W'UP ! ★5月3日~6月1日 Between the Fragments JPS Gallery 東京(渋谷区神宮前)

Between the Fragments
会 期 2025年5月3日(土)~6月1日(日)
会 場 JPS GALLERY(東京都渋谷区神宮前6-27-4 東武第二ビル1階)
開館時間 記載なし
休館日 記載なし
入場料 無料
ホームページ https://jpsgallery.com/
オープニングレセプション 2025年5月2日(金)17:00~20:00
- Naoto Fuchigami, ℏ – particle / orbital #3, H91 by W91 by D3.5 cm, Epoxy resin and silicon wafer on panel, 2024 © Courtesy of the artist and JPS Gallery
- Naoto Fuchigami, ℏ – particle / decay #7, H45.5 by W45.5 by D3 cm, Epoxy resin and silicon wafer on panel, 2024 © Courtesy of the artist and JPS Gallery
- Jiwon Kim, Emotions, 66 by 92 cm, Mixed media on hanji mounted on panel, 2025 © Courtesy of the artist and JPS Gallery
- Jiwon Kim, HUMAN, 116.7 by 218.1 cm, Mixed media on hanji mounted on panel, 2022 © Courtesy of the artist and JPS Gallery
最も深い真理は、壊れた破片の繊細な裂け目にこそ宿る。
JPSギャラリー東京にて開催される《Between the Fragments(断片のあいだ)》は、量子物理学とフェミニズムによる身体の再主張という、一見交わらないふたつの領域の間に前例のない対話を創出します。キム・ジウォンと淵上直斗 —— まるで対極的に見える二人のアーティスト。
キム・ジウォンは、韓紙の上に女性の身体を断片化し、継ぎ合わせることで社会の傷を癒しの物語へと昇華させます。一方、関西大学ではシステム理工学部物理・応用物理学科を専攻していた淵上直斗は、完璧なシリコンウェハーを粉砕し、原初的な塵へと変えることを通じて、現代文明の根底に挑みます。彼らの表現は、「完全」でも「断片」でもない、そのあいだ —— つまり、電流が走るような緊張感のなかで、真理と美が芽生える場所へと私たちを導きます。
キム・ジウォン:美の規範への静かな反抗を縫い合わせる
彼女の心を揺さぶる作品の核には、従来の美の基準への親密で個人的な反抗があります。
彼女は韓国の伝統紙である韓紙を用い、女性の身体を断片化・歪曲・誇張し、それを繊細に縫い合わせていく —— この独自のプロセスは、単なる美術的技法にとどまらず、深い癒しと浄化の儀式へと昇華されています。一針一針が、身体へのコンプレックスや社会からの容姿への執拗な期待と向き合ってきた彼女自身の道のりを物語ります。その破壊と修復は、自己受容という普遍的な人間の旅を象徴しています。彼女の作品は、私たち自身が社会的な圧力とどう向き合うかを問いかけ、本来の自然な身体の形に美を見出すよう促します —— 脆さが力へ、そして不完全さが芸術へと変容するのです。
淵上直斗:技術の塵に宿る哲学
一方、彼の作品は、量子科学と原始的な芸術表現が出会う稀有な交差点に存在しています。
彼の革新的な《ℏ シリーズ》では、現代文明を支える半導体であるシリコンウェハーが、精密に粉砕され、塵や粒子と化します。この行為は、技術をその原初的な素材の状態へと還す象徴的な儀式です。私たちが価値を置くテクノロジーを意図的に解体することで、人間の認知の限界や、あらゆる分野に蔓延する単純化への傾向を鋭く批判します。
彼の手法は、現実を構成する物質の不思議な性質を露わにし、私たちが世界を「分類し、解釈し、言語化する」枠組みそのものに揺さぶりをかけます。彼の作品は、秩序と混沌、精密さと曖昧さ、科学的確実性と哲学的問いの間に緊張感を生み出します。量子物理という視点から工業素材に新たな意味を吹き込み、これまでの芸術表現の枠を超えた領域へと観る者を誘います。
断片の真実:技術と身体の分解と再構築のアート
キム・ジウォンと淵上直斗の作品が交わるその場所には、私たち人間が「断片」と「再生」とどう関わってきたかという本質的な問いが浮かび上がります。私たちのデジタル社会を加速させるシリコンウェハーの完璧さと、同じ社会が生み出す身体コンプレックスという痛み。このふたりのヴィジョナリーは、こうした現代の断片の中に、より深い真実を照らし出します。本当のリアリティへの接続は、私たちが「現実をどう捉えるか」という既存の枠組みに疑問を投げかけたときにはじめて現れるのです。
キム・ジウォン
1998年韓国生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科を2023年に卒業後、同大学院で美術学修士を取得しました。美の社会的圧力や自己嫌悪をテーマに、韓紙を用いた作品を制作しています。
淵上直斗
1995年日本生まれ。関西大学システム理工学部物理・応用物理学科を卒業後、富士通株式会社でシステムエンジニアとして勤務。2021年に退社し、アーティストとして活動を開始。量子物理学を基盤に、物質世界の構造と人間の認知の限界を探求する作品を制作しています。
ソーシャルメディアハッシュタグ @jpsgallery @puchipachiooo @naoto_fuchigami__ #kimjiwom #fuchigaminaoto #jpsgallery
住所 | 東京都渋谷区神宮前6-27-4 東武第二ビル1階 |
TEL | 03-6812-9306 |
WEB | http://www.jpsgallery.com/(香港JPS Art Gallery) |
営業時間*1 | 11:00 ~ 18:00 |
休み*2 | 月曜 |
ジャンル*3 | 現代美術 |
アクセス*4 | JR原宿駅より徒歩7分、明治神宮前駅より徒歩3分 |
取扱作家 | http://www.jpsgallery.com/artists.htm(香港JPS Art Gallery) |
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります |
JPS GALLERY TOKYO
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