W'UP★10月4日~10月26日 下田ひかり 現在地 メグミオギタギャラリー(中央区銀座)
下田ひかり 現在地
会 場 メグミオギタギャラリー(東京都中央区銀座2-16-12 B1)
開催日 2024年10月4日(金)~10月26日(土)
開廊時間 12:00〜18:00
休廊日 日曜・月曜
入場料 無料
ホームページ https://www.megumiogita.com/
お問合せ info@megumiogita.com
オープニングレセプション10月4日(金) 18:00-20:00 *作家が在廊予定
現代の問題や作家自身の感情を擬人化した、カラフルでイラスト的な星の瞳の子どものポートレートで知られる、下田ひかりの新作絵画展。
この度メグミオギタギャラリーでは、下田ひかり個展「現在地」を開催します。下田は作品の中で、可愛さと恐ろしさ、孤独、生と死が同居する世界を想像しています。2011年から海外でも作品を発表し、2014年7月にCorey Helford Gallery(ロサンゼルス)にて初個展、2018年には地元長野県の朝日美術館にて個展を開催しました。また、2021年にはグループ展 “Portraits” にて弊廊初展示を行いました。
下田の作品は、彼女の表現の曖昧な器として、性別や属性にとらわれない人間である子どもの概念を提示しています。下田は、作品の構想を世界中の人に直感的に伝えるため、影響を受けてきた漫画やアニメ的な表現を取り入れました。2010-2011年頃からスーパーヒーローや魔法少女などの特徴的なモチーフを描き、また新聞紙のコラージュや絵筆の筆致を生かして社会問題や宗教観を問いかける手法を次々に確立していきました。作家個人の不安や孤独は普遍的なテーマでもあり、彼女が描く子どもたちは「全ての人であり、誰でもない」ことが重要とされています。
このため、作品は特定の人物ではなく、イラスト的なキャラクターとして描かれています。カラフルで魅力的な作品の背景は鑑賞者を引き込みますが、一方でいつ反転するかわからない世界の危険と混沌も明らかにしています。これらのモチーフは、単体ではポジティブな要素であっても、集合体になったり色の組み合わせによっては力強いイメージにも転換されます。無表情にも見える子どもは、下田にとって自身の思いを注ぎ込むことができる「感情の器」です。その大きな瞳は光と闇を反射しながら宇宙を見つめており、角はこの世の理不尽さに対する怒りや絶望といった感情のメタファーになっています。
人間には様々な感情や多面性があり、それを左右の瞳の描き方を変える事で表し、また視線が合わないようにする事で、鑑賞者が受け取る印象の複雑化を狙っています。分断と混迷が加速する不確かな時代にあり、下田の作品は1人ひとりが自分の物語を持つこと、それが他者からどう評価されるかに関わらず、大きな意味を持つことを教えてくれます。本展の開催に向けて描かれた新作は、希望と悟りに向かって進む下田の揺るぎない覚悟を感じさせます。
アーティストステートメント
スーパーフラットは日本のサブカルチャーを美術と接続してみせたが、その文脈に私の歴史はなかった。
“見飽きた”と揶揄されるほど、今キャラクターアートは美術界に溢れている。それはこれまでの作家たちの培ってきた功績でもあっただろうし、絵を描く事が特権的でなくなった事を意味するだろう。特に絵画はサブカルチャーとハイアートの垣根はすでに曖昧で、特段意味のないまま記号的に消費され続けている。
私はアカデミックな美術教育をほとんど受けず、漫画やアニメが好きで、漫画やイラストを描いていた。私にとってのキャラクターとは、私自身の代弁者だった。そこに過去の美術史との接続は一切関係がなかった。
私が描くキャラクターは私自身である。行き場を失った感情の器、性違和を抱え、女性蔑視を内包してしまったゆえの中性的な子供達、誰かに理解してほしい、愛して欲しい孤独感・・・。
こと日本人女性の描く作品は「自分自身」を内包する事が多いように思うが、とかくそれは卑下されがちで、それを適切に評価する土壌はまだない。男性たちがキャラクターの記号的表現でコンテキストを作り上げる一方で、私は、私達は、どこにも当てはまらない「私の物語と歴史」をキャラクターに投影して描いている。
どことも接続できなくても、個を描き残す事が、おそらくは歴史になっていく。個人の生きた形跡が歴史だ。祈り、救いとしてのイコンなぜキャラクターを描くのか、もう一つ理由がある。
それは私自身が、生きづらさ、苦しさからの救いを求めているからだ。
イコンとはキリスト教の聖画像の事であるが、現代ではアイコン(記号表現)として別の意味になり、それはキャラクターを内包している。
私が描く図像としてのキャラクターは、自画像や特定の人物ではなく、「人」としての概念のようなものだ。そこに行為としてのペインティングが発生する事で、感覚的に「今の自分」を見つめている。
何度も何度も、繰り返し人の概念を描く。私であって、私でないそれらを描く行為、それは祈りながら聖画像を描く事や、仏教の経典を写経する行為に通じる所があるように思う。自分自身の見た目や性を肯定できずに生きてきた私にとって、
「誰でもない」キャラクターである事が救いの一つだ。
W'UP★10月4日~10月26日 下田ひかり 現在地 メグミオギタギャラリー(中央区銀座)
住所 | 東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1 |
TEL | 03-3248-3405 |
WEB | https://www.megumiogita.com/ |
営業時間*1 | 11:00 ~ 19:00 |
休み*2 | 日、月、祝 |
ジャンル*3 | 現代美術 |
アクセス*4 | 東銀座駅3出口より徒歩約3分 |
取扱作家 | https://www.megumiogita.com/artists |
*1 展覧会・イベント最終日は早く終了する場合あり *2 このほかに年末年始・臨時休業あり *3 現代美術は、彫刻、インスタレーション、ミクストメディア作品、オブジェなども含まれます *4 表示時間はあくまでも目安です 【注】ギャラリーは入場無料ですが、イベントにより料金がかかる場合があります |
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