W'UP★7月11日~1月11日 生誕140周年記念企画 ニューヨークの藤田嗣治 軽井沢安東美術館(長野県軽井沢町)

(中央右)藤田嗣治《ラ・フォンテーヌ頌》(1949年 油彩・キャンバス ポーラ美術館蔵)ほか(展示室3)
生誕140周年記念企画「ニューヨークの藤田嗣治」
会 期 2026年7月11日(土)~2027年1月11日(月・祝)
会 場 軽井沢安東美術館(長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43番地10)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 2026年12月31日、2027年1月1日
入館料 一般 2,600円(電子チケット200円引き)・高校生以下 1,300円(電子チケット100円引き) 前売りチケット(電子チケットのみで販売):一般 2,300円・高校生以下 1,100円
ホームページ https://www.musee-ando.com
軽井沢安東美術館では、ゲストキュレーターにポーラ美術館主任学芸員の内呂博之氏をお迎えして、生誕140周年記念企画「ニューヨークの藤田嗣治」展を2026年7月11日(土)から2027年1月11日(月)まで開催します。本展は、1949年3月に日本を離れ、パリに渡るまでの約10か月間におよぶニューヨーク滞在に焦点を当てた展覧会です。画家 藤田が再起をかけたこの時代を掘り下げます。
第二次世界大戦後、「民主主義への転換」と「表現の自由の獲得」を理念に掲げる美術団体の設立が相次ぐなか、戦時下に作戦記録画を描いたことが理由で「戦争協力者」と見なされ、画壇での居場所を失いつつあった藤田嗣治(1886-1968)は、自由な創作を求めて日本を去ることを決意します。1949年3月、日本を後にした藤田が最初に向かったのは、パリではなくニューヨークでした。彼の念願であった日本からパリへの直接渡航は叶わず、まずは渡米したうえで、最終的にパリに戻るルートをとったといわれています。いずれにせよ藤田が日本を去ることを決断してから、すでに約3年の月日が流れていました。
日本を飛び出した藤田が求めたのは、「萬世不滅の傑作」を後世に残すことでした。ニューヨークでは、日本とは異なる解放感や豊富な画材に囲まれ、新たなモチーフや技法に挑戦しながら、制作活動に没頭していきます。ニューヨークでの約半年間の成果を発表した、マシアス・コモール画廊(Mathias Komor Gallery)での個展(1949年11月11日~26日)は、予想以上の成功を収め、画家「Foujita」の才能を改めてニューヨークの美術界に示しました。この個展は、欧米のアートシーンにおいて自身の存在感を依然として示せたこと、また最終目的地であるパリへの渡航を確かなものにしたという点で、画家にとって極めて重要な意味をもったといえるでしょう。このニューヨーク滞在は、彼のその後の創作に明らかに影響を及ぼすことになりました。
軽井沢安東美術館は、この1949年に制作された傑作《猫の教室》をはじめ、ニューヨークの個展に出品されたと考えられるいくつかの重要な作品を所蔵しています。本展では、生誕140周年企画「ニューヨークの藤田嗣治」と題し、藤田作品を多数収蔵するポーラ美術館や目黒区美術館の協力を得て、ニューヨークで制作された作品を中心に、戦後の東京からニューヨーク、そしてパリへ再び戻るまでの藤田の活動をご紹介します。1949年の個展のみならず、ニューヨークへ旅立つ前の作品や再びパリに渡った後の作品にも目を向けながら、藤田の画風の連続性や変化を探ります。
展示構成
第1章 1940年代 敗戦から日本脱出まで
戦時下において藤田は多くの戦争画を制作しましたが、同時に描きたいモチーフにも密かに挑み続けていました。終戦後はそれまで渾身の力を込めて描いてきた戦争画に背を向け、1920年代のエコール・ド・パリの時代に数多く描いた西洋人女性の裸婦像の制作へと戻っていきます。彼の代名詞ともいえる繊細で美しい輪郭線もここにきて再び息を吹き返しました。もっとも、それは単なる過去へ回帰ではありませんでした。藤田は裸婦の背景に具象的な自然の姿を描いたり、人物の周りを擬人化した動物で取り囲んだりと、新たな画風にも果敢に挑戦しています。
その一方で、藤田はフランス大使館を訪れ、日本からの脱出を計画していました。戦争責任をめぐる問題や、美術団体・制度の再建と権力争いなど、雑音の多い日本を一日も早く離れ、制作に没頭したいと願ってのことでした。しかし、その思いが実現するのはそれから3年後の1949年、しかも渡航先はフランスではなくニューヨークでした。本章では、アメリカの占領下で制作された作品を中心に、日本脱出を目指した藤田がニューヨークへ渡航するまでの動向を振り返ります。
第2章 1949年 ニューヨーク滞在記
