W'UP★4月25日~5月24日 REFLECTIONS: PERFORMANCE Gallery COMMON(渋谷区神宮前)

REFLECTIONS: PERFORMANCE
会 期 2026年4月25日(土)~5月24日(日)
会 場 Gallery Common(東京都渋谷区明治神宮前5-39-6 B1F)
開館時間 11:00~19:00(最終日は17:00まで)
休館日 月曜日(5月4日は開館)
入館料 無料
ホームページ https://gallerycommon.com
本展は、ニューヨークを拠点に活動するキュレーター、マット・ブラックが手がけ、白髪一雄をはじめ、アーロン・ガーバー=マイコフスカ、エンジェル・オテロ、アンケ・ヴァイヤー、イチ・タシロ、イダ・エクブラッド、ジャナイナ・チェッペ、ジョー・ブラッドリー、ホセ・パルラ、マルコ・パリアーニ、パブロ・トメク、スペンサー・ルイスによる作品を紹介いたします。アメリカ、ヨーロッパ、南米、アジアなど、異なる文化的背景を持つ作家たちが参加する本展は、現代抽象絵画をめぐる多様な実践を国際的かつ多層的な視点から捉える機会となります。
本展では、白髪一雄と、抽象表現の可能性を探求し続ける現代アーティストたちとのあいだに生まれる共鳴に焦点を当てます。白髪は絵画を単なるイメージではなく、身体の行為として再定義しました。そこでは、身体と物質の出会いの中で生まれるジェスチャーが、痕跡であると同時に、ひとつの出来事として立ち現れます。
1954年に結成された具体美術協会は、日本の戦後美術における最初期の前衛的なアーティスト集団のひとつでした。彼らは既存の絵画や彫刻の枠組みにとどまることなく、物質と精神のあいだに生まれる新たな関係を探求しました。具体作家たちにとって重要だったのは、素材を単に操作することではなく、精神と物質が互いに働きかけ合う瞬間でした。そこではアーティストの精神が素材と直接出会い、やがて作品そのものが語り始めると考えられていました。「具体」という名称は、精神の自由が現実の中に具体的なかたちとして現れること、その証明を意味していました。
この思想を最も身体的なかたちで体現したアーティストの一人が白髪一雄です。白髪はロープに身体を預けながら、足で絵具を塗り広げるという独自の方法によって、絵画を身体の出来事へと変換しました。キャンバスの上に残される厚い絵具の軌跡は、身体の運動、素材の重さ、そして時間の流れを内包しています。そこでは絵画は完成された像ではなく、身体と物質が出会う瞬間の記録として現れます。
本展に参加する現代のアーティストたちもまた、絵画を固定されたイメージとしてではなく、行為とプロセスの場として探求しています。彼らの作品では、キャンバスは絵具が触れ、動き、重なり、時に崩れながら、絶えず変化していく場となります。画面には制作の痕跡が残り、絵画は完成された像というよりも、行為が重なっていく時間の層として立ち現れます。
同時に、参加アーティストたちの実践は、それぞれの文化的背景や素材へのアプローチによって大きく異なっています。身体的なジェスチャーや即興的な筆致によって画面を構築するアーティストがいる一方で、削り取りや重層化、燃焼といった物質的介入を通して表層を形成するアーティストもいます。また、都市の記憶やストリートカルチャー、自然や神話的イメージなど、多様な文化的文脈から抽象表現へと接近する実践も見られます。こうした差異は、現代の抽象絵画が単一の様式として存在するのではなく、異なる文化、経験、身体性の交差のなかで更新され続けていることを示しています。
白髪の実践と現代の絵画のあいだには、単純な系譜があるわけではありません。しかしそのあいだには、絵画を行為として捉えようとする共通の衝動が存在します。身体が素材に触れ、絵具が動き、画面が変化していくその過程のなかで、絵画はつねに生成し続けています。本展は、そうした異なる時代と地域のあいだに生まれる対話の場を提示します。
展覧会タイトルの「REFLECTIONS: PERFORMANCE」は、身体的な行為として生まれる絵画が、過去の実践を映し返しながら新たな表現として現れていくプロセスを示唆しています。白髪一雄の身体的な実践をひとつの起点としながら、行為としての絵画がどのように多様な文化的文脈の中で展開し、いまへと響き続けているのか――本展がその瞬間に立ち会う機会となれば幸いです。
プロフィール
アーロン・ガーバー=マイコフスカ
1978年ワシントンD.C.生まれ。現在はカリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする。
作家自身の肉体と作品との相互依存性を反映し、伝統的な絵画の境界を押し広げている。豊かな質感と鮮やかな色彩の抽象構成を作り出し、混ざり合う色彩領域に一本の途切れない線を並置。この線を「キャラクター」と表現し、身体的なアプローチで平面に命を吹き込む。作品はロサンゼルス郡立美術館、ハマー美術館、ハーシュホーン博物館、ウォーカー・アート・センター、フォンダシオン・ルイ・ヴィトン、龍美術館などに収蔵。
エンジェル・オテロ
1981年プエルトリコ・サントゥルセ生まれ。現在はニューヨークとプエルトリコを拠点に活動。
絵の具の本質的特性を引き出す技法で知られ、記憶という概念と向き合う。ガラスに油絵の具を塗り重ね、剥がした「スキン」を再構成する「オイル・スキン」シリーズで注目を集める。作品はブロンクス美術館、グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館、龍美術館、ストックホルム近代美術館などに収蔵。
