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W'UP★10月31日~11月21日 Transcending Borders 越境 CADAN 大手町(千代田区大手町)

W'UP★10月31日~11月21日 Transcending Borders 越境 CADAN 大手町(千代田区大手町)

Transcending Borders 越境
会 期 2025年10月31日(金)~11月21日(金)
会 場 CADAN 大手町(東京都千代田区大手町2丁目6-3 銭瓶町ビルディング1階)
開館時間 12:00~19:00(展覧会最終日は~17:00)
休館日 日曜日、月曜日、祝日
入館料 無料
ホームページ https://cadan.org/
オープニングレセプション 10月31日(金)18:00~20:00
※18:30より出展ギャラリー及び一部出展作家よりご挨拶がございます。ぜひご参加ください。
※隣接するスペース「YAU CENTER ぜにがめ」も同日オープニングイベントを実施します。合わせてご参加ください。
企 画 Yoshiaki Inoue Gallery(大阪)、The Third Gallery Aya(大阪)、MORI YU GALLERY(京都)、FINCH ARTS(京都)

出展作家
井上廣子、笠原恵実子、黒田アキ、谷本真理、福岡道雄、藤安淳、藤原康博、松谷武判

 「Transcending Borders 越境」は国境や地域を超えることにとどまらず、素材、技法、世代、精神性、文化背景といった枠組みを横断する行為として捉えられます。本展は、世代や地域を越えて交錯する多様な実践を通じて、「境界を超える」アートの力を来場者に体感していただく試みです。

作家プロフィール
井上廣子
 大阪府生まれ。大学時代に文化人類学を学び、沖縄で出会った琉球藍の染色文化に惹かれ、1974~75年に現地で染織を学ぶ。1995年の阪神淡路大震災を契機に、社会的な視点を取り入れた制作へと転換し、孤立や隔離をテーマとした《不在 Absence》(1997–2001)で注目を集める。1998年、大阪トリエンナーレで特別賞を受賞し、以後はドイツと日本を拠点に国際的に活動。2023~24年にはベルリンで難民女性たちと出会い、信頼関係のもとに撮影した肖像シリーズ《Being in the face》を制作。人間の尊厳や境界の問題に光を当て続けている。

笠原恵実子
 1988年多摩美術大学大学院美術研究科修了。彫刻、オブジェクト、写真、映像、パフォーマンスなどのメディアを用い、女性や身体、性差といったテーマから、宗教性や制度、植民地主義といった社会構造を問う表現を展開。主なプロジェクトに、85か国の教会の献金箱を記録した《OFFERING》や、戦時中の陶器製手榴弾を扱った《K1001K》などがある。第3回光州ビエンナーレ(2000)、横浜トリエンナーレ(2001・2014)、シドニー・ビエンナーレ(2004)、PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭(2015)など国内外で発表。収蔵先に東京都現代美術館、京都国立近代美術館、栃木県立美術館、クイーンズランドアートギャラリー(ブリスベン)、バークレー美術館(UCバークレー大学)、フォグアート美術館(ハーバード大学)、カンターアーツセンター(スタンフォード大学)、ドイツ銀行など。

黒田アキ
 1944年京都生まれ、1970年よりパリ在住。1980年パリ国際ビエンナーレ以降、世界各国で個展を開催。1989年ポンピドー・センターにて展覧(PASSAGE DE LʼHEURE BLEUE)。1993年東京国立近代美術館において個展。翌年、国立国際美術館にて個展開催。1995年サンパウロ・ビエンナーレ参加。1993年『パラード』のパリオペラ座の舞台美術を手がける。ヨーロッパ写真美術館にて写真と絵画での個展。建築家リチャード・ロジャース氏との京都府南山城村立小学校のアートワーク、東京ドーム MEETS PORT HALLなどのパブリックアート『COSMOGARDEN(宇宙庭園)』を制作(9mのオブジェを制作)。近年は、以前から描き続けてきた人型 figure 作品はもとより、ミノタウロスと自画像を綯い交ぜにした Self portrait や宇宙に浮かぶ都市 organic city breaking など荒々しい筆致のペインティングを描くなど、80歳を超える今尚、絵画とオプジェ、インスタレーションと常にメディアを越境し、変容し続ける希有な作家。