1949年3月、ニューヨークに渡った藤田は開放的な空気のなかで良質の画材を用い、思う存分、制作に打ち込める喜びを噛みしめていました。「萬世不滅の傑作を残したい」と書き残しているように、この地は藤田の創作意欲を駆り立てたのです。タイル模様の作品、ガラス画、瀬戸物のためのデッサン、そして擬人化された動物画など、藤田はさまざまな作品の制作に挑戦しています。ニューヨークでの絵画制作の成果を発表するべく、11月にマシアス・コモール画廊で開催した個展は大成功を収めましたが、藤田はニューヨークに留まる道を選ばず、1950年1月27日、妻の君代とともにパリへと向かいました。
本章では、ニューヨークで描かれた作品や絵手紙を紹介します。また藤田本人がしたためた日記などを手掛かりにパリへ向かった理由を探りながら、約10か月に及ぶニューヨーク滞在を振り返ります。
第3章 1950年以後 パリでの生活と信仰
1950年2月、藤田は郷愁と輝かしい未来への期待を胸に、約10年ぶりにパリへ舞い戻りました。しかし、藤田を待ち受けていたのは、戦争をめぐる厳しい詰問でした。さらに異国での生活に馴染めず苛立ちを募らせる君代への気遣いに加え、パリでの再起を阻もうとするデマにも対処しなければならなりませんでした。そうした状況のなかで藤田が好んで描いたのは、昔日の面影を湛える街並みや純真無垢な子どもたちの姿、そして宗教的な象徴性を帯びたモチーフでした。藤田は癒しや懺悔を求めていたのでしょうか。以降は母子像や聖母子像を描き続けることで、彼のカトリックへの憧れや信仰心は少しずつ高まっていきました。そして1959年10月、藤田は君代とともにカトリックの洗礼を受けます。
こうした精神的な苦悩があったとはいえ、藤田の作品はニューヨークと同じくパリでも正当に評価されていきました。1951年のサロン・ドートンヌに約20年ぶりに参加し、《ラ・フォンテーヌ頌》(ポーラ美術館蔵)を出品したことをはじめ、数年に一度、ポール・ペトリデス画廊で開かれる個展は評判がよく、またパリ市立近代美術館などで開催される「時代の証人の画家たち」展の常連メンバーとして活躍しました。そして1957年にはフランス政府から二度目のレジオン・ドヌール勲章(オフィシエ)を授与されたのです。
本章では、ニューヨークでの成功を携え、パリへ戻った藤田が、様々な苦悩に翻弄されながらも、フランス人画家としての人生を再構築しようと精励した時代を振り返ります。
見どころ
1949年、NYで開かれたマシアス・コモール展以来、藤田の代表作である《ラ・フォンテーヌ頌》(ポーラ美術館所蔵)と《猫の教室》が76年ぶりの共演!
藤田の代表作は「乳白色の下地」の裸婦だけではありません。1949年、ニューヨークで制作された《ラ・フォンテーヌ頌》と《猫の教室》は、藤田作品のなかでも大作であるだけでなく、とても人気のある作品です。この2点が同時に展示されるのは、1949年のマシアス・コモール画廊に続いて、パリに戻った1950年、ポール・ペトリデス画廊で開かれた個展の時以来。藤田はこの2点を手離すことなく、パリで披露することを切に願っていたことがうかがえます。76年の時を超えて、貴重な二点が共演します!(会場:展示室3)
かわいい、ユニークな挿絵がいっぱいの絵手紙(目黒区美術館所蔵)全36点を大公開!
目黒区美術館が所蔵するシャーマン・コレクションのなかの絵手紙26件/36点全てを3回にわけて展示します。シャーマンこと、フランク・シャーマンは連合国最高司令官総司令部(GHQ)の民生官で、藤田の大ファンであるとともに、彼の日本脱出を支援した立役者でした。藤田がニューヨーク到着後、数か月にわたってシャーマンに宛てた絵手紙からは、ポップな雰囲気や当時の心境がうかがえます。(会場:展示室3)
常設展 「作品とともに巡る藤田嗣治の軌跡」
「ニューヨークの藤田嗣治」展と同時開催となる本展「作品とともに巡る藤田嗣治の軌跡」では、藤田嗣治の初期から晩年に至るまでの作品を一堂に紹介し、彼が歩んだ画業の軌跡をたどります。展示室は「自宅のような美術館」という当館のコンセプトをもっとも色濃く体現した空間。深紅の壁にシャンデリアがきらめき、ソファを配した展示室は、まるで邸宅のサロンのようなおもむきです。作品とともに、藤田の世界にゆったりと浸る特別な時間をお楽しみください。(会場:展示室5
関連イベント
イベント1. 講演会「藤田嗣治とアメリカーーニューヨーク、シカゴ、西海岸」
日時 2026年7月19日(日)14:00~16:00(終了予定)
講師 兵庫県立美術館館長 林洋子氏
料金 無料(尚、美術館チケットのご提示をお願いたします)
会場 軽井沢安東美術館1F サロン ル ダミエ
概要 長らく、日本とフランスを行き来した画家と思われがちな藤田でしたが、1990年代からの研究で戦前の段階ですでに航路で「地球を三周した」と自負するほど世界各地を旅し、多文化を体験した日本人の先駆者という姿が浮かび上がってきました。今回はその体験を「北米」にしぼって、1930年代前半に繰り返した短期滞在と、戦後1949年春からの約10か月の「暮らし」を振り返ってみます。
※参加ご希望の方は、事前にお申込みください。
お申し込みはこちらから https://ticket.musee-ando.com/application/ticket/?ec=26050734898559&rc=001&dsk=sAiYHREUaPtKUwzt9BKrD73mNDA7VK6Nq28LMYuW