アンケ・ヴァイヤー
1974年ドイツ・カールスルーエ生まれ。ニューヨーク・ブルックリンと同州北部を拠点に活動。
身体的かつ即興的なプロセスで大規模な油彩・アクリル画を制作。大胆な色相と触覚的なエネルギーに満ちたフォルムが特徴。制作を一種の「闘い」と表現し、創造と破壊が表裏一体となった直感的なプロセスを展開。作品はクンストハレ・リンゲン、ジャクソンビル現代美術館、オアハカ州立画家美術館などで展示。
イチ・タシロ
独学のアーティスト。動作、本能、素材への直感的反応に基づき制作する。
木製パネルに複数のキャンバスを張り、彫刻、燃焼、顔料などを用いて変容を施す。切断と燃焼のプロセスは癒しや浄化の行為であり、身体的・精神的な癒しの表現とされる。香港、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京などで個展・グループ展を開催。アートバーゼル香港などにも参加。
イダ・エクブラッド
1980年ノルウェー・オスロ生まれ。絵画、彫刻、詩、インスタレーションなど多分野で活動。
大胆な色彩と表現力豊かな身体動作による画面で知られる。ストリートアート、ポップカルチャー、コブラ(CoBrA)、抽象表現主義などからインスピレーションを得る。作品はポンピドゥー・センター、大英博物館、ノルウェー国立美術館、ルイジアナ近代美術館、ハマー美術館などに収蔵。
ジャナイナ・チェッペ
1973年ドイツ・ミュンヘン生まれ。現在はニューヨークを拠点に活動。
マラガ現代美術館、デン・フリエ現代美術センター、セントルイス現代美術館、笠間日動美術館などで個展を開催。作品は金沢21世紀美術館、ポンピドゥー・センター、グッゲンハイム美術館、ブルックリン美術館、ボストン美術館などに収蔵。
ジョー・ブラッドリー
1975年生まれ。1999年ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン卒業。現在はニューヨークを拠点に活動。
線と色彩の可能性を探求し、美術史や文化への個人的な参照と自発的で直感的な表現を組み合わせる。2008年ホイットニー・ビエンナーレ参加。作品はニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館、バッファローAKG美術館、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンなどに収蔵。
ホセ・パルラ
1973年生まれ。マイアミ生まれ、プエルトリコ育ち。現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動。
筆記と抽象表現主義を融合させた多層的な方法論を用いる。言語、アイデンティティ、歴史を問い直す作品は、ブルックリン美術館、大英博物館、ポーラ美術館、ペレス美術館などに収蔵。ワン・ワールド・トレード・センターの壁画「One: Union of the Senses」などパブリックアートも手がける。
マルコ・パリアーニ
1986年イタリア・ブスト・アルシーツィオ生まれ。ミラノのブレラ美術アカデミーで学ぶ。
着色したジェッソを重ねて削るという労力を要するプロセスで、鮮やかな抽象キャンバス作品を制作。スプレーペイントを用いたグラフィティのような表現も特徴。近年の個展にマッシモ・デ・カルロ、スカルシュテット(ロンドン、パリ)、シャイム&リード・ギャラリーなど。
パブロ・トメク
アートコレクティヴ「PAL」と共にグラフィティを実践。グラフィティ文化と抽象表現主義絵画の繋がりを探求する。労働者階級の技術や美学を転用し、制度化やジェントリフィケーションを背景とした新たな言語を抽出している。
スペンサー・ルイス
1979年コネチカット州ハートフォード生まれ。ロードアイランド・スクール・オブ・デザインとUCLAで学び、現在はロサンゼルスを拠点に活動。
段ボールや黄麻布に派手でカラフルな色彩と粗いストロークで描く。混沌とした多層性を持つキャンバス作品は、スミソニアン博物館、クリスタル・ブリッジズ美術館、グリーン・ファミリー・アート財団などに収蔵。
白髪一雄
1924年兵庫県生まれ。京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)で日本画を学ぶ。
1955年「具体美術協会」に参加。天井から吊るしたロープに身体を預け、足で絵具を広げる「フット・ペインティング」を確立。尼崎市民芸術賞、兵庫県文化賞、文部大臣文化功労者表彰など受賞多数。2008年尼崎市にて没。
関連情報
オープニングレセプション 2026年4月24日(金)19:00~21:00
Gallery COMMON(渋谷区明治神宮前)
| 住所 | 東京都渋谷区明治神宮前5-39-6 B1F |
| TEL | 03-6427-3827 |
| WEB | http://www.gallerycommon.com/ |
| 営業時間*1 | 12:00~19:00 |
| 休み*2 | 月、火 |
| ジャンル*3 | 現代美術 |
| アクセス*4 | 表参道駅A1出口より徒歩約6分、明治神宮前駅7番出口より徒歩約8分、渋谷駅B7出口より徒歩約9分、原宿駅東口より徒歩約12分 |
| 取扱作家 | |
| *1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります | |





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