谷本真理
 1986年兵庫県生まれ。2012年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。「遊び」や「偶然性」を孕んだ作品を制作。主な個展に、2023年「デイリー・セラピスト」(NADiff A/P/A/R/T、東京)、「Story Time」(PETER AUGUSTUS 、アメリカ)など。主なグループ展に、2022年「ON-ものと身体、接点から」(清須市はるひ美術館、愛知)、2021年「Slow Culture」(@KCUA、京都)、2011年「新・陶・宣言」(豊田市美術館、愛知)などがある。

福岡道雄
 1936年、大阪府堺市に生まれる。生後まもなく中国北京に渡り、終戦後に帰国。中学2年まで滋賀県海津で過ごす。早くから彫刻家を志し1955年大阪市立美術研究所彫刻室に入所。1958年海辺の砂に石膏を流し込んだ「SAND」シリーズを初個展で発表し注目される。以降、反芸術的作品「何もすることがない」、ため息を彫刻素材として捉えた「ピンクバルーン」、黑い箱状のアトリエや周辺の光景、波の表情による彫刻、平面に言葉を刻み込んだ「僕達は本当に怯えなくてもいいのでしょうか」など戦後の日本における現代美術を代表する彫刻家の一人として国内外で多数の展覧会に発表をつづけるが、2005年、想像力の回帰を自覚し「つくらない彫刻家」となる。主な展覧会として「現代美術の新世代展」(東京国立近代美術館、1966)、「第16回サンパウロ・ビエンナーレ」(1981)、「ヨコハマトリエンナーレ2014」、「福岡道雄 つくらない彫刻家」(国立国際美術館、大阪、2017)などがある。

藤安淳
 東京都出身。同志社大学経済学部卒業。「他者との関係性」をテーマに、自身が双子である事実と向き合いながらアイデンティティを掘り下げ、「見る」とは、あるいは「在る」とはについて考察した作品を、写真を主として発表を続けている。近年の主な展覧会に、「人間より大きな世界へ」榕异(ロンイー)美術館(上海 2021)、「至近距離の宇宙 日本の新進作家 vol.16」東京都写真美術館(東京 2019)、「double trouble/double grins/is it so with/twins」Lothringer13 Halle(ミュンヘン 2019)、個展「かさなるひかり」高松市美術館1階図書コーナー(香川 2025)、個展「かさなるひかり」光兎舎(京都 2023)、個展「Sense of Wonder」元淳風小学校(京都 2019)、個展「empathize」The Third Gallery Aya(大阪 2017)などがある。主な作品収蔵先として東京都写真美術館、Shanghai Duolun Museum of Modern Artなど。

藤原康博
 1968年三重県生まれ。1992年多摩美術大学美術学部絵画科油絵専攻卒業。2002年 Chelsea College of Art and Design MA Fine Art, London 修了。主な展覧会に「Y2 project 藤原康博 -記憶の稜線を歩く」(三重県立美術館柳原義達記念館、2023)、「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、大阪、2022)、「パラランドスケープ“風景”をめぐる想像力の現在」(三重県立美術館、2019)など。銀座メゾンエルメスや Hermès Hong Kongなど国内外のエルメスウィンドウのディスプレイも手掛ける。平面に加え、自身が夢をみた記憶を絵画ではなく箱に閉じ込めてしまうオブジェシリーズや記憶の稜線と題して現実と夢の線引きを越境するかのような絵画を描き続けている。パブリック・コレクションに国立国際美術館(大阪)、三重県立美術館(三重)、Hwajeong Museum(韓国)、Hana bank(韓国)、THYSSEN – BORNEMISZA ART CONTEMPORARY(オーストリア)など。

松谷武判
 1937年大阪府生まれ。日本画を学んだのち、1963年に戦後日本の前衛芸術を牽引した「具体美術協会」に参加。木工用ビニール接着剤(ボンド)の物質性を生かした有機的なレリーフ作品を発表し、膨らみや垂れといった官能的な形態で絵画の可能性を拡張した。1966年に第1回毎日美術コンクールでグランプリを受賞し渡仏、S.W.ヘイターのアトリエ17で研鑽を積み、1970年に版画工房を設立。その後再び絵画制作を開始し、ボンド造形面を鉛筆で黑く塗りつぶす独自技法を確立。絵画と彫刻の境界を越える実験的表現は高く評価され、2017年ヴェネツィア・ビエンナーレや2019年ポンピドゥー・センター個展など、国際的に活躍を続ける。

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