イベント2. 講演会「世界の美術の中心へ――藤田嗣治と岡田謙三の1949年」
日時 2026年10月4日(日)13:30~15:30(終了予定)
講師 ポーラ美術館主任学芸員 内呂博之氏
料金 無料(尚、美術館チケットのご提示をお願いたします)
会場 軽井沢安東美術館1F サロン ル ダミエ
概要 第2次世界大戦後、美術の中心はパリからニューヨークへと急速に移行していきました。その変化をいち早く体感していた日本人画家の一人が、1949年に渡米した藤田嗣治でした。ニューヨーク滞在中の藤田は、日本にいた岡田謙三へ宛てた書簡のなかで、現地の美術館や画廊、都市生活、そして芸術環境の圧倒的な刺激について語っています。本講演では、その書簡の一部を紹介しながら、岡田が渡米を決意する時代背景と、戦後日本美術における「越境」の意味を考察します。二人の軌跡を通して、世界美術の地図が塗り替えられてゆく歴史的瞬間を読み解きます。
※参加ご希望の方は、事前にお申込みください。
お申し込みはこちらから https://ticket.musee-ando.com/application/ticket/?ec=26050728429071&rc=001&dsk=sAiYHREUaPtKUwzt9BKrD73mNDA7VK6Nq28LMYuW
イベント3. ナイトミュージアムツアー×「1949年藤田嗣治個展(マシアス・コモール画廊)」再現体験
日時 2026年10月23日(金)16:30~19:00(終了予定)
会場 軽井沢安東美術館1F サロン ル ダミエ/展示室
概要 閉館後の美術館を特別に貸し切り、静けさに満ちた空間のなかで、学芸員の解説とともに展覧会をゆっくりとご覧いただきます。またアーティスト笹川浩子氏をお迎えし、「1949年藤田嗣治個展(マシアス・コモール画廊)」再現プロジェクトについてお話いただいた後、AR技術を通じて、かつての展覧会空間を臨場感豊かに追体験していただきます。
※参加ご希望の方は、事前にお申込みください。
お申し込みはこちらから https://ticket.musee-ando.com/application/ticket/?ec=26050763615553&rc=001&dsk=sAiYHREUaPtKUwzt9BKrD73mNDA7VK6Nq28LMYuW
同時開催
同時開催1. 常設展 「作品とともに巡る藤田嗣治の軌跡」
「ニューヨークの藤田嗣治」展と同時開催となる本展「作品とともに巡る藤田嗣治の軌跡」では、藤田嗣治の初期から晩年に至るまでの作品を一堂に紹介し、彼が歩んだ画業の軌跡をたどります。展示室は「自宅のような美術館」という当館のコンセプトをもっとも色濃く体現した空間。深紅の壁にシャンデリアがきらめき、ソファを配した展示室は、まるで邸宅のサロンのようなおもむきです。作品とともに、藤田の世界にゆったりと浸る特別な時間をお楽しみください。(会場:展示室5)
同時開催2. 特集展示「ニューヨークで描かれた猫たち-『猫の本』(1930)と『夜と猫』(1950)より」
10か月に及ぶニューヨーク滞在中、藤田が手がけた仕事のひとつが『夜と猫』の挿絵でした。本書は、アメリカの女流詩人エリザベス・コーツワースが綴った猫の詩に、藤田が12点の猫の素描を寄せたもので、幻想的で美しい世界が広がっています。
実は1930年にも、藤田はニューヨークで猫に関する書物を出版しています。愛らしい20匹の猫を描いた挿画詩集『猫の本』には、イギリスの詩人マイケル・ジョセフが歴史上の偉人たちの名を与えた猫たちが収められています。コロタイプ印刷による滑らかな濃淡表現が特徴的で、瞳孔の形やひげ、肉球に至るまで細部が精密に表現されています。
本展では、1930年と1950年にニューヨークで出版された二冊の猫の本を紹介いたします。とりわけ『猫の本』に納められた20点の作品が一堂に会する機会は大変貴重です。生き生きとした表情や、軽やかで愛らしい仕草のひとつひとつに、猫へと注がれた藤田の温かいまなざしを感じながら、ぜひ間近でご覧ください。会場:特別展示室
休館日変更についてのお知らせ(4月1日~)
これまで当館は水曜日を休館日としておりましたが、4月1日より水曜日も開館いたします。
休館日(不定休)につきましては、下記のご利用案内にてご確認ください。
https://www.musee-ando.com/pages/userguide#openingHours
SNS
https://www.instagram.com/karuizawa_andomuseum/
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※今後の状況により、内容が変更する場合もございます。最新情報は公式サイトをご確認ください。
アクセス 軽井沢駅(北陸新幹線/しなの鉄道)北口より徒歩8分

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