W’UP★6月15日～7月5日　ポロニア × キュリー・マジック・ラボ ― 移動の力 ―　大阪市中央公会堂地下1階（大阪市北区）

ポロニア × キュリー・マジック・ラボ ― 移動の力 ―
Polonia x Skłodowska-Curie's Magic Lab- The Power of Migration -
会　期　2025年6月15日（日）～7月5日（土）
会　場　大阪市中央公会堂地下1階（大阪府大阪市北区中之島1-1-27）
開館時間　11：00～19：00
入場料　無料
ホームページ https://poland2025.jp/

　本展は、科学者、母、そして移民として生きたマリア・スクウォドフスカ＝キュリーの人生を起点に、移動、記憶、身体、家族、継承といったテーマを複層的に探る試みです。
　笹岡由梨子は、長年にわたりポーランドとの深い関わりを育んできました。本展では、彼女がポーランド滞在中に受けた健康診断のイメージをもとに、家族とともに刺繍、木版、映像で表現し「関係性の実験室」を構築します。個と集団、記憶と身体、ケアと創造が交錯する場が立ち上がります。
　本展のもう一つの軸となるのが「Polonia（ポロニア）」という言葉に込められた意味です。キュリーが命名した元素「Polonium（ポロニウム）」と、世界中に広がるポーランド系移民の両方を指すこの語は、移動という行為のもつ複雑な力を象徴します。ここでは、移民としての経験が喪失ではなく、新たなつながりや表現を生み出す契機として捉えられています。
　スクウォドフスカ＝キュリーが物理的・社会的境界を超えて歩んだように、笹岡の作品もまた、移動を通して交差する視点を紡ぎ出します。笹岡が表現する「移動の力」とは、私たちが分断の時代において、どのように共に生き、記憶を手渡し、新たな関係性を築いていけるのかという問いでもあります。（本展キュレーター：パヴェウ・パフチャレク）

笹岡由梨子プロフィール
　大阪府出身。映像と絵画との接点を探るべく、絵画における手の痕跡や筆致と近似した、高性能な CG 映像にはない異物感や違和感を引き出し、独自のストーリーを紡ぐ。そして、緻密な構成や物語とともに、どこか懐かしい、けれど誰も見たことのない独特の世界観をリアルに感じさせる。現在、関西/香港を拠点に活動。

関連イベント
Po!land DAY
　開催日時　2025年6月21日（土）13：00～16：00
　13：00～　笹岡由梨子による展示室ツアー
　14：00～　アーティスト・トーク
　15：20～　ポーランドのパフォーマンス・アーティスト、マルタ・ジゥェク、日本のコンテンポラリーダンサー、辻井美穂によるパフォーマンス