W'UP★10月25日~11月8日 山本靖久展 境界―Boundary 四季彩舎(中央区京橋)

山本靖久展 境界―Boundary
会 期 2025年10月25日(土)~11月8日(日)
開館時間 12:00~18:00
休館日 日曜日、月曜日、祝日
会 場 四季彩舎 SHIKISAISHA(東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスF-2)
入館料 無料
ホームページ https://www.shikisaisha.com/
お問合せ TEL 03-3535-2131
このたび四季彩舎では、8年ぶりとなる山本靖久の個展を開催いたします。
山本は近年、「豊かさ」をテーマに制作を続けてきました。現代社会に溢れる物質的・情報的な「豊かさ」への問いかけとして、人間や動物、花、山、水といった自然のモチーフをふくよかで丸みを帯びた形象に描き、精神的・肉体的に豊かであったであろう原初の風景を表現しています。
また、カゼインテンペラ、アクリル、墨などの水溶性絵具を用い、キャンバスや板、麻紙に描くことで、即興性や偶然性に重きを置きつつ「日本人の絵画空間」を探求してきました。その画面には独特の手触りが宿り、観る者にゆるやかな時間の流れを感じさせます。
今回の展覧会タイトル「境界―Boundary」は、国境や宗教、価値観の違いがもたらす断絶を前に、芸術がその狭間を埋めることはできるのかという問いから名づけられました。平面・立体・ドローイングなど約15点を出品いたします。
作品を通じて、日常の重苦しい現実から一歩離れ、豊かな時間を感じていただければ幸いです。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
アーティストステートメント
私は「豊かさ」というテーマを掲げて制作を続けています。現代は物質や情報に溢れ、その過剰さに押し流されて心に影を落とすことも少なくありません。その反問譜として、精神的にも肉体的にも豊かであったであろう原初の情景を描こうとしています。
人間や動物、花、山、水といったモチーフは「豊かさ」の象徴として登場します。その形象はふくよかで丸みを帯び、生命の充足感を湛えています。また私は「日本人の絵画空間」を求め、平面性や即興性、偶然性といった感性を重視し、カゼインテンペラ、アクリル、墨などの水溶性絵具を用いて、キャンバスや板、麻紙に描いています。その表現には「手触り」が感じられ、観者と作品とのあいだに悠然とした時間が流れることを願っています。
戦争や対立が続く現代において、人々の心はさまざまな境界に引き裂かれています。今回の個展タイトル「境界―Boundary」には、そうした断絶を乗り越え、人の心をつなぎ直す可能性を芸術に託した思いを込めました。作品を前にしたひととき、どうか心安らぐ豊かな時間を感じていただければ幸いです。



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