「グループ“実在者”」の仲間たち
会 期 2025年4月17日(木)~7月14日(月)
会 場 島根県立美術館 コレクション展示室4(島根県松江市袖師町1-5)
開館時間 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日 火曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)
入場料 一般300円、大学生200円、小中高生無料
ホームページ https://www.shimane-art-museum.jp/exhibition/collection.html
- 奈良原一高《無国籍地》1954年 島根県立美術館蔵 ©Narahara Ikko Archives
- 堀内康司《無題》1954年 島根県立美術館蔵
- 堀内康司《廃墟》1954年 島根県立美術館蔵
- 『5人の片眼の兵隊』表紙 1956年 個人蔵
- 『5人の片眼の兵隊』中表紙
展覧会の構成
第1章 奈良原一高《無国籍地》
松江高校を卒業して7年後、奈良原一高(1931-2020)は初個展「人間の土地」(1956)を開催しました。それは、戦後日本の写真を大きく転換していく起爆剤となった伝説の展覧会です。奈良原は《人間の土地》のシリーズに先駆けて、戦後の廃墟を写した《無国籍地》(1954)を撮影しています。当初《人間の土地》の一部に組み込もうとしていたこの一連の作品は、大阪の砲兵工廠跡地と東京·王子の軍需工場跡地の廃墟を撮ったものです。
第2章 堀内康司《廃墟》
1955年4月、靉嘔(1931-)、池田満寿夫(1934-1997)、堀内康司(1932-2011)、真鍋博(1932-2000)の4人の画家たちが、反画壇を標榜する「グループ“実在者”」を結成し、奈良原はそこにオブザーバーのような形で参加しています。堀内は前年に出会った仲間たちを、自ら作品を描いていた王子の廃墟へと案内しました。奈良原はすでに大阪で廃墟を撮っており、王子での撮影も含めてこの廃墟の詩《無国籍地》のシリーズを生み出していったのです。
第3章
「グループ“実在者”」は、2度のグループ展を開催した後、各自の個展を連鎖展として展観していきます。奈良原の個展「人間の土地」もこの連鎖展のひとつのように、「グループ“実在者”」の仲間たちが展示を手伝い見守ったのです。その後グループは解散しますが、豆本詩画集『5人の片眼の兵隊』をともに出版しました。
みどころ
奈良原一高写真作品総数780点の世界一のコレクションを誇る島根県立美術館。奈良原の最初のシリーズ《無国籍地》50点を展観します。
今年は、奈良原が客員として参加した前衛画家グループ「グループ“実在者”」の結成70周年にあたります。
初個展「人間の土地」で、日本の戦後写真界に突然現れたように語られていた奈良原一高。じつは、この時期前衛美術の渦中におり、それが「人間の土地」を生み出す土壌となり、ひいては奈良原一高の基盤となったことを、2010年の企画展「手のなかの空 奈良原一高1954-2004」で示しました。その後作家からは、《無国籍地》全50点を、グループ“実在者”の仲間·堀内康司のご遺族から、同時期に同じ廃墟を描いた作品を寄贈いただくことになったのです。
柚木沙弥郎 永遠のいま
会 期 2025年4月18日(金)~6月16日(月)
会 場 島根県立美術館(島根県松江市袖師町1-5)
開館時間 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日 火曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)
入場料
一般 1,100円(オンラインチケット・ローソンチケット)、1,300円(当日券・本展のみ)、1,450円(当日券・コレクション展セット)
大学生 800円(オンラインチケット・ローソンチケット)、1,000円(当日券・本展のみ)、1,100円(当日券・コレクション展セット)
小中高生 400円(オンラインチケット・ローソンチケット)、500円(当日券・本展のみ)、500円(当日券・コレクション展セット)
※( )内は20名以上の団体料金です。
※4月29日~5月11日は児童福祉週間により、中学生以下は観覧無料です。
※小・中・高生の学校教育活動での観覧は無料です。
※身体障害者手帳(障害者手帳アプリ:ミライロID)、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方、及びその付添人は1名まで無料です。
ホームページ https://www.shimane-art-museum.jp/exhibition/
主 催 島根県立美術館、NHK松江放送局、NHKエンタープライズ中国、TSKさんいん中央テレビ、山陰中央新報社、SPSしまねグループ
後 援 朝日新聞松江総局、毎日新聞松江支局、読売新聞松江支局、産経新聞社、中国新聞社、新日本海新聞社、島根日日新聞社、BSS山陰放送、日本海テレビ、エフエム山陰、山陰ケーブルビジョン
制作協力 NHKプロモーション
惜しまれつつも2024年1月に101歳の生涯を閉じた染色家、柚木沙弥郎。作家を代表する染色作品に加え、版画やコラージュ、絵本、立体作品など、ジャンルの垣根を超えて制作された作品の数々をご紹介します。
※オンラインチケットは3月18日販売開始予定です。
※ローソンチケットはローソン各店にて販売(Lコード:63428)です。
※20名以上の団体での来館については、団体でのご来館をご確認ください。
北斎コレクション 第1期 ー特集「北斎博覧会」
会 期 2025年4月23日(水)~5月26日(月)
会 場 島根県立美術館2階「北斎展示室」(島根県松江市袖師町1-5)
開館時間 10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日 火曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)
入場料 一般300円 大学生200円 小中高生無料
ホームページ https://www.shimane-art-museum.jp/exhibition/collection.html
お問合せ 0852-55-4700
「大阪・関西万博(Expo 2025)」の開幕を記念し、55年前の大阪万博に出品された「赤富士」をはじめとする当館自慢の逸品、現存数が少ない稀覯品、世界でもここでしか見られない珍品の数々を紹介します。
出品作品
初摺の逸品、版画ながら世界で1点または数点しか知られていない稀覯品、世界で現存唯一という珍品など46点を展示。
主な展示作品
葛飾北斎《新板おどりゑづくし》島根県立美術館蔵(永田コレクション)
北斎が「春朗」と名乗っていた画業初期に描いた作品。子供が遊ぶための「おもちゃ絵」の作例は北斎としては珍しく、蔦屋重三郎(初代)との提携作としても貴重です。版画の作品ですが、現存が世界で1点しか確認されていないという点でも、希少な作品です。
葛飾北斎《亀》島根県立美術館蔵(永田コレクション)
北斎が「北斎辰政」へ改名し独立したことを知らせる摺物(すりもの:売り物ではなく私的目的で作成する版画)。世界で知られる「HOKUSAI」の名を高らかに宣言した記念碑的作品ですが、現存はわずか2点のみ。いずれも当館所蔵の「永田コレクション」です。
葛飾北斎《死亡通知書》島根県立美術館蔵(永田コレクション)
北斎が亡くなった朝、娘の応為(お栄)が、北斎の門人・北岑(ほくしん)に宛てて書いた「死亡通知書」です。北斎が亡くなった日時、死因、葬儀についてなど、北斎の死に関する詳細を記した、世界で唯一の極めて貴重な資料です。
葛飾北斎(1760-1849)
江戸時代後期の浮世絵師。代表作に《冨嶽三十六景》シリーズなどがあり、世界的に知られる画家です。
永田生慈(1951-2018)
北斎研究の第一人者。津和野町出身で、2017年に北斎に特化した「永田コレクション」(約2,400件)を島根県立美術館に寄贈しました。
新庄二郎(1901-1996)
松江市出身のコレクター。「新庄コレクション」として北斎の作品を島根県に譲渡しました。